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バル・マスケ~仮面舞踏会~  作者: 桜 夏姫
♪Side Story♪
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 je commence dans la mer~始まりの海~

サイドストーリーとなります。「百鬼夜行」の主である奈落と、世界をまたにかけ仮面をつけて踊り続けた少女の出会いの話です。

俺はその日、海岸で緑髪の少女を拾った。

衣服は、ぼろぼろのくせに体に傷一つない奇妙で美しい少女との出会いが、俺の運命を大きく変えた。


「死んでいるのか?」


初めに思ったのはそれだった

きれいに整った顔には、血の気はなく青白い

ぼろぼろの衣服は、かろうじて少女の女性として隠しておきたいところを隠している程度の者で見るに堪えなかった。


「警察を呼べばいいのか?」


救急車を呼ぶ必要はあるだろうか?死んでいるようにしか見えないけどもしかしたら生きているのかもしれない。


胸に耳を押し当てて――――――いやだめだ 


ぼろぼろの赤いワンピースだったものは、胸元を大きく開けている

背の高さから見て中学生あるいは高校生ぐらいだろう

成長段階だとはいえ、ふっくらとしたたしかなふくらみ


そんなところに耳を当てて俺の理性が持つわけない

とりあえず、だらりと垂れさがっている右の手を取り脈をとる


体育の事業で脈のはかり方は習った

それがまさかこんなところで役に立つことになるとは思わなかった


ドクン……ドクン…………ドクン


「えっ!?脈がある。」


これ生きているってことか?

弱弱しいが、確かに感じる


嘘だと思い先ほどのためらいを忘れ心臓に耳をちかづける

ドクン……ドクンドクン


間違いない。確かに聞こえる。心音がするってことは、生きているということだ


「おい、生きているのなら目を覚ませ。じゃないとマジで死ぬぞ。」


でき死体のような少女から返答が返ってくるとは思わないがそう叫ばずにはいられない


どうすればいい

そうだ、救急車呼ばないといけない

それに、この様子からして警察を呼んだ方がいいのかもしれない


先ほど取り出しかけた、携帯を再度取り出す


「救急車は119だっけ?でも、それより先に、気道確保とか心臓マッサージとかする必要があるのか?」


どうすればいい。こういう時どうすればいい?

答えてくれる人間は今ここにはいない

俺が考えて行動しなければならない

今この瞬間この少女の命は自分の手の中にあるのだ


こわかった

人の命というどうしようもない重みを背負っている今この状況から逃げ出してしまいたかった

でも、逃げだしたら少女は死んでしまうかもしれない

刻一刻と少女の命が削られようとしている


震える指先で救急車を呼ぶ

1

みっともない

どうしようもないくらいに指先が震えている


1


早くしなければ、死んでしまうかもしれない

0

最後のボタンを押す


通話ボタンを後は、通話ボタンを押せば救急車を呼べる


電話マークに指をかける

まさにそのボタンを押そうとしたその時


「がほっ、げほっ……」


突然さっきまで、意識がなかったはずの少女が咳き込む

口内や、体内に入った海水を吐き出し始めた


!!


驚いて携帯を取り落す

石にぶつかってゴッツ問アナ音をたてたが気にする余裕はない


少女の体を支え海水を吐き出しやすいようにしてやる


「はぁはぁはぁ……」


ひとしきり吐き出し終わった少女は肩で息をする

口元を服の袖でぬぐおうと手を持っていき少女はようやく自分の今の姿を把握する


そして、少女の体を支えている人物

つまり、俺をまじまじと見る

まずい

悲鳴を上げられる

あわてた俺の内心を知ることなく少女は口を開く


きゃああああ 変態っ


そういう悲鳴が上がると思った俺は少女の放った予想外にしてまともな言葉に唖然とする


「はじめまして。初対面の人に悪いんだけど、あなたの上着を貸してもらえないかしら?この姿はいろいろとまずいと思うのよね。」


ひどく落ち着いた声だった

凛とした声音で、放たれた言葉は、どこか女王のような気品差があふれている


「あぁ、いいぞ。俺も目のやり場に困る」


俺は来ていた、上着を少女に手渡す

少女は借りた上着を手早く羽織り、チャックを上まで閉める

170以上の身長を持つ俺の上着は、150言っているかいないか怪しい少女がキルトワンピースのようだった

衣服を身にまとい、ほっとした様子で感謝を伝えてくる


「ありがとう。私は……」


私は……そのあとに名前を続けようとしたのだろう

少女は、ふっと突然言葉を途切れ、表情が曇る



「俺は、勇輝だ。大門寺 勇輝。」


俺が先に自己紹介をすることにした

まさか、記憶喪失とかじゃないだろうな?べた過ぎて現実じゃない。


「ユウキ、ありがとう。私は奈落。ただの奈落よ」


少女の名前はどうやら奈落というらしい

ただの奈落

その言い方は、気にかかるけどな。

奈落は、自分の名字が嫌いなのかもしれない

あるいは、奈落というのは本来の少女の名前ではないという可能性


まぁ、とりあえず少女っていうより呼び名があったほうが便利だ。

其れよりも気にかかるのが、俺の名前の呼び方だ


「呼び捨てかい。まぁ、別に気にしないけど……初対面の年上の人間をいきなり呼び捨てにするあたり、お前は結構度肝が据わってるな。それともただのバカか?」

「私は、16歳。」

「俺は、18歳だ。」


奈落は、ちらちらと視線を周囲にとばし、しばらく考えるそぶりを見せる

いったいこいつは何を考えているんだ


「あなたの言うとおりだわ。ごめんなさい、気を悪くさせてしまったのなら謝ります。えっと……大門寺さん。」


なんか初めに呼び捨てにされたせいなのか、いまさら苗字でしかもおていねいにさん付けは変な気分になる


「勇輝でいい。敬語も無理に使わなくていいから、俺もその代りお前を奈落と呼び捨てにするぞ」

「かまいませんよ。呼び捨てにしてくださいな。私はただの奈落ですもの。」


にっこりと笑いながら言う


「とりあえず、お前の家はここから近いのか?」

「その前にここはいったいどこなの?」


先ほど考えていたのはもしかしてそのことだったのか。

奈落は、自分が今どこにいるのか知ろうとしていたのだろう

あたりを見回して心当たりがなかったから、たづねてきたということか


「ここは、k県のM町のO海岸だ。」


目を大きく奈落は見ひらく

それから、ため息をつく


「それはもうずいぶんと遠くに流されたわね。まったく。どうやら、私の自宅は、はるかかなたみたい。」


肩をすくめていう。こいつずいぶんと落ち着いているな。

こういうときってパニックになったりするもんじゃないのか普通。

周りを観察して、自分の様子を確認して冷静に判断していく奈落

ずいぶんと遠くに流されたってことはやはり海からながされてきたっていうことなのか

よく無傷で生きていたな

普通なら死んでいるだろう


「なら、とりあえず俺の家のこい。そのままじゃさすがにまずいだろう。義姉の服をとりあえず借りればいいだろう。」


こんな姿を誰かに見られたら俺が海岸でこいつを襲ったように見えなくもない

変な噂が出回るのはごめんだ。


とりあえず、ぬれている髪は乾かした方がいい

いや、体を温めたほうがいいだろう

風邪をひくといけないからな


兄貴にメールを送る。


トレーニング中海岸で、溺死したいのような少女拾った。家のとりあえず連れて行く。体温めないといけないだろうから、風呂沸かしておいてくれ。それと、義姉の服をかしてもらいたい。身長はたぶん150前後。温かい飲み物化スープがあるとなおいいかも。


とりえずあまり人目のつかない道を選びながら家にかえることにした







感想、評価、レビュー、誤字脱字報告等お待ちしております。

イラストもお待ちしております。

これからもよろしくお願いします。


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