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「うーん」顔を真っ赤にして力を籠める瀬戸に

「うーん」顔を真っ赤にして力を籠める瀬戸に開戸兄や吹戸も加わって逆さ岩をおすのだが……。


 回らない? やり方が違うのか……。そんなはずは……。俺は考え込む。表早秋津神社に裏早秋津神社、表に裏か?――も、もしかして!


「おい、みんな!! 逆回転だ。逆に回してみろ!!」

「「「「あっ!!」」」」


 対であることに気が付いたのだ。逆さ岩を逆方向に回しだした。そこで、5人の手の甲の痣が浮き上がる。大正解みたいだ。


 逆さ岩が回りだし、どんどん加速していく。やがて、空間自身がその渦に巻き込まれるように歪み、刹那の間、意識が途切れる。そして気が付くと目の前に見慣れた風景(台座に竹クサビが撃ち込まれた場面)が目に入った。


 さて、俺は背中からバールを抜き、身構えた。すでに竹節は全て破裂している。そして、巨大竹の裏から現れたのは土色した土竜。


「先生、何かあの竹おかしい?!」


 瀬戸が何か言ったようだが、俺はすでに土竜と戦闘態勢だ。

 俺はそちらの方に一歩前に出た。先手必勝。


「もののふ(身体強化)!! つわもの(超加速)!!」


 神速で土竜に肉薄。

「遅い!!」


 俺の接近に気が付いた土竜が口を開こうとしたところに、飛び上がりアッパーカットの要領で、下からバールをぶち込む。吐こうとしたブレスは強引に閉じられた口の中で暴発。俺はその時にはすでに頭上で大上段にバールを振り上げていた。


「トドメだ!!!!」


 バールの先端が土竜の脳天にめり込み、そのまま陥没。さらに加速、地面に土竜を叩きつけ、昆虫採集のようにバールで地面に縫い留めた。


 土竜は黒い粒子となって消えていった。


「終わった。後はいつものように竹のクサビを抜くだけ」

 俺はそう呟いて、みんなの方に戻っていく。


「「「危ない!!」」」


 安堵の表情で俺の方を見ていた瀬戸が俺の方に飛び出してきて、バールをひっつかむと俺の背後で、衝撃をバールで受け止めた。弾き飛ばされた瀬戸は俺の背中に激突して折り重なるように俺と瀬戸は前方に吹っ飛んだ。


「な、何が……」


 前のめりになりながら捻って後方を確認する。俺を庇った瀬戸が倒れて、その先には六本腕の巨人が立っていた。そして六つの手のひらには、火、水、土、風、光、闇の塊が浮んでいる。


「――?」

 思考が止まったまま、巨人を見つめる。


 しかし、それもわずかな時間のみ。六本の腕を交互に俺に向かって突き出した。そこから放たれるのは竜のブレスを濃縮した危険極まりない致死の塊。各属性の鬼力の拳弾バレットだ。


「瀬戸!!!! とばり!! のふせ!! つつみ!!」


 俺は瀬戸を守るべく、瀬戸が握っていたバールを取り上げ、結界障壁と土壁と水壁の物理障壁を展開する。


 ドッドーーーーン!! ドン!! バリー、バリバリーン!!!!


 障壁に六属性の鬼法が炸裂する。撃ち出された鬼法の塊は狙いが定まっていない。四方に打ち出された魔法は、この融合次元空間を突き破って、所々に空間の裂け目を作り出し、裂け目から、さっきまで見ていた景色が見えている。


 その破壊力は、一発一発が重たく密度が濃い?! 障壁は長く持たないぞ?!


 如何する?どうする? 障壁が破壊される。逃げ道はない。庇うように立ちはだかった俺の背に手を置いた瀬戸と根戸。その二人に手のひらから背中を通してぬくもりが伝わりバールに伝わっていく。


 この感覚は今までチャクラを解放した時に感じる龍脈から噴き出す龍気に似ている。そう云えば、このゼミ生はみんな金龍から加護を受けている。龍気をまとうバールが陽炎のようにその姿が虚ろった。そんな俺の思考を邪魔するように開戸兄は軍歌を唸っている。これは『抜刀隊』か?!


 敵は『古今無双の英雄』だよ。あれは神代の神、荒神の不動明王のそっくりさん。噂のニビルの住人、アヌンナキに違いない。でも、俺たちは生を諦めるわけにはいかない。


開戸兄の歌詞も『ーーーーーー起こせしものは、栄えた試しなし』と云っている。


 開戸兄の軍歌はバフとデバフ効果が竜相手だとあったが?アヌンナキに通用するかなんて考えている暇はない。


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