22、エピローグ
その晩、私は夢を見た。
夢の中の私はまだ子どもで、それはもうよく知っている男の子と話をしていた。
「もうっ! あんた。ちゃんとしっかりしないと彼女も出来ないわよ」
薄らと記憶にあるセリフだ。どうやら子どもの頃のことを夢で見ているみたいだった。
そうだ。あの時、あいつはまた悪戯をしやがったんだ。
確か、マジックで私の顔に猫みたいな髭を描いたのである。
「え~っ? せっかく可愛いのに~?」
その少年は悪びれる様子もなく、へらへらとそんなことを言っていた。
当然、私は腹を立てた。
「馬鹿っ! だって、あたしだったらこんな子、絶対嫌だもんっ!」
怒った私は確かにそう言った。
そう、ガキはお呼びでないのだ。もっと言ってやったらいい。
「え~っ! じゃ、じゃあ、ちゃんとしっかりするからっ! ねぇ、約束だよ」
急に泣きそうになった少年はそんなことを言った。
たく、出来るもんならやってみろって言うんだ。
「はいはい。わかったわよ。頑張りなさい」
私はそんな適当な返事をした。
「うんっ!」
少年は晴れ空みたいな満面な笑みで、そう返事をした。
これはもう、何年前のことだろう? ていうか、全然成長してないじゃないか。
顔に描かれた黒子のことを思い出し、ふとそう思った。
まぁ、でも多少は――。
思考が鈍くなった意識は、少しずつ深いまどろみの中に沈んで行く。
最後に何を考えていたのかは、もうよくわからなかった。
もっと描きたいこともあったのですが、一応今回はこれで完結にさせて頂きます。
物語を一つ纏めるって、やっぱり難しいですね。
自分の力不足を痛感させられます。
拙い文章で、何より「これ恋愛ものでよかったのか?」と作者的には不安になる作品になってしまいました。
大変失礼いたしました。
また、ここまでお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。




