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IRREGULAR'S HISTORIA  作者: 古河新後
第1部 Remaining story 残光
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1.Almighty person 全能者達

 神は『瓶で蟻を飼う子供』だと誰かが言った。


 中々的を射ている表現だと、思わず納得して苦笑したのは、いつの事だろうか?

 誰が言ったのか、そして何時だったのか……ソレも思い出せない程の時を過ごしていた。

 やはり、時間の超越を達成したのは大いに失敗だったかもしれない。このままでは全ての物事に対して“無関心”となってしまうからだ。


 私達は探究し続けた。


 その過程で、時を越えたし、新たな銀河も創っても見た。

 神……だと思う。しかし、だからと言って神々しいモノではない。蓋を開ければ、ほんの少しだけ見方を変えたタンパク質の塊に他ならないのだ。

 いや……その肉体さえも、不要であると捨て去ってしまった。


 当時は、探究するだけの時間が必要だったので、いかに“長生き”するかを考えて実行した。

 多くの失敗や、他からも非難を受けたが、達成した時は掌を返したような称賛が、今でも気持ち悪いと思える、濃い“記録”である。


 “記憶”ではなく“記録”と、言い始めたのもいつごろからか……


 全てを探究する上で、決定的な事柄に結びついてしまうからだ。


 その結果を求める行為を“演算”と言い、全てはソレで解決出来てしまう。


 とは言っても、“時を越える”や“銀河を創る”といった行為は、“演算”だけでは不可能な行為だが、基礎知識はソレによって導き出されたモノなのだ。


 最近は、現状に“退屈”して、わざわざ創った世界に降りて、その地に居る者となって永住したり、または本当の“全能者”となって、君臨している者もいる。

 まぁ、後者に関しては“退屈”になれば、またこちらに戻って来るのだろうが……


 前者は、そのまま生涯を終えてしまう事も多い。当然だ。

 今居るこの場所は、徹底的に理論を突き詰めた“結果”として、存在している場所なのだから。制限も不測の事態も何も無い。完全な万能世界なのだから――――


 「さて、君も何用だ? 降りるつもりかね?」


 また、一つ……目の前に現れた存在がいた。とある星を、我が子の様に見守っていた“存在”である。


 「そのつもり……けど、終息には程遠い世界だから、後任を頼みたい」

 「構わんよ。後任はこちらで決めるが……まともな世界には成らないと言っておこう」

 「いいよ。色々と持っていくつもりだから」

 「人が増えるのは大歓迎だがなぁ、あまり簡単に来られても困る。色々と処理が面倒なのでね」

 「L1987561423000259の“存在”だ。あの星の情報を元に組み上げたモノだから、大丈夫」

 「やれやれ、記録にあるぞ。一度実験しているな?」

 「まぁ、退界祝って事で見逃してくれ。それじゃ」


 消え始めるその“存在”に釘をさす様に告げた。


 「この場の記憶を持ち続けると、そっちでは“まとも”になれないぞ。後、後任は知らせないからな」

 「ああ。それでいい――」


 そして、また一人、この場所から“消えた”。別に悲しくも、寂しくもない。皆、そんな感情はとうの昔に、肉体と共に捨て去っていたのだから――


 何かをしていなければ、最後には自分たちで創った“世界”に降りる事になる。よほどの物好きでなければ残らない。現状に“飽きて”しまうからだ。

 故に……いずれはこの場所も滅びる事になるだろう。ただ、今がその時でない、というだけなのだ――


 「一応、目を通したが……価値のあるモノとは思えんな」


 どこにでもあるような普通の“世界”だ。若干、手が入ってしまっているが、後任の管理でどうにかなるだろう。

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