大掃除、開始
自宅に入っていった堀田と、その後に続いていった瑠璃は、家に入って早々にその汚さに絶句する。
そうして数秒間無言で家の中を眺めていた堀田が瑠璃に頭を下げながら、一緒に掃除をしてくれないか? と頼んでいった。
「ふふふ……さあ、我が家へようこそ、瑠璃……う……」
「……うん? どうかしましたか、堀田さ……う……」
「……これは……あやつら、他人の家だと思って、好き放題に散らかしやがって……」
「ひどいですね……あちこちにゴミが散らばってて……」
「……うむ……」
「……」
「……」
「……のう、瑠璃よ……」
「……はい、堀田さん……」
「すまんが、この家の掃除と片付けを、手伝ってはくれんかの? この量は、さすがに老人一人では多すぎるわい……」
「……そうですね……わかりました。お手伝いしますよ、堀田さん」
「すまん、助かる……それではこの部屋から始めていこうか?」
「はい、堀田さん」
自身の頼みを軽い調子で引き受けてくれた瑠璃に感謝の言葉を伝えた後で、堀田が家の掃除と片付けをし始めていく。
そんな堀田の姿を見ながら瑠璃も掃除と片付けを始めていき、堀田にどれが必要な物でどれがいらない物なのかを尋ねていき、ゴミとゴミで無い物の分別を始めていった。
「……むう、これはいらない物で、こっちは必要な物で……」
「堀田さん、これは必要な物ですか?」
「む、それは……うむ、必要な物だな」
「わかりました。それではこちらのこれは、必要な物ですか?」
「それは、いらない物だな。捨てておいてくれ」
「わかりました。それじゃあ家の外に持っていっておきますね?」
「うむ、頼む」
……こうして、ある程度最初の部屋の掃除と片付けが終わったところで、家の外、それも湖の外側の方から堀田を呼ぶ声が聞こえてくる。
この声に応対する為、堀田は瑠璃を連れて家から出ていった。
「ふぅ……最初の部屋は、これでなんとか目処がついてきたな……」
「はい……うん? 堀田さん、家の外から声がしますよ?」
「うん? ……いや、何も聞こえんが?」
「それは、狐獣人の私と人間の堀田さんの聴覚は違いますよ」
「……むう……それでは聞くが、その声とやらはどのように言ってきているのだ?」
「……そうですね……よくわかりませんが、遅くなってすみません! とか、我々が来たからにはもう安心だ! とかですね」
「……むう……そうなると、連絡していた警察がやっと来てくれた、という事か……?」
「警察? それなら、外に出て確かめてみますか?」
「……うむ、そうしよう。瑠璃、ついてきてくれ」
「はい、堀田さん」
こうして家から出た堀田と瑠璃は、堀田の予想通りにやって来た警察の姿を見る事になる。
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