情報基盤部編 2012年7月~2012年9月 ④
この章はブラックな話はないです。
仕事のいろはを書いた話になります。
働いていた会社のルールや状況に沿った仕事の仕方、見方を列挙しました。
7月
私は情報基盤部に戻ってきた。
以前のチームからはすでに外されていてどのチームにも所属していない扱いになっていた。
私の新しいOJT役として50代の先輩社員が担当することになった。
その人の普段の業務は部署内の雑務全般と部長の秘書的な役割であった。秘書といってもスケジュール管理を主にしている程度であった。
私はその人の隣の席に座りリハビリも兼ねて業務に取り組むことになった。
基本的な仕事は
”部署内にあるすべてのプリンターへの用紙の補充”
”大型シュレッダーの掃除”
がメインだった。
200人がいるオフィスには島と呼ばれる机を10個ほど並べた連結させた集団が20個ほどあった。
その島一つ一つにプリンターが備え付けられていた。
それとは別に大型プリンター複合機が2台あった。
始業開始時と昼休憩後私はそれらの機器の用紙を補充していった。
先輩社員たちからの嫌がらせはなくなったが睨むような視線が常にあった。
嫌がらせがなかったのは時折人事部が入室して私の様子を見に来てくれたことに効果あったようだ。
用紙の補充を毎日していると今まで見えてこなかったものが見えるようになってきた。
派遣社員同士も仲がなくないらしく派遣社員同士で罵り合いをしている場面を何度も見た。
派遣社員も会社が複数社に分かれており会社同士で争っていた。
そのため自分の島のプリンターの用紙がなくなるとほかの島のプリンターから用紙を盗んで一層溝が深まる状態になっていた。
私は9月末までの間、OJT役の人から仕事のいろはについて学ぶことができた。
今でも役に立っている言葉を書き出してみた。
”会社には同じ人物に2人の人がいる。1人は本人そのもので物理的な存在である。
もう1人は噂などで形成された仮想上の本人である。
どちら本物かと言われると物理的な存在であるがどちらが社内でのその人の人となりを決めているかと言えば仮想上の本人である。
実際に仕事をして関係する人よりも会ったことない人がする噂がその人の印象を決定づける。噂だからといって気にしないということは社内での立場を悪くすることにつながる。”
”人間関係の形は直線上の点と線ではなく自分を中心とした円形上である。
誰かと仲良くなるということはその反対側の人と距離ができてしまうということである。
誰と関係を持つべきかはきちんと考えて交流しないといけない。”
”派閥とは仲良し組合である。
仕事をする際自分の考えていることを否定されたくない。自分の依頼は一番にやってほしいとはだれもが思う。
それを体現するために付くのが派閥。学閥はその最たるもの。同じ学校を卒業しているだけで仲良くなるというのは冷静に考えるとあほらしい。
学んできた内容や卒業した年度も違うのに。場合によっては学んだ地域も違うだろう。それでも肩書が一緒だとそれだけで群れる。
趣味閥というものもある。今はどの企業もサークル活動を推奨している、社内の風通しを良くするためにということだが結果は逆になるだろう。
仲のよい人としか仕事ができない人間になる。仲良くなった人が権力者であったり仲良くなる人数が多ければビッグプロジェクトもできるだろうがそうはうまくいかない。
結局小さな輪の中でとどまりその中でできることをやる。
”ミニマムチャレンジの精神で生きていく。
大きな目標を持つことは大切である。それを成し遂げるために小さな目標を設定しそれを達成することで最終的に大きな目標を達成するように考えていく。最初は失敗ばかりで諦めてしまうかもしれないが何度も小さな目標を立てることでいつか達成できる割合が増えていくだろう。”
”社会人の努力は年単位である。
学生時代は勉強しても定期試験が目標、部活動は数か月後の試合が目標と長くても数ヶ月で達成できる目標ばかりだった。そうやって学生時代から努力してきた人は社会人になると数ヶ月程度で達成できる目標がなくなってしまう。社会人の目標(主に能力開発)は年単位になる。
最初は1年で結果が出る目標を設定する。そういうのがなくなってきたら2年、3年と目標の日付を伸ばしていくといい。
それを達成するためにミニマムチャレンジを設定しておけば年単位の目標でもいつか達成できるようになる。”
”説明は短いほどよい。
文章を書く際いろいろ言いたいことがある場合文章が長くなってしまいがち。
1文章、1意味を意識して書くと短くまとまり読む人にとっても頭にすらすらと入ってきやすい。
1文章の長さは1行半までに留めておく。
単語などを精査してわかりやすくまた文章が短くなることを意識して選定する。
読む人がパッと見て長いなと感じた文章は読んでもらえないこともある。”
”立場が上の人は上から見て判断する。
立場が上の人や忙しい人に資料を見せる場合は結論を先に書くこと意識する。
書類を上から見ていくが最後まで読んでもらえることはないと思うこと。
どういったことが書いてあるかを先読みすることが多いので伝えたい趣旨は統一しておく。
この書類は何を伝えたいのか。これを意識して書きだすこと。
文章でよいとされる構成に起承転結とあるがビジネス資料においては起承結が良い。
資料作成に慣れてきたら結・起・承の順番で書いてみるとよい。”
”忙しい時は省略しない。
忙しい時省略しがちである。それゆえミスも発生しやすい。
ミスが発生するとミスの取り消しとミスが発生しなかった場合に進んでいたであろう地点までリカバリする必要がある。
ミスが仕事上一番痛い失敗となる。
忙しい時は注意ができていないことが多いのでそういう時こそ省略せず一つずつ進めていく。結果早く終わることがある。
そもそも仕事のスピードは慣れてくれば自然と早くなる。速さを求めようとする気持ちがそもそも慣れていない証である。”
”行動は徹底する。
飲みに行かないと決めたら社内の人とは飲みに行かないこと。どうしても行きたい場合は秘密を守れる人と飲みに行く。
誰かとは行ったのに別の人とは行かなかった。その場合、行った人は仲良くなったと思うし、行かなかった人とは距離があく。
周りからあの人は歓送迎しか来ないよというように参加する、参加しないが人に依存していない方が在らぬ噂を立てられない秘訣。”
”ささいなことでも人は見ている。
小さなことだと言っても誰も見ていないわけではない。
良いことも悪いことも誰かが見ている。だがそれがすぐに自分に返ってくるということはない。
良いことも短期間しかしなければ誰の記憶からも忘れられてしまう。善い行いは継続するとよい。
悪いことは自分がへまをして立場が弱くなった時に攻撃材料として降ってくる。
通常時だともんだいないことでも分が悪い時に出てくるとことさらに問題視される。
弱みは見せない方がよい。”
”一日は6時間で考える。
7.5時間の作業時間があれば計画は6時間で考える。
仕事をしていれば電話がかかってきたりほかの作業をしなければならなくなったりと計画通りに進まない。
なので最高でも6時間(80%)で考える。人によっては5時間で考えてもよい。
残りの時間は空きではなくバッファである。バッファを認めない上司の場合は各作業時間を増やしておくこと。
バッファか?と聞かれたらいえ、それだけかかります。適正ですと言う。
バッファを認めない上司は単に仕事ができないか仕事の中身を見ていない、ミスをさせようとしているのどれかなので
正直に答えるだけバカを見る。自分の仕事は自分で責任をもって行える時間を確保すること。”
”未来を見る。
まずは来年、その次は3年後、そして5年後、最終的には10年後を見るようにする。
仕事では3年先を見れたら十分。人生計画なら10年は見ておきたい。
最初はまず失敗する。見当はずれな結果になる。それで十分この力は10年以上かけて養う能力である。
だんだんと仕事の中身が見えていき、まわりの環境(人間関係、経営層の考え、社会の考え)も見えてくる。
やってはいけないのは仕事の中身を見ずに計画してしまうこと。
あくまでも日々の仕事の積み重ねの結果の一年後、3年後。。。というように考えていく。膨大な情報を整理することになるが
慣れてくればそれも見えるようになる。”
”飲み会の幹事とは。
普通誰もが仕事はできるものと考えている。それだけは目立たない。目立つためには飲み会の幹事ができるとよい。
そうするとあの人は仕事もできて飲み会の幹事できるんだ。
リーダーシップがあって頼りになるんだと思わせることができる。
中にはこの心理を悪用するものがいる。飲み会の幹事だけがうまい人が出てきた。
幹事だけできて仕事ができない。社内詐欺師の出来上がりである。
幹事ができて悪いことはないがまずは仕事ができるようになろう。”
”仕事はそのうち早くなる。常に改善する。
最初は慣れない。もしかすると想定されたスピードよりも遅いかもしれない。叱られるだろう。
でも深く気にしなくてよい。遅くて当たり前なのだ。
慣れてくれば早くなる。そのうち手順書を見なくてもすらすらとできるようになる。
そうなった場合次に考えるのはどうやったら今よりも良いものができるだろうかということだ。
時間を早くする。品質を上げる。コストを下げる。この三点に集約される。
それを考えながら行うとだらだらと仕事をするということがなくなりルーティーンも新鮮に感じるようになる。”
”ITの価値は新たな創造と省力化
ITでいろいろメリットを入れるが新たな価値の創造と省力化の2点しかない。
この2点のどちらかに帰結しない話は怪しいと思おう。”
”人は誰でも苦しみ喜びするもの。
自分が悩んだところは誰かが悩んでいたんだ。自分が失敗したところは誰かが失敗したところかもしれない。
そういうところに改善が潜んでいる。自分が失敗しても自分だけが失敗したと思わないこと。
それを改善することがで未来に失敗する人を救うことができるのだと考える。
また自分が悩んでいるところはほかの人も悩んだところなのだ。気にしなくてよい。深く考えずそういうものとして切り替えることが大事。”
”コスト換算法の落とし穴
業務の評価方法にコスト換算法というのがある。人物時間をコストに置き換えてというものだ。
これが使われるのは主に二つある。
一つは私たちの統一価値が金であるということ。仕事をしているのもお金の為でお金で表現するということはわかりやすいという印象を受ける。
二つ目はいろんな指標を見せるよりも一つの指標で表現する方が理解が早くなるということ。いろんなデータを見て比較して。。。というのは疲れる作業である。
この有効だと思われているものに落とし穴がある。
統一価値は確かにお金であるがそのお金が大金が小銭かは人によって違う。転職者の場合は前職の経験により給料は違うし、新卒ならば金属年数で異なる。
役職を持っているかどうかでも違う。残業の多さでも異なる。結婚している人でお小遣い制の人やそもそもお金に無頓着な人もいる。
10万円という金額を見たときに人によってイメージが異なるのがお金である。
指標を統一する為に無理やり一つにまとめる。よく聞いたのが物理学の統一場理論を持ち出して世の法則は一つにまとまるんだというもの。
物理学は半世紀以上かけて取り組んでいる課題を虚業コンサルが書いた本を読んでわかった気になる程度の社員に理解できる理論ではない。
給料が違うので誰に仕事をさせるかで人件費は変わってくる。人を新たに増員するのであれば給料を上げるなどを考えなければいけない。
時間をコストというが1人で1時間かかる作業が2人で30分で終わる保証はどこにもない。
時間をかければよい品質のものができあがる保証もない。
コストというものにこだわるあまり整合性が取れない変換をしていることに気が付かないといけない。
コスト換算法を見たらこの人はどうしてこれを見せたいのだろう。どういう論理にもって行こうとしているのだろうと考えないといけない。
そしてコスト換算法で割を食うのは立場が弱い人である。人件費ならば給料を安いひとにやらせようとなるので派遣、一般社員が対象になる。
その結果手が空いている職員と水を飲む暇もない職員に分かれる。仕事を平準化しようとしても給料が高いので動くと金がかかるという。
暇しているその時間の給料はなんやねんというものだ。
人を増やそうにも既存の人の給料を下げて仕事をさせることはできず、今の安い給料で人を募集するがかならず来るとは限らない。
そして今の人数でも回っているじゃんと言われて人を増やすことをしなくなる。
コスト換算法は弱者をいたぶる論法であり立場が強い人の武器である。”
”会社に来たら仕事をするという幻想
誰もが遅刻をすると怒るし評価に響く。これ自体はおかしいことではない。
人によって遅刻のイメージは違うものだ。
だが遅刻をしなかったからといってその人が仕事をしているわけではない。
世には席に座っていると仕事をしている、PCの電源をつけていると仕事をしている。元気に挨拶していると仕事をしている
というようにイメージで物事を判断している人が多い。
給料の計算に使われているのは勤怠システムに入力されたデータである。システム開発ならば工数によって管理計算されている。
要は給料=仕事をしたというものではない。
椅子に座っても何もしていない人はいる。どうでもよい資料を作成している人もいる。手を動かしたら仕事をしたというのは単なるイメージである。”
”トータルでものを見よ。
何かを始めるとき仕事が増える。何かを変えるとき得をする人と損をする人がいる。
人のときもあればチームや部署単位で損得が分かれることがある。
損する人の意見ばかりを聞くと本来の改善とは違ったものができあがったり意味のない仕事ができたりする。
変化を加えるということは従来とは異なるものになるということ。従来のやり方を変えるからと言ってそれは損をするというものではない。
新しい仕事を覚えるということは損ではない。新しい仕事と古い仕事が併存している状態は損となるが一時的であれば我慢するというのはよくあることだ。
損、デメリットということが出てきたら本当に該当しているか考える。そして損ではないと説明することが大切である。
大事なのは全体で見たときに得になっているか損になっているかを判断することである。
損ならばいつまでそれは続くのかというものだ。
損をしている部署が人がいるならば評価をきちんとして待遇を補填する。
人を増やすなどケアが大切だ。それができる組織かどうかで将来の業績、社内の雰囲気が変わってくる。
損した人が増えていけばそのうちどのような改善も進まなくなる。”
”説明してわかる資料はだめ。
資料を一人でも読んでわかるような資料を作ること。
読む人の知識レベルによって資料のつくりは異なる。誰に向けて作成する資料なのかを考える。
説明されないとわからない資料は時間が経つと理解されない資料となる。資料は会議で見た時間よりも
会議後に見る時間のほうが多くなる。その時理解される資料がよい資料というカテゴリに入る。
一人で見ても理解できる資料を作成するのが読み手の業務も効率になるので最上の資料である。”
”ルールを作れば違反がなくなるという幻想
管理者とはルールを制定しがちである。違反する人がいるから仕方ないという考えもある。
ルールを制定する場合は次のことを考えないといけない。
・それを制定するメリット。ルール後にそれを破れば違反となるがなぜ破ってはいけないのか。
・破った場合の罰則。
次のことを意識している場合ルール化してはいけない。
・個人的感情で決めてしまう。自分の気持ち(溜飲を下げる)よくさせるためのルール
・破っても罰則がないもの。
そもそもルールを制定したからといってそれを全員が守るとは限らない。
ルールを制定するにも検討会があり、ルールの周知など意外と仕事が多い。
ルールに罰則がないとルールを破ったことをねちねちというパワハラグレーゾーンのことが発生する。
ルールを破ったのであるから叱られるのは仕方がないと思わせ自分のうっ憤を晴らすのが目的になるということだ。
この場合立場が弱い人がその犠牲になる。
またルールを考えるときそのルールはあることに意味があるのかということも考えないといけない。
意外と発言した人がえらくて誰も反対できぬままルールとなってしまったものがある。”
”正社員を増やすよりも残業をさせる。派遣社員を増やすという仕事の回し方。
残業80時間が過労死ラインとなっている。ならば80時間までは残業させてよいということか?
それだと月の業務時間が160時間から240時間になり、一日12時間働くことになる。
休憩も一時間半ほど必要なるので拘束時間は14時間ほどになる。通勤に片道1時間かけている人ならば
16時間仕事に使用していることになる。
正社員を増やすという決断をすると課長職がその申請を行うが意外と課長職クラスの立場や年齢であっても他部署の人と折衝することに苦手意識を持っている人は多い。
そういう人が課長の場合判断としては人を増やさないとで今いる人を最大限働かせようと考えてしまう。
効果を高めるために適切な残業代や賃金を払わなければコストを下げれるという違法行為なこともやってしまう。結果慢性的に人手不足に陥るチームや部署が出来上がってしまう。
課長職クラスから見た場合の正社員を増やしたくない理由をあげてみる。
・正社員よりも派遣社員のほうが費用が安い。相場やその人の能力にもよるが派遣社員のほうが総額でみても安い場合が出てくる。値段だけで派遣社員を採用して人が増えたから仕事が回ると判断する管理職は仕事ができていない。
・正社員を増やすという承認をもらうよりも派遣社員を増やす承認を取るほうがハードルが低い。派遣社員の場合は部内承認のみで人事部には後日届けを出すというルールであった為派遣社員のほうが増やしやすいという状況が生まれていた。
・正社員はその社員の将来のキャリアプランを考えないといけないが派遣社員はその必要がない。
・採用した正社員が期待通りの能力を発揮できなかった場合、人事部にもダメージがいく。人事部としても評価を下げられる危険性のある正社員よりも派遣社員の採用をするように働きかけていくようになっていく。
・辞めてしまったらそもそも採用にかけた金銭労力が無駄になるがこれも派遣社員ならば新たに召喚すれば問題ない。
・正社員を増やすことができた場合、その人がチームや部署に馴染めず人間関係に悩む場合がある。人間関係のトラブルが発生する可能性があるが派遣社員の場合はそのようになった場合当人を替えて安易な解決を図ることができる。
・人が多くなると上に対して発言する力を持つかもしれないが派遣社員は派遣先の労働組合に入ることができない上に、よっぽど能力が高くないとそもそもの社内での発言力も高くない。”
”人の仕事の姿勢はそれぞれ違う。それに囚われてはいけない。
私の場合は仕事に対して妥協はしない。最善手を考える、ベストを尽くすというのをモットーにやっている。毎回うまくいくわけではない。
世の中には仕事はさぼるもの。楽をしていかに稼ぐか、誰かの足を引っ張りたいというように考えている人が一定数居る。
誰も見てなければさぼるという人は多いだろう。
仕事よりもプライベートと口にするだけの人もいれば実践して途中で仕事を放り投げる人もいる。
出世したくない人も珍しくない。
仕事の姿勢でその人を判断してはいけない。口では悪く言っていても成果を出している人、陰でサポートする人と様々である。
重要なのは周りの助けになっているのか。周りの士気を下げていないか。成果を出せているかである。”
”資料を書いたら最後に読み返してみる。”
”聞き手がどういう風に思うか最大限考える。”
”15分考えてわからなければ人に聞く。”
”仕事の全体の流れ、源流から川下まで考えよ。”
”その仕事の意味を考えよ。”
”勢いよく発言する。”
”止めること、失敗を認めることも勇気”
”正しさとは点ではなく面(範囲)である。”




