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Gypsophila  作者: 蠢爾
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避けられて、嫌われて、それでもなお生き続けなくちゃいけない、


そんな人生で、ひとを嫌いになるのも珍しいことじゃ無かった。


こころを病むことだって、人間不信になることだって、何回もあった。


愚痴をこぼして、


愛を見つけて、


裏切られて、


失って。


それでもまた、生きて。


一生終われない。


しかも、こんなに長く生きてるくせに、まだ生きるの下手くそなんだもん。


嫌になっちゃうよ。


それに不器用だからさ、


気持ちのやり場と吐き出し方が分からなくて、押し殺して、


気付けばこころが坩堝坩堝(るつぼ)みたいになってて、


今でも時々、自分の感情が分からなくなる。



頭を掻きむしって、


叫んで、


泣き疲れるまで泣いて。


死のうとしても死ねなくて。


生きるしかなくて。


長すぎる人生に絶望することなんか、日常だよ。


だから、昔は人と話すのが嫌になって山に籠ったり、


一週間ご飯が喉を通らなくなったり、


自分の腕を殴って盛大に痣ができたり、色々やった。


何度も、自分を自分で痛めつけてきた。


流石にこの長い人生で、


名前の分からなくなった感情を外にぶつけたら怒られることくらいは学んだからさ、


自分に向けるしかなかったんだ。その感情を。


それで、見た目から色々危ないと思ったんだろうね。


当時見かねた師匠に誘われて、踊りを始めたんだ。


感情を表現する、ひとつの場所としてね。


それまで師匠のことは、


近所のよく分からない古風なおばさんくらいにしか思ってなかったんだけど、


色々習ううちに、尊敬するようになった。


まぁ当たり前の話に近いんだけどね。師匠だし。


師匠は、勿論踊りの腕も素晴らしかったけど、何よりすごく優しい人だったんだ。


だから、心の拠り所みたいにすごく頼ってた。

それを許してくれたのが師匠だったから。


それで、師匠は今で言う日本舞踊の先生だったから、最初はずっと古典的なものをやってた。


その時代、ロックとか日本に無いし。


そのあとちょっとしてからバレエとか西洋のものを始めて、


時代の流れから、ヒップホップみたいな新しいものも始めた。


踊りは楽しかったよ。


色々なひとになり切って踊って、


自分の感情を届けるために踊って。


色々な踊りを学んでいくうちに精神的にも成長出来たし、


色々な出会いもあった。


何より、踊ることが大好きだった。


今の自分があるのは、半分くらいダンスのおかげだと思ってる。

それくらい、ぼくにとって大切なものなんだ。


それに、師匠との出会いが無かったら、今頃ぼくは生きた屍になってたかもしれない。


それくらい不老不死って孤独で、


終わりの見えない道を進むって不安なことなんだよ。

今の時代だって、そうじゃない?




それに、この長すぎる時間の中で作り上げたコネクションのおかげで、

やっと日常生活は問題なく送れるようになったけど、まだまだ不便なことばっかだよ。

不老不死ゆえのめんどくさい問題はゼロじゃないし、陰口なんてしょっちゅうだし。


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