15/15
⁑
-------------
屋上からの帰り道には、
会社や学校に向かう人たちが沢山見える。
眠そうに歩く人や、使い込まれた参考書を開きながら歩く人、
楽しそうに友達と談笑しながら改札を通る人、暗い顔で満員電車に乗り込む人。
それぞれ悩みや辛さを抱えていて、
それぞれ向かう先も違う。
同じ教室に居たって、隣のデスクで作業していたって、
そこが本人にとってどんな場所なのかは確実に違っていて、
それは必ずしも期待に溢れた場所ではない。
行き場がない人だっているし、向かえない人だっている。
それでも、朝は平等にやってきて、
嫌でも時間は進んでいく。
その中で、生きていくのだ。
夜明けという、闇と光が溶け込んだ、
絶望と希望の景色。
何かが始まる、そんな期待と、不安。
混沌としていて、怖くてたまらないのに、
何処かに確固たる光が、
救いが、
前を向く力がある、新しい世界。
涙でぐしゃぐしゃなのに、ふっと笑っているような、そんな世界。
彼女が教えてくれた世界は、
見せてくれた未来は、
そんな、夜明けのようなものだった。
さぁ、今日も生こうか。
この世界を。
-------------
カスミソウ_Gypsophila
花言葉は「清らかな心」「無邪気」「親切」「幸福」「切なる願い」「感激」「永遠の愛」「純潔」




