理不尽、唐突に帰郷する
「おーい、さっさと行くぞ〜。」
ノックもせずに開いた扉からあの顔が見える
いつもの生意気そうな顔や不健康で痩せ気味な体つき、何も変わっていない……
孤児院を出て行った時から、何一つ変わっていない。
「は?行くってどこに行くんだ?
なんも聞いてないんだけど。」
「帰るんだけど?孤児院に。」
は?何言ってんだコイツ?みたいな顔してやがるなぁ、オイ……。
「お前いつもいきなりだよなぁ!?
子供の頃からあそこ行くぞ、アレやろう、やっぱりやめた、寝るから一人で行けってさぁ!!
毎度毎度唐突すぎんだろ少しはこっちの都合も考えてくれたら私も嬉しんですけどねぇ!!!」
「は?」
「はぁ!?」
「嫌だけど。」
「なんで!?」
「逆になんでお前の為に気を使かわなきゃいけないんだ?
おかしいだろ。」
「お前がな!?」
心底心外って顔してやがるコイツ……舐め腐りやがって。
いつか絶対に劇物お菓子をその小さい口にねじ込んでやるっ!
「いつか絶対に劇物お菓子をその小さい口にねじ込んでやるって思ってるだろ。」
「……お前勘良すぎだろ。」
一言一句間違いないとか……キモ。
「長い付き合いだったしそれくらい表情みれば分かる。
あとキモって思っただろ?
そんな盗賊の女頭みたいなナリでお菓子作りが趣味とか、お前の方がキモいぞ?」
私のマイハートが……粉々だよ……。
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「よし、荷造りが終わったな?」
全くこんなに待たせやがって……いっちょ絶叫空の旅でもくれてやるか?
いや、ハラハラ即死トラップの旅でもいいな、迷う。
どちらにしようか天の神様の言う通りなんて真っ平御免、死に晒せっと……。
おっと間違えて両方選んでしまった……まぁいいか。
「おい、なにニヤニヤしてんだよ気持ち悪りぃ。
馬車呼んだからさっさと乗るぞ。」
「え?馬車で飛びながらハラハラ絶叫即死トラップ???」
「こぇえよ、なに即死って!?
殺す気なの!?しかも馬車が飛ぶの!?絶叫?トラップ?頭湧いてんだろ!?!?」
「は?、お前で遊ぼうとしただけでなんでそんなこと言われなきゃならないんだ?。
お前こそ頭湧いてるだろ。」
ついに、頭がおかしくなってしまったのか……。
まぁどうでもいいけど。
「これだけはしたくなかったんだがな、仕方ない。
お前私の店出禁な?
お前が吹っ掛けてきた喧嘩だからな?
自業自得という言葉の意味を知れ。」
フハハハハ、と高笑いが響く中で眼光だけで人を殺せそうなエミリーがいた
ちなみに馬車の御者は、馬車に引っ込んでガタガタ震えていたらしい




