理不尽、勤勉に学ぶ
改)エミリーの二つ名を【クローバー】から【アカツメクサ】にしました。
て言うかクローバーの花言葉って『復讐』とかあるんですね。
あとは『私のものになって』とか。
ちょっと病んでる気がしなくもない花言葉です。
王城から帰宅したエミリーは現在自室にいた。
カリカリカリ
カリカリカリ
カリカリカリ
「おや?
勉強中の様だね。
相変わらず勤勉さだ。」
「お前も大概神出鬼没だよな。」
エミリー以外誰もいないはずの部屋にシオンがいた
「まったく……。
今度はどうやって入った?」
「普通に窓からだよ?」
見ると窓が少し開いている
「それは普通とは言わないんだが?」
「あはは。
君に普通とか言われるとボク、傷ついちゃうなぁ。」
本当に傷ついた、と言う顔をしているが、
「嘘つきめ。
お前ほんっと腹黒いよな。」
「バレちゃったね。
今度はバレない様にしないと。
う〜んどうしよっかなぁ〜。」
はたから見れば今日の料理を考える若妻の様だ
「で、なんか要件か?」
「う〜んとね。」
事案げに手を組んでいる
突然真面目になったかと思うと、
「今回の件はきな臭い。
獣の魔王が本当に関与しているのか。
また、そうでなかったとして誰が黒幕なのかを調べて欲しい。」
「……わかった。」
「勉強中だから頭湧いた?」
「ぶっ殺すぞ。
わたしも気になることがあるからそのついでだ。」
「て言うかさっきから気になるんだけど、
なんで喋りながら魔法陣かけるの?
しかも研究途中だよね?」
エミリーは最初からシオンと喋りつつ新しい魔法の開発をしていたのだ。
「そう言う魔法陣を起動しているからな。」
と言って引き出しを開けると巨大な魔法陣が現れた
「世界中の研究者も真っ青だね。
こんな無駄なことに完璧な魔法陣を作り出すとか……。
もしかしてバカなの?」
こんな魔法陣を完璧に仕上げるより、
攻撃魔法を完全にした方が絶対的に評価される
それなのに完全に仕上げている
馬鹿の所業と言ってもいい
「オマエ、よりにもよって馬鹿とか……。
誰に向かって言ってんだよ、ぶっ殺すぞ。」
顔を般若の様にして怒っている、つもり
実際は可愛らしい顔で、
わたし怒ってます、と顔に書いてある
「あははは怖い怖い。
まぁ頑張れ〜。
うんうん、【アカツメクサ】に恥じない様で結構結構。」
アカツメクサの花言葉
それは“勤勉”
「わたしは天才じゃない。
だからこうやって勉強する。
それは当たり前のことだ。」
彼女はその才能で世界序列三位になったのではない
彼女の実力はひとえに、
その努力と膨大な知識、経験からくるものだ
「頑張れるのは一つの才能だと思うけどね。」
「まだ足りない、まだ追いつけない。
こんなものただのゴミでしかない。
あいつらにとってはな。」
「それが誰を指すのかは分からないけどね。
一つ確かなのは君は世界で三番目に強いんだ。
それは誇っていいものだよ?」
慈しむ様に、柔らかに笑う
「……。
さっさと帰れ。
邪魔になっているのが分からないのか?」
顔をうつむかせて話す
「素直じゃないんだから。」
「死ね。」
「あははは。
じゃあバイバイ〜。」
そう言って消えた




