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暇人な付与術師《エンチャンター》  作者: 嘘つき妖精
[理不尽を体現した女]
21/36

理不尽、新魔法で死体を量産する

改)付与魔法:《ロストエア》の対象を酸素から大気に変更しました。

「それじゃあちょっくら殺りに行くか。」

「あれ?馬車で行かないの?」

「そんな遠いのか?」

「場所知らなかったんだ……。」

今、彼女たちがいるのは王城

出立の報告をして、今から出かける所であった


「大体の方角は知っている。

その方角沿いにある森から根こそぎ絶やせばいいだろ?」

さも当然の様に言う

「いやバカなの?

あぁごめんバカじゃなかったね。

コホン……アホなの?」

「いやいい直せてないから。

阿呆も馬鹿も同じ意味だから。

ねぇほんと死にたいの?

そんなに死にたいんだったら今ここで殺ってアゲルヨ?」

顔を暗くしてズイっと近寄る

「場所はここから千キロちょっとかな。

方角は北北西あたりだったと思うよ?」

「いや死ねよ。

さっさと死ねよ。

さっくり説明すんなよ。

無視すんなよ。

なんか言えよ。

いや帰ろうとすんなよ。」

(から)(から)よコールが続く中、シオンは何事もない様に背を向けていた

「早くしないとブランシュ・ノワールが帰っちゃうよ?」

「早く行こう。

音速超えて行こう。」

キリッとしてシオンに背を向ける

シオンの方が一枚上手であった


魔法陣起動(アクティベート)

概念固定、《飛翔》。

形状[翼]。

付与魔法に昇華。

対象を[自身]に限定し、付与。

以降一連の流れを記憶、自動化。

付与魔法:《輝翔双翅(こうしょうそうし)》、発動。」


瞬間、エミリーの体が輝きを帯びる

否、

背中が輝いているのだ

その正体、

それは輝く対の翼

「とっても綺麗だね。

それは昨日作ったやつ?」

「そのうちの一つだ。」

「一つって言うことはまだあるの?」

「あぁ、今回の依頼は森を傷つけずに獣の眷属を殲滅すること。

そうだったな?」

「うん、そうだよ。」

「そのために作ったやつ。

それともう一つ、この 《輝翔双翅(こうしょうそうし)》だ。」

「ふ〜ん。

あぁ言い忘れてたけどボクも同行させてもらうから。」

うっかりしちゃった、と言う

「は?

死ねば?」

「と言うことで、ボクにもかけて?

その魔法。」

「話を聞いたらどうですか?

て言うか死ね。」

「素直じゃないな〜。

そんなにボクと一緒に行きたいのかい?」

照れるなぁ〜、と頰をかくシオン

「もういい。

いく。」

そう言って羽ばたこうとするも、

「一緒に行かないと依頼は受けれないよ?」

一言、

「爆ぜろ。」

と言ってシオンに付与し、

超速で天を駆けて行った


—————————————————————————————————————


「ここがアイビー森林地帯。

優秀な魔蜂蜜の産地であり、アイビーの群生地帯だよ。

魔蜂蜜ってアイビーの巣から採れるんだ。

知ってた?」

隣にいるメアリーに問う

「なんで追いつけるんだよ。

三秒空いたんだぞ?

三秒あれば百キロ進むんだぞ。

なんで追いつけるんだよ……ect.」

少し壊れていた

「どうでもいいけど早く始めたら?」

含み笑いで言う

「そ、そうだな。

さっさとするか。

あと、シオンは上にいた方がいい。

そう言うと、ギリギリ森全体が視界に入るくらいまで下降し、

魔法陣起動(アクティベート)

概念固定、《気体操作》。

現象、[大気変動]。

付与魔法に昇華。

対象を[大気]に限定し、付与。

以降一連の流れを記憶、自動化。

付与魔法: 《ロストエア》、発動。」


森全体を覆う魔法陣が出現

瞬間、暴風が吹き荒れる。

彼女の放った魔法、

《ロストエア》によって周辺の酸素が上空へと引き上げられたからだ

今、森には酸素が存在しない

いち早く異変に気付いた飛べる魔物は上空へと逃げるが、

次々に落下し、死に絶えていく

何故なら、

森の周辺純酸素100%の壁で覆っているからだ


『酸素中毒』

二気圧以上の酸素を取り込むことによって痙攣を起こし死に至る

また、ある程度高いの分圧の酸素を長時間取り込むことによって、

肺や心臓などの重要な臓器に障害をもたらす


この魔法はゼロ酸素空間による酸素欠乏と、高濃度の酸素による死の壁

その二つによって生物を殺戮する檻となる


「なかなかの殲滅力だな。

我ながらいい仕事をした。」

と言って汗を拭う仕草をするが、

すぐ下を見ると、大量の魔獣が泡を吹いて死んでいる

まさに死屍累々

何千、何万という魔獣の生命が、

たった一つの魔法によってその命を絶った

「うわヤバッ。

キモいキモい死体が泡吹いてるよ。

て言うかなんでこんなもの考えつくのか不思議なんだけど。

いやぁ〜久々にキミの頭の中を搔き回してじっくり見たくなったよ。」

「お前の方が病んでる気がするんだが。」

そう言って頭を抱える

まるで頭を掻き回されない様にしているみたいだ

「何今更言っているんだい?

ボクの二つ名忘れた?

あんなの冠しているんだから相当ぶっ壊れていないとダメでしょ。

そんなことよりこの惨状どうするんだい?

このまま死骸放置するわけにもいかないし……。」

「そこまでは依頼に入ってない。

よってわたしは知らない。」

そう言って肩をすくめる

「これ片付けるのウチの兵士なのか〜。

まぁ、ご愁傷様?」

そう言って嘲笑う(わらう)

「おい、素が出てるぞ?」

「おっと失礼。

それじゃあ帰る?」

その問いかけに、

「いや、わたしの用事を済ませる。

先に帰っていいぞ?」

少し真剣な顔をしているのが分かる

「そう?

じゃあボクは帰るね。

バイバイ。」

そう言い残して消えた


「ふむ、やはりそうか。

っ!?これは……。

……これは獣の魔王の仕業では“ない”な。」

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