01 新世界
はじめまして、nankul naisaです。
普段はnoteの方をメインで活動してます。他にもyoutubeやスタエフやサブスタもしています。
アイデアはたくさん思いつくのですが形にするのは苦手なのでAIと一緒に作ってます。
この作品は一年前に書いたものですが、眠っていたのをnoteに出してみて、なろうの方が読みやすいかと思って出してみました。
数年前、世界は静かに――しかし確実に変わった。
ある日、どこにでもある壁や大きな岩に、まるで吸い込まれるように消えていく人々が現れた。
人々は目を疑い、恐怖と好奇心が入り混じった興奮を覚えた。
ニュースやネットには、「神隠しの正体か?」
なんて書き込みが溢れ、街の喧騒は不安と期待に染まっていった。
同じ場所で試す者。
新しい入口を探す者。
そして、足がすくんで立ちすくむ者。
やがて人々は気づく。
――入口を通れる者と、弾かれてしまう者がいるということに。
こうして世界は少しずつ、変化に対応していった。
十五歳以上なら探索者として登録でき、ダンジョン内部の調査や収集活動に参加できる。
浅層は比較的安全でモンスターやトラップは存在しない。
だが階層を下るごとに危険度は増し、モンスターや罠が探索者を脅かす。
十五歳未満の子供は国家が保護する。
未来の探索者となる可能性を守るため、飢えたり教育の機会を失うことはない。
さらに「善意や悪意を判定する魔道具」も存在し、非人道的な行為は厳しく処罰されるようになった。
人々はこの異変に、急速に慣れていかなければならなかった。
――そして、ある夜のこと。
◇◆◇
多嘉良影真は、夜中の三時に喉の渇きを覚え、冷蔵庫を開けた。
その瞬間――冷気の代わりに、ドアの上部からぼんやりと光を帯びた暗い通路が覗いていた。
「……これは、ダンジョン……?」
影真は息を呑む。
半信半疑で手を伸ばすと、そこには見えない何か――水面のように揺らぐ“時空の歪み”があった。
その揺らぎに指先が触れた瞬間、視界がぐらりと揺れ……。
気づけば洞窟の中、冷たい石畳の上に立っていた。
心臓が早鐘のように打つ。
だが、不思議と恐怖よりも――好奇心の方が勝っていた。
◇◆◇
慎重に周囲を見回し、数歩だけ進む。
壁はごつごつとした岩肌で、ところどころに苔のようなものがほのかに光を放っていた。
床に転がる石をひとつ拾い上げる。
見た目はただのクズ石だ。
だが、何か知らないエネルギーを宿しているような異質さを感じる。
「……これ、換金できるのかな」
そう呟いたとき、影真は思い出す。
――ダンジョンで得た物資を正式に扱うには、探索者登録が必要だ。
ギルドは探索者を管理し、サポートに徹している。
登録を済ませなければ、この石はただの石。
下手に売ろうとすれば、犯罪者に転落しかねない。
◇◆◇
散策はそこまでにして、影真は小さく息を吐いた。
来た方向へ戻り、指先で探るようにすると……あった。
再び、あの見えない“歪み”。
ためらわず触れると、視界が一瞬揺らぎ――気づけば自宅の台所に立っていた。
不思議なことに、あの揺らぎは“見つけた本人にしか認知できない”。
正確には、“感じられない”のだ。
他の誰かが見ても、ただの壁や空間にしか映らないだろう。
◇◆◇
外に出ると、世界は何も変わらず夜の静けさに包まれていた。
だが――影真の胸の奥では、確かにドクドクと。
普段よりも強く、何かを欲するように脈打っていた。
最後までお付き合いありがとうございました。
毎週金曜日に更新出来たらと思ってます。noteで公開した分をとりあえずは出していきたいと思ってます。




