■怪異相談室④ 上司が怖い
怒鳴らなくなり、おやつを配り、褒めるようになった赤鬼。
その“急激な優しさ”に、部下たちが逆に震えるお話です。
相談:上司が怖い(※二名)
青鬼:
「……その、相談がありまして」
黄鬼:
「すみません、二人で来ました」
座敷童子:
「鬼さんが二人も!どうしたの?」
青鬼:
「最近、赤鬼さんが……優しいんです」
黄鬼:
「優しいんです」
幽霊:
指♡!(ハモった!)
座敷童子:
「いいことだね!」
青鬼:
「それが、逆に怖いんです!!!」
黄鬼:
「前触れにしか思えません!!!」
幽霊:
指♡?(どういうこと?)
青鬼:
「昨日、“お疲れ”って言われて背中を叩かれたんです!
でも強すぎて前に吹っ飛ばされました」
黄鬼:
「俺も“よくやった”って肩をポンって……」
青鬼:
「そのまま床が抜けてたな」
青鬼:
「これって絶対、何かの合図ですよね!?」
呪いの人形:
「…それ、ただ褒められてるだけ…
力の加減が分かってないのかな…」
青鬼:
「それに休憩時間も増えました!」
黄鬼:
「金棒の代わりにおやつ持ってるし…」
青鬼:
「でも、いっつも豆だけなんです!」
神様:
「……赤鬼も変わったのう…」
青鬼:
「大きい声で怒鳴られることも無くなって…」
黄鬼:
「前に少しミスした時も、少し低い声で"ナイスチャレンジ"って…」
青鬼:
「…不気味な微笑みで」
青鬼と黄鬼は少し身体を硬直して震えている。
座敷童子:
「えっ?でもめっちゃいい上司じゃん!」
青鬼:
「だから怖いんです!!!」
黄鬼:
「“嵐の前の静けさ”です!!!」
幽霊:
指♡?(どういうこと?)
呪いの人形:
「……“優しさ”が怖いって分かる気がする…」
青鬼:
「赤鬼さん、体調崩してるんじゃないかって…」
黄鬼:
「…少し心配にもなって…」
座敷童子:
「赤鬼さんはね、優しくなろうとしてるんだよ」
青鬼&黄鬼:
「…優しく…?」
お互い目を見開いて顔を見合わせる。
神様:
「ふむ……ではこうじゃ。
“赤鬼の変化を素直に受け入れ、怖いと思ったら言葉で伝える”
これを試してみるのじゃ」
呪いの人形:
「……言葉は…大事…」
幽霊:
指♡(がんばれ)
青鬼:
「……言ってみます」
黄鬼:
「……やってみます」
座敷童子:
「よし!じゃあ今日はこれで――」
赤鬼:
「おい青鬼、黄鬼!ここにいるって聞いたぞ!」
青鬼:
「ひっ!!」
黄鬼:
「すみませんすみませんすみません!!」
座敷童子:
「タイミング!!」
呪いの人形:
「……最悪の遭遇……」
幽霊:
指♡(映画みたい)
赤鬼:
「お前ら、何サボッてるんだよ!」
青鬼:
「い、いやその……!」
黄鬼:
「ちょっとした健康相談で……!」
赤鬼:
「嘘つけ!!」
青鬼:
「だ、だって……赤鬼さんが急に優しくなって……
どう接していいか分からなくて……!」
黄鬼:
「前の赤鬼さんしか知らないから……
優しくされると逆に怖くて……!」
赤鬼:
「なんでだよ!!」
一瞬声が大きくなったが、すぐに少し声が低くなる。
「 ……おやつも声量も、スキンシップも全部やってるだろ」
赤鬼が、少しぎこちない笑顔でニヤリとする。
その不気味さに青鬼と黄鬼はさらに萎縮して固まる。
呪いの人形:
「……ギャップ…萌え…(´꒳`)」
座敷童子:
「優しいならいいよね~」
幽霊:
指♡(わかる)
神様:
「赤鬼よ。
お主、無理しておるのではないか?」
赤鬼:
「無理なんかしてねぇよ!!
……いや、ちょっとはしてるけど……
でもよ、変わろうと思ったんだよ!」
青鬼:
「……本当に、怒ってないんですか?」
黄鬼:
「俺たち、何かしたんじゃなくて……?」
赤鬼:
「怒ってねぇよ!!
……いや、ちょっとはムカつくけど……
でも前よりは我慢してんだよ!」
座敷童子:
「それ、すごいことだよ」
神様:
「ではこうしよう。
“赤鬼は無理しすぎない”
“青鬼と黄鬼は過剰に怯えすぎない”
これでよいかの」
赤鬼:
「結論雑過ぎじゃね!?」
青鬼:
「……でも、やってみます」
黄鬼:
「…赤鬼さんが無理しそうになったら言います。
“今日はもう休みましょう”って」
赤鬼:
「お前ら……俺をなんだと思ってんだ……」
幽霊:
指♡指♡指♡(“いいチーム”)
座敷童子:
「仲良しじゃん!」
赤鬼:
「仲良しじゃねぇ!!
……まぁ、ぼちぼちやるか」
(ポン、と肩を叩く)
青鬼:
「いだっ!!」
黄鬼:
「やっぱり怖い!!」
青鬼:
「優しさが痛すぎる!」
次話:【本編】Ep.14 集まる気配
2026/4/13 20:00に更新します




