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Outlaw Gunners ーハーレム小隊の憂鬱な日々ー  作者: 梨乃 二朱
序章:『新撰組』の三人娘
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プロローグ

 どうも初めまして!

 バイオとかに触発されて銃器ものの連載小説を書いてみました。

 けど、ミリタリーとかあんまし詳しくありません。


 投稿ペースは出来上がり次第なので、早い時もあれば遅い時もあります。

 出来るだけ土曜日更新で行きます。

 どうぞお楽しみ下さい。

 人類の天敵と呼ばれる絶対的な悪、『不死人(アンデッド)』というゾンビ等の化け物が徒党を組み『フリークス』と名乗って人類は侵攻を受けた。この事態に『人類統一連邦政府軍』は、決して弾切れも動作不良も起こさない夢のような銃器、『適性銃器』を造り上げ、それを装備した兵士を『ガンスリンガー』と名付けて戦線に投入する。

 結果、戦争には勝利した。

 しかし、『不死人』を殲滅出来たわけでは無い。

 今の『ガンスリンガー』は、反連邦政府組織『フリークス』の残党や『不死人』の討伐が主な任務となった。










 夜が明ける。

 その日は曇天だった。

 それが雨雲なのか、はたまた街から上がる火の手が造り出した黒煙なのかは判断に困る。

 どちらにせよ空を覆う黒い雲のせいで、太陽は隠れてしまっており、代わりに地は巻き上がる炎に赤々と染まっていた。


 その只中で、炎よりも紅く、熱線よりも鋭い眼光を放つ青年が在った。

 焼け落ちる家屋を尻目に、青年は眼前のみを睨み据えていた。


「■■■■■――――!」


 忘れもしない、あの声。

 神経を逆撫でするような、身の毛もよだつおぞましい声。

 まるで地獄の底から響くかのような呻き。

 間違いなく、『不死人(アンデッド)』の鳴き声である。


 青年の前に迫るは、腐乱した人間だった。

 皮膚は爛れ肉は腐り、よたよたと酔っ払いのように覚束無い足取りで迫り来る人。顔色は死人のそれと変わり無く、眼だけが赤く炯々と輝いている。

 あれこそが『不死人』の真の姿。

 人類の天敵。

 地球上に於ける、絶対的な悪。


「隊長、退け! 何をやっている!?」


 紺色迷彩の戦闘服を着込んだ少女が青年に叫ぶ。

 青年の部下に当たる兵士だろう。


「戦車も自走砲も無ければ、航空支援も無いんだぞ! ここで留まってどうなると言うのだ!」


 撤退を叫ぶ少女。

 少女の言う通り、元々は隠密作戦だった事から支援等は望めない。

 青年らは現在、反連邦政府組織『フリークス』の奇襲に合い、刀折れ矢尽き、命辛々逃げ仰せるかどうかの瀬戸際なのである。


 それを一番に理解しているのは、一小隊を率いている青年自身であろう。

 しかし、青年は少女の撤退の声を拒絶するように、自らの分身とも呼べるレバーアクションライフルを構え敵を撃ち迎えんとする。


「止めろ! 貴様一人に何が出来る!?」


 青年の意図を汲み、慌てて引き留めようと駆け出す少女だが、少女と青年との間に焼け落ちた建物が倒れ込んだ。まるで二人の世界を別つように、境界線を敷くように瓦礫は少女の行く手を阻む。

 少女が青年の元へ行けなくなったという事は、青年がこちら側へ撤退する道も断たれた事になる。


「隊長――――ッ!」


 瓦礫の隙間から青年を捉え、怒鳴り付ける少女。

 それでも青年は一歩たりとも退こうとせず、真っ直ぐに眼前に迫る敵を睨み据える。


「君こそ、早く退くんだ!」


 青年は退路が無くなったところで、ようやく声を発した。


「僕がここで足止めをする! 君達は早く撤退し、情報を学園へ届けるんだ!」


「馬鹿が! 大馬鹿野郎が! 貴様がそこまでする必要は無いだろうが!」


「やらないといけないんだ。今日ばかりは」


 青年は眼前に向けていた視線をそっと逸らし、首だけを後ろへ向け振り返った。

 笑っていた。

 全てを悟ったように、煤けた面持ちに笑みを浮かべていた。


 少女は困惑した。

 いつも自分に自信を持てなかった青年は、それでも小隊全員が生存する方法を第一に考えて行動していた。

 そうであるのに、こうして命を捨てるような真似をする理由が分からなかった。


「後で会おう! 必ず、必ず合流するから! 早く行くんだ!」


 その言葉を最後に、青年は再度、眼差しを眼前に迫り来る“死の群れ”へ向け直す。


「馬鹿野郎! 死ぬ気か、貴様!」


 もう青年に少女の言葉は届かない。

 荘厳なまでに気高く、青年はライフルに備えた銃剣を構えて『不死人』の軍勢を相手取る。


「くそっ…………」


 少女は唇を噛み締めながら、瓦礫から数歩退いた。

 もう、青年を説得する余裕など無かった。

 本当ならば、隊長と肩を並べ戦うべきなのかも知れない。けど、それはもう出来ない。


「待っているぞ! 隊長、学園まで生きて帰ってこい!」


 無理と分かっていても、それだけは言わずには置けなかった。

 自分が青年を見捨てる罪悪感を、緩和したかっただけかも知れないが、それがこの時の少女の気持ちであった。


 青年は答えない。

 しかし、代わりに今までに聞いたことの無い大声を張り上げた。


「『咲浪銃器学園』所属、第05銃器小隊『新撰組』隊長、的場薫! いざ、推して参る!」


 名乗りを上げた青年、的場薫は、銃剣突撃を敢行した。

 そしてたった一人で、数百という“死の群れ”の中へ飛び込んで行ったのだった。

 ある漫画の冒頭を参考にしたプロローグでした。

 何だか分かったらスゴいです。

 ちょっと寝た方が良いですよ。

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