癒しは大切です。
「あ~………眠い」
只今────セリアに誘われ、庭園でお茶会と言う名の女子会中。
メンバーは言いだしっぺのセリア、マリアにリーチェ、そして私とベルア。
大きな布を芝生の上に敷き、私は気持ち良さにまぶたが重くなるのを抑えられない。
もう無理我慢できないとごろんと寝転がると、自分以外の皆は苦笑した。
「ミア…」
「ここ気持ち良い…」
この世界は精霊が住んでいて、風の精霊が緩やかな風を起こしてくれるため、いつも空気が凄く澄んでいる。
城の東側は森林になっていて、三時間ほど馬車か馬で行けば海もある。
元の世界では考えられない程、凄く長閑で居心地が良い。
──────唯一心の残りと言えば…会社の先輩だった清水さんくらいか…
鉄面と呼ばれた私と仲良くしてくれた彼女。
まったく向こうの世界に未練なんてない。
だが彼女が居たら………間違いなくセリアときゃあきゃあ言っている気がする。
────────このチート能力で呼べれば良いけど…清水さんにも都合があるだろうしなぁ…
彼女は身長155センチの小柄な女性だが────とにかく胸が大きかった。
「あ~………ねぇねぇリーチェ」
「なんだ?」
「向こうの世界から1人だけ呼びたいんだけどさ…空間移動で次元越えられんのかね?」
「ミアの膨大な魔力なら簡単に出来そうよね。 ……ちなみに男性? 女性?」
「男なら呼ばない方が良いな。 アレクが殺してしまうだろうて」
「…………マジか…」
「お兄様…義姉様のこと愛してますからね。 契ったことですし…確実に殺すでしょうね」
セリア……物騒なことをニコニコ笑いながら言うんじゃありません!
「あ~…女性だから大丈夫だ。 彼女が私にこの状況を毎日説明してくれたから、私はこちらでやっていけている」
「それはぜひとも呼んで欲しいのぅ…」
「見た目小動物で…おっぱいは大きいぞ」
「あらあら……ミアも大きいけど…あなたよりも大きいの?」
「あぁ…かなり。 そして柔らかく触り心地も良い」
一度だけ触らせて貰った彼女の胸の柔らかさを思い出し、私はつい興奮してしまった。
あれは本当に同じ女性でも興奮するものだ。
「彼女に魔力があるかは解らないが…黒髪黒眼だ。 前にも話したがあっちではそれが普通の人間の色だからな」
「まぁ! ねぇねぇリーチェ何とかならないの?」
楽しそうに声を弾ませるマリアに、リーチェは小さく頷いた。
「あるにはあるが…禁忌の魔術だからのぅ…ミアの様に【神様の御子】だったら話は別じゃが……」
「私が向こうに帰ることが出来ればなぁ…行き来出来れば良いのに…」
「よし、少し調べてやろう。 妾も会ってみたい」
「わ~…リーチェありがと~!!」
起き上がりリーチェに抱きつくと、ずるい! と叫んでセリアが後ろから抱き付いてきた。
──────────癒しは大切です。




