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無能だとクラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、召喚された異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~  作者: 空地 大乃
第四章 暗殺者の選択編

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第201話 運動代わりには丁度よかった

「とりあえずこんなところか」


 周囲には動かなくなったヤバコングの死体が転がっていた。


 ヤバコングから取れる素材は毛皮だったな。


 それを剥いで魔法の袋に放り込んでいく。


 後は町に戻るだけだなと思っていると、突然地面が揺れ、耳に響くような重低音が聞こえてきた。


 やたら殺気立っているな。


 見ると――ヤバコングを二回りほど大きくしたようなゴリラがいた。


 俺を睨みつけながら唸り声を上げている。


 仲間がやられて黙っていられないといったところか。


 しかし、こいつもヤバコングの一種なんだろうか?


 毛の色も赤いし、別種か、それとももっと上の存在か。


 ま、とりあえず狩ってから考えるとするか。


 俺がそう結論づけると、赤いヤバコングが大きく息を吸い込み――口から炎を吐いてきた。


 毛が赤いかと思えば火まで吹くとはな。

 地面を蹴り、空中へ逃れる。


 すると赤いヤバコングが頭を上げ、空中の俺に向けて再び炎を吐いてきた。


 空中なら逃げ場はないと思ったか。

 獣なりに考えているんだな。


 ま、実際はどうとでもなるが、折角だから付き合ってやるか。


 俺も大きく息を吸い込み、口から炎を吐き出した。


 赤いヤバコングの炎と俺の炎が正面からぶつかり合う。


 二つの炎が絡み合い――俺の炎が奴の炎を呑み込んだ。


 そのまま赤いヤバコングへと襲いかかり、その巨体を炎が包み込む。


「火を吹けても、火に強いわけじゃないか」


 黒焦げになった赤いヤバコングを見て思わず呟く。


 しかし、ここまで黒焦げになると毛皮は役に立たないな。


 そこは失敗だったかもしれない。


 こいつから他に得られるものはないかと思ったが――死体から妙な気配を感じた。


 これは……前にも感じたことがあるな。

 確か魔石だったか。


 赤いヤバコングの死体に触れ、気配を探ってみる。


――この辺りか。


 解体用のナイフで体を捌いてみると、中から赤い石が出てきた。


「やっぱり魔石か」


 前にも魔物から手に入れたことがある。


 それなりに希少な物だったはずだ。

 折角だから、これも持って帰るか。


 手にした魔石を魔法の袋に放り込み、俺は帰路についた。






◆◇◆


「ヤバコングを単独で十体も狩るなんて、一体どうやったらそんな真似が出来るんですか」

「まぁ普通に狩ってただけなんだが。運動代わりにな」

「もう貴方が何をしても驚かないことにします」


 ため息交じりに受付嬢が言った。


 まぁ、狩る数に制限があったわけでもないし、それで文句を言われる筋合いもないな。


「それと、これは依頼には関係ないかもしれないが見てもらえるか?」


 俺は魔法の袋から赤い魔石を取り出し、カウンターの上に置いた。


 途端に受付嬢の目の色が変わる。


「まさかこれって! ちょ、ちょっと待っててください!」


 赤い魔石を手に取り、受付嬢が裏へと駆けていった。


 何か待たされてばかりだな。


 それから少しして、受付嬢が慌ただしく戻ってきた。


「リョウガさん! これ、ゲキヤバコングの魔石ですよ! 本当に一人で倒したんですかぁ!?」


 随分と驚かれてるが、そのネーミングの方がどうかと思うがな。


「まぁ、戦ったのは俺一人だな。他の冒険者の死体なら結構転がってたが」

「さらっととんでもないこと言わないでください! それも後で詳しく教えてくださいね!」

「そうなのか?」

「そうですよ! それとゲキヤバコングはヤバコングの上位種で、群れのボスになるような魔物なんです! 単独でもヤバコング数十匹分の強さがあるって言われてるヤバい奴なんですよ!」


 あれの数十匹分程度か。

 大したことない気がするがな。


「まぁ、倒したのは事実だな」

「それはこの魔石がある以上、疑いようがないとは思いますけど……。しかもこれだけの大きさなら、かなりの値がつくと思いますよ」

「そうか」


 毛皮は燃やしてしまったが、代わりになる物は手に入ったようだな。


「とにかくヤバコングの素材も含めて全部査定しますので、少しお時間をください」

「それなら明日でいい。どうせ明日も来る予定だからな」

「そうしてもらえると、こちらとしても助かります」


 こうして査定結果を聞くのは明日にして、俺は宿へ戻ることにした。


 今日は休めと言われていたからな。


 まぁ――運動代わりには丁度よかった。

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