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無感情の殺人機  作者: かなかわ
17/17

無題.txt

 小説家になろう、に投稿して一年となるため、それに感謝の念を込めて、ほんの少しだけですが続きを書きました。

 誰かの続きで、誰かの終わり。










































































 ……あの、すみません。


 少しお聞きしたいことがあるんですが。


 あ、ええと、すみません。僕の名前をまだ言ってませんでしたね。


 僕の名前は……ええと、僕の名前は、えっと。


 すみません。少し、思い出せなくて。


 ああ、そうです。そうでした。


 ここに、女の子が来ませんでしたか?


 背はこのくらいで、人間で……人間で?


 おかしいですよね、人間なのは当たり前です。


 当たり前……のはず……あれ。


 とにかく、女の子。名前は……名前も、ちょっと……どうしてだろう。あんなに、大切な名前なのに。


 あの子は何度も、僕の名前を呼んでくれたし、あの子も僕の名前を、何度も呼んでくれたのに。


 ここは……どこなのでしょうか。


 そしてこれは……電車?……トラム?初めて見る気がします。


 ここは……どこなのでしょう。ここに、あの子は一人でいるのでしょうか。


 それとも、このトラムの中にいるのでしょうか。


 ……。


 …………。


 開きませんね。


 なぜでしょう。これに乗らなくては行けないのに。……え?なんで今、僕は……。


 あ、開けてくださるんですか。


 ……開きますね。あれ、僕の時は開かなかったのに。何か僕と貴方で違うのでしょうか。


 あれ、貴方……少し背が縮みました?


 だって貴方は、その、さっきは大人で、今は……。


 嗚呼、貴方は。貴方は……貴方でしたか。


 待っていて、くださったんですか。僕のことを。僕なんかのことを。


 怒らないでください。だって、待っていてくれるなんて、思っていなかったのですから。


 泣かないでください。僕はほら、ちゃんと来れましたよ。


 笑わないでください。僕はそんなに慌てていませんから。


 ……いや、笑っていてください。泣いてください。怒ってください。


 貴方の話をたくさん聞かせてください。


 それから、貴方と話したいことがたくさんあるんです。


 ですが……そうですね、そろそろ行きましょう。話はトラムの中で。


 このトラムの先も、おそらくは幸福なことばかりではないのでしょう。


 ですが、あんまり怖くないんです。貴方もですか?それは良かった。


 最後に……。


 貴方に、また会えてよかった。


 ちゃんとさよならも言えませんでしたからね。


 ですが、さよなら……はきっと、もっと先のことになりそうですね。今はやめておきましょう。


 ……え?なんですか?


 僕、笑っていますか?


































 はは……貴方もですよ。ナイ。


























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