No.20 〜another story〜
No.20 〜another story〜
事故から1週間後
1月30日火曜日
08:00a.m.
今日は海棠零が退院する日だ。
田中「今日が退院ね」
海棠「はい、今までお世話になりました」
田中「大事に至らなくてよかったわ」
海棠「はい」
田中「退院ときは私はヘリ担だからたぶんいれないけど、藍沢先生が零さんの担当医だから付き添うはずよ」
海棠「わかりました」
09:50a.m.
病院にリリアとフィル=リンがやってきた。
海棠「久しぶりです」
リリア「お気分は」
海棠「とてもいいわよ。勉強も教えていただいたし」
フィル=リン「そうなんですか?!」
海棠「えぇ」
そこに藍沢が退院証明書をもって現れた。
藍沢「おはようございます。お待たせしました」
海棠「いえ」
藍沢「これが退院証明書です。出る時に受付に出してください」
フィル=リン「わかりました」
藍沢「何か分からないことなどございますか」
フィル=リン「いえ」
リリア「ありません」
海棠「ありません」
藍沢「では、行きましょうか。車椅子は持っていると聞いていたんですが、車までは病院ので行きましょうか」
海棠「えっ?」
海棠が意外だという顔をしたので藍沢が少し小さな声で言った。
藍沢「そうすれば、自然体のままで看護師も医師も気にしない」
海棠「なるほど、ありがとう」
そして、会計を済ませて車に行こうとした時にはもう11時半を過ぎていた。
車までは藍沢が車椅子を押した。
車はクラウンだった。
海棠「ありがとう。藍沢先生」
藍沢「あぁ。留学期間はそんなに長くないだろ?もう怪我なんてしないように気をつけろ」
海棠「はい…」
フィル=リン「零様」
リリア「そろそろ行かないと学校に遅れます」
海棠「わかった」
藍沢「じゃあな。Princess Elizabeth。Have a nice time in Japan.」
海棠「ありがとう。貴方の人生が良いものでありますように」
藍沢「ありがとう。お大事に」
海棠「では」
そう言って零は車に乗って翔南から退院していった。