No.19 〜another story〜
No.19 〜another story〜
その日の日没後のICU
藍沢と田中がICUの患者を診ていると1番スタッフルームに近いベットの零が勉強をしていた。
田中「なんの教科をやってるの?」
海棠「日本語です。あ、ここは日本だから教科名は国語かな」
藍沢「で、何に悩んでる」
海棠「えっ…」
藍沢「分からなかったんだろう?」
海棠「…」
藍沢「俺達はもう誰かがICUで急変しない限り暇だから教えてやる」
海棠「実はここがわからなくて」
藍沢「漢文か…」
田中「何が分からないの?読み方?読み進め方?」
海棠「漢文のルールがわかりません。」
藍沢「原則は上から下に読む。ただし、返り点があった場合にはその返り点の性質によって戻って読む。あとは置き字ぐらいか?」
田中「そうね。亦と於と而と焉、矣、乎とかが置き字よ」
海棠「じゃあ、これは置き字?」
藍沢「そうだ」
海棠「じゃあ、これを書き下し文にして…」
藍沢と田中に見守られながら海棠は書き下し文を書き終えた。
海棠「できた…」
藍沢「よく出来てる。だが、『不』は『ず』と平仮名にするんだ」
海棠「これでいいの?」
藍沢「あぁ」
田中「うん。正解」
海棠「嬉しい」
藍沢「で、もう1つは?」
海棠「ニッポンシ?」
藍沢「それはニホンシと読むんだ」
海棠「ニホンシ?」
藍沢「日本の歴史についての勉強する科目だ」
海棠「それは分かっています。この前から教わっていますもの」
藍沢「で、それがHwか?」
海棠「そう。私のクラスででたHome work。」
藍沢「出来そうか?」
海棠「難しい。こんなに複雑だとは思わなかったわ」
藍沢「そうか」
海棠「で、質問してもいいかしら?」
田中「何?」
海棠「江戸幕府の最初と最後の将軍の名前なんですけど」
藍沢「Open the textbook to P.125」
海棠「125?」
藍沢「あぁ。その中にある。探してみろ」
海棠がしばらくずっと見ている。そして、書き始める。
海棠「これでどうですか?」
田中「正解」
藍沢「よくやった」
海棠「ありがとう」
田中「昨日と今日の授業のノートは送ってもらった?」
海棠「えっ…」
田中「授業は1回休むだけで大変よ」
海棠「送っていただきます」
藍沢「送ってもらったノートを見て、何かわからなければ聞け。クラスの子でも俺達でも誰でもいい」
海棠「はい」




