第2話 重すぎた星
※ご閲覧ありがとうございます
星衣のエアノーレ
テーマ曲「測れなき魂」
新たにフルサイズ版UPいたしました。
ギターイントロが印象的でキャッチーな
ミディアムロックナンバーとなっております。
本作品と合わせて、どうぞその世界観をお楽しみくだ
さい。
https://youtu.be/VCQX79xg028
↑
(あとがきには歌詞を掲載いたしました)
それでは、第2話、ご覧ください。
星律棍の一撃は、まちるの袖をかすめ、空を切った。
その瞬間、エアノーレの瞳が初めて揺れた。
ありえない。
その感情が、ほんのわずかに顔へ滲んだ。
まちるは速くなかった。
跳んだわけでもない。
反応速度が異常だったわけでもない。
ただ、そこにいなかった。
星律棍が届くはずだった一点。
その線の上に、彼女はもう立っていなかった。
まちるは、半歩だけ横へ外れていた。
白樺の根が作ったわずかな高低差。
湿った土と乾いた草の境目。
そこに、まちるの靴底は静かに置かれている。
「熊の方が、まだ分かりやすいな」
まちるは低く言った。
ハクが、まちるの肩から飛び降り、白樺の根元へ走る。
白い尻尾が、ぴんと逆立っていた。
エアノーレは星律棍を引き戻した。
白銀の棍の先端が、淡く光る。
先ほどよりも、わずかに強い光だった。
「回避行動を確認」
エアノーレは呟いた。
それは、誰かに聞かせる声ではなかった。
任務記録を刻むような、機械的な確認だった。
「反応速度、標準域。筋力、標準域。跳躍力、標準域。訓練値、推定低」
まちるは眉を寄せた。
「人を勝手に測るなっての」
「ですが、結果が合いません」
エアノーレの瞳が、まちるを捉える。
「あなたは、回避できる個体ではない」
「悪かったな」
「にもかかわらず、回避した」
「だから?」
「再確認します」
エアノーレが踏み込んだ。
今度は、直線ではなかった。
星律棍が横へ振られる。
水面すれすれを走る白い軌跡。
次の瞬間、その棍は節を伸ばし、まちるの足元へ角度を変えた。
伸縮。
軌道変更。
慣性補助。
普通の棍ではありえない動きだった。
まちるは三脚を閉じたまま、斜めに構える。
閉じれば一本の棍。
開けば三本の脚。
父・雨宮森蔵が残した測量三脚は、ただの器具ではない。
北の山野を歩くため。
獣を追い払うため。
足場を支えるため。
そして、いざという時に身を守るため。
脚の内部には、堅牢な金属芯が通されている。
刀ではない。
槍でもない。
けれど、まちるにとっては、これが一番手に馴染む。
測るための道具。
それで身を守る。
星律棍の先端が、まちるの膝を狙った。
まちるは半歩だけずれた。
大きく逃げない。
走らない。
跳ばない。
ほんの少し、体の位置を変えるだけ。
星律棍は、まちるの膝ではなく、三脚の脚をかすめた。
キィン――。
白樺の森に、澄んだ金属音が弾ける。
星律棍と、真鍮の三脚。
二つの異なる金属が一瞬だけぶつかり、火花のような白い光を散らした。
エアノーレの目が、わずかに見開かれる。
受けた。
いや、違う。
まちるは止めたのではない。
三脚の脚を星律棍の側面へ当て、打点を半寸だけずらしたのだ。
星律棍の軌道は、まちるの体から外れ、白樺の根元へ流れた。
土が浅く抉れる。
「……また」
エアノーレの声が低くなる。
まちるは、息を乱していなかった。
ただ、目だけが動いている。
エアノーレの肩。
肘。
手首。
爪先。
膝。
腰。
青い布の揺れ方。
星律棍の先端が描く前兆。
まちるは、速さを見ているのではない。
線を見ていた。
どこから来るか。
どこへ抜けるか。
どこに立てば届かないか。
測っていた。
「なるほどな」
まちるは三脚を握り直した。
「その棒、まっすぐ来てるようで、途中で長さが変わるんだな」
エアノーレの目がわずかに細くなる。
「観測したのですか」
「見りゃ分かる」
「通常個体には不可能です」
「さっきから通常通常って、失礼なやつだな」
まちるは、三脚の留め具を親指で弾いた。
カチリ、と音がする。
閉じていた三脚が、半分だけ開いた。
一本の棍だったものが、扇のように幅を持つ。
受ける面が増え、引っかける角が生まれ、力を逃がす余地ができる。
エアノーレは、その変形を見た。
「それは武器ではない」
「ああ、測量道具ってやつだよ」
「ですが、あなたは戦闘に使用している」
「道具ってのはな、使い方次第なんだよ」
まちるは、わずかに笑った。
「私は測量師だ。測るのが仕事でね。あんたの動きだって測れるのさ」
エアノーレは答えなかった。
星律棍の光が、さらに強まる。
その瞬間、まちるの足元の草が、わずかに沈んだ。
見えない力が、地面を押している。
まちるの体が、一瞬だけ重くなる。
「……っ」
膝が沈みかけた。
磁場干渉。
エアノーレは、まちるの移動ではなく、足場そのものを封じに来た。
「動かないでください」
「それは、さっきも聞いた」
まちるは歯を食いしばる。
足が重い。
靴底が地面に縫い止められたようだった。
だが、完全には止まっていない。
まちるは、足を動かそうとしなかった。
代わりに、三脚を動かした。
三脚を一気に開く。
一本目が、白樺の根の隙間を噛む。
二本目が、湿った土を押さえる。
三本目が、まちるの体重を受け止める。
三点支持。
まちるは、自分の足ではなく、三脚で地面に立った。
次の瞬間、星律棍が肩口へ向かって走る。
まちるは三脚の中心軸へ体重を預け、体を半回転させた。
星律棍の先端が、まちるの肩をかすめる。
だが、届ききる寸前。
まちるの肘が沈んだ。
三脚は地面を噛んだまま、彼女の体を支えている。
その支点を使い、まちるは上体だけをわずかに捻った。
次の瞬間、沈めた肘が、白い棍の側面へ触れる。
強く打ったのではない。
ほんの軽く、線を押しただけだった。
白い閃きは、まちるの肩を外れ、背後の空を貫いた。
星粒が、細かく散る。
エアノーレの眉が、初めてはっきりと動いた。
「今のは……」
「肘鉄で線を押したのさ」
まちるは三脚の軸を握り直した。
「軌道、変わっただろ?」
エアノーレは星律棍を引いた。
水面が揺れている。
浮かんでいた星粒の光が、先ほどよりも乱れていた。
点ではなく、線になっている。
線ではなく、渦になりかけている。
白樺の根元で、ハクが鋭く鳴いた。
まちるの視線が一瞬、ハクへ向く。
ハクはエアノーレではなく、水面を見ていた。
「……おい」
まちるは低く言った。
「その光、さっきより変じゃないか」
エアノーレは返事をしない。
だが、彼女も気づいていた。
星衣核が乱れている。
本来なら、核の波形を整えている最中に余計な出力は避けるべきだった。
しかし、危険因子の制圧を優先した。
星律棍へ出力を回すたび、星衣核の波形が乱れる。
そして水面に潜んでいた古帝国残滓が、その乱れに反応している。
エアノーレの視界に、薄い警告が浮かんだ。
FIELD INTERFERENCE/場干渉発生
STAR-CLOTH VEIL: UNSTABLE/星衣隠蔽膜、不安定
ANCIENT EMPIRE RESIDUE: ACTIVE/古帝国残滓、活性化
エアノーレは奥歯を噛む。
今止めれば、星衣核は保つ。
だが、この女を放置すれば、任務秘匿が破綻する。
優先順位は明確だった。
「制圧を継続します」
エアノーレは星律棍を構え直した。
青い布が、風もないのに大きく揺れる。
星律棍の先端が、今度は白ではなく青白く輝いた。
水面の星粒が、その光に引かれるように震える。
まちるは、三脚を握る手に力を込めた。
「まだやるのか」
「危険因子を放置できません」
「私はただ、ここに用があっただけだ」
「あなたは私を記憶しました」
「覚えてたら殺すのか」
「記憶保持は秘匿上の脅威です」
「ほんと、荷物の仕分けだな」
まちるの声が低くなった。
「私は、人だ」
エアノーレは動いた。
今度の踏み込みは、先ほどまでより速かった。
星律棍が三つに見えた。
いや、三つに見えたのではない。
一撃の中に、伸縮、反転、遅延場が混ざっている。
最初の突き。
遅れて来る圧。
さらに別角度から走る残像。
通常の視覚では対応できない。
まちるは、動かなかった。
目を閉じた。
エアノーレの瞳が細くなる。
諦めたのか。
違う。
まちるは、足元を見ていた。
土の沈み。
白樺の根の影。
水面に映る青い布の揺れ。
星律棍の光が水に反射する角度。
正面から見れば三つに見える。
だが、水面に映った光はひとつだった。
本物の線は、ひとつ。
まちるは、半歩横へ外れた。
星律棍が、まちるの肩口をかすめる。
布が裂けた。
濃い緑の袖口から、細い糸が舞う。
だが、肉には届いていない。
エアノーレの目が見開かれる。
「なぜ――」
次の瞬間、まちるは三脚を閉じた。
半開きだった三脚が、一本の棍へ戻る。
まちるは、人を斬らない。
父を奪った武器と同じ形のものを、持たないと決めている。
けれど、戦わないわけではない。
守るためなら、払う。
崩す。
倒す。
ただし、命を奪う場所は狙わない。
骨を砕かない。
急所を突かない。
まちるがまず測るのは、相手の急所ではない。
力の流れ。
支点。
崩れる線。
星律棍の根元。
エアノーレの手首。
青い布の揺れ。
胸元の星衣核が明滅する、その一拍。
まちるは、それらを一瞬で重ねていた。
星律棍が伸びるたび、胸元の核がわずかに光る。
棍の先端に散った星粒が、遅れてエアノーレの胸元へ引かれていく。
水面に落ちた光も、同じ方向へ流れている。
まちるに、星衣核の理屈は分からない。
それでも、分かることはある。
力には、支点がある。
どんなに見えない力でも、出てくる場所がある。
戻っていく場所がある。
そこを崩せば、線は折れる。
まちるは、三脚の真鍮脚を斜めに跳ね上げた。
先端が、何もないはずの空間を掠める。
次の瞬間、青白い光が裂けた。
まるで、空中に張られた硝子の弦が砕けるように。
無数の星粒が水面から吹き上がり、白樺の森へ降り注ぐ。
星律棍へ向かっていた出力が、途中でねじれた。
戻るべき道を失った光が、渦を巻き、エアノーレの胸元へ跳ね返る。
閃光が爆ぜた。
エアノーレの輪郭が、白く消える。
胸元の星衣核が、青から白へ、そして一瞬だけ赤へと明滅した。
青。
白。
赤。
亀裂のような光が、小さな核の表面を走る。
STABILIZATION FAILURE/安定化失敗
CORE LINK DAMAGE/核接続損傷
OUTPUT BACKFLOW/出力逆流
PRISON-NET EXPOSURE/牢獄網露出
遠く、どこかの中継機構が、この異常を記録した。
エアノーレの息が止まる。
「……っ」
青い布が、力を失ったように沈んだ。
星律棍の光が、消えかける。
エアノーレの膝が折れたのは、体力が尽きたからではなかった。
崩れたのは、彼女自身ではない。
星衣核だった。
エアノーレのようなトメインの任務者は、本来、地球の重力にそのまま耐える身体ではない。
少なくとも、地上の人間と同じように長く立ち、走り、戦うようにはできていない。
彼女を支えていたのは、星衣だった。
星衣は、ただの衣ではない。
地球牢獄の網から魂波形を隠し、姿勢を制御し、重力を和らげ、星律棍へ力を通す。
その中枢が、胸元の星衣核だった。
星律棍へ流していた出力が逆潮流し、星衣核が異常を起こした。
胸元の核が、赤く瞬く。
星衣との同期が乱れる。
姿勢制御が失われる。
重力補助が途切れる。
本来なら彼女の動きを支え、地球の重さを和らげていた星衣が、ふいに沈黙した。
その瞬間、エアノーレは自分の体が地面へ引きずり落とされるのを感じた。
重い。
地球が、重い。
足が沈む。
膝が支えを失う。
背骨に、肩に、首に、これまで星衣が受け流していた重さが一気に戻ってくる。
視界が歪み、意識に白いノイズが混じった。
まちるは、追撃しなかった。
その場で三脚を構えたまま、じっとエアノーレを見る。
エアノーレは倒れまいとして、半歩だけ退いた。
白いブーツが、水辺の柔らかい土を踏む。
膝が、さらに落ちる。
それでも、彼女は倒れまいとした。
「任務……続行」
星律棍を持ち上げようとする。
だが、腕が上がらない。
胸元の星衣核に、細い亀裂が入っていた。
まちるは目を細める。
「もうやめとけ」
「危険因子……制圧……」
「その前に、あんたの方が壊れるぞ」
エアノーレは、まちるを睨もうとした。
だが、視界が揺れる。
水面。
白樺。
青い光。
まちるの濃い緑の服。
すべてが、わずかに歪んで見えた。
星衣核が、再び明滅する。
COMM LINK: LOST/本部通信、途絶
STAR-CLOTH OUTPUT: LOW/星衣出力低下
POSTURE CONTROL: FAILURE/姿勢制御、失敗
MISSION CONTINUATION: UNSTABLE/任務続行、不安定
「本部……応答を……」
声はかすれていた。
返答はない。
エアノーレの体が、前へ傾く。
まちるは反射的に三脚を差し出した。
エアノーレの肩が、その真鍮の脚に触れる。
軽い。
まちるは、そう思った。
あれほど速く、冷たく、人を処理対象のように見ていた女が、いまは驚くほど軽かった。
だが、その軽さは弱さではない。
星衣によって支えられていた身体が、突然、地球の重さに晒された結果だった。
まちるには、理屈までは分からない。
それでも、目の前の女がもう立っていられないことだけは分かった。
「おい」
エアノーレは答えない。
青い瞳が、まだまちるを見ている。
警戒。
困惑。
理解不能。
その奥に、ほんの少しだけ恐れがあった。
「……なぜ」
エアノーレが言った。
「なぜ、追撃しないのですか」
まちるは三脚を支えにしたまま、眉を寄せた。
「殺すつもりなら、とっくにやってる」
「私は……あなたを還送しようとしました」
「そうだな。最低だよ、あんた」
まちるは、短く息を吐いた。
「でも、倒れてるやつをそのまま放っておくほど、私は器用じゃない」
エアノーレは、理解できないという顔をした。
「合理的ではありません」
「だろうな」
「私は、あなたにとって敵です」
「今はな」
「ならば、なぜ」
まちるは、エアノーレの胸元を見た。
亀裂の入った星衣核。
まだ淡く青く光っている。
そして、水面に残る星粒の乱れ。
父の地図にあった印。
水辺。
星。
針の乱れ。
北へ続く点の連なり。
この女は、その謎に関わっている。
それだけは確かだった。
「聞きたいことがある」
まちるは言った。
「父さんの地図にあった印と、あんたのその光。たぶん関係がある」
「……回答権限がありません」
「倒れかけのくせに、まだ偉そうだな」
エアノーレは口を閉じた。
ハクが、おそるおそる近づいてきた。
白い鼻先で、エアノーレの青い布をつつく。
青い布は、もう風もないのに揺れてはいなかった。
水に浸した薄絹のように、地面へ沈んでいる。
ハクは次に、胸元の星衣核を見た。
小さく鳴く。
まちるには、その鳴き声が妙に不安げに聞こえた。
「ハク?」
ハクは、割れた星衣核から目を離さない。
その亀裂の奥で、青い光が一度だけ瞬いた。
水面に残っていた星粒が、ひとつ消える。
またひとつ、消える。
森が、静かになっていく。
エアノーレの体から、力が抜けた。
まちるは咄嗟に三脚を離し、その肩を支えた。
「おい、しっかりしろ」
「任務……継続……不可……」
エアノーレの声は、ほとんど息だった。
「本部……報告……星衣核……損傷……対象個体……未定義……」
「喋るなって」
「再識別……必要……」
「だから喋るな」
まちるは、空を見上げた。
白樺の葉の隙間から、午後の光が落ちてくる。
北へ向かうはずだった。
父の地図を追うだけの旅だった。
それなのに。
星から落ちてきたような女を、見捨てて行くわけにもいかなくなった。
まちるは、深く息を吐いた。
「……まずは、宿まで運ぶか」
ハクが、足元で短く鳴いた。
まちるはエアノーレの腕を肩に回す。
軽い。
けれど、その青い布は不思議なほど冷たかった。
「言っとくけどな」
まちるは、意識の薄れたエアノーレに向かって言った。
「私は、あんたを許したわけじゃない」
返事はない。
「ただ、聞きたいことがある。それだけだ」
水辺の星粒は、もうほとんど消えていた。
最後のひとつが、水面で小さく瞬く。
そして、消えた。
その日、星から来た任務者は、測量師の手によって地球に引き留められた。
北へ向かうはずだった旅は、
この瞬間、少しだけ道筋を変えた。
つづく
著:國風惠昂
星衣のエアノーレ 主題歌
♪「測れなき魂」/ZESTIAS
Lyrics by Sera Ruby / Music by Luka Starlet
Produced by Kunikaze Keikou
白い森を抜けて
風は北へほどける
描きかけの空に
ひとつ 光が滲んだ
遠い声を抱いて
まだ見ぬ道を選ぶ
胸に残る痛みも
歩幅に変えていく
落ちた星の欠片は
帰る名を忘れて
同じ夜の底で
静かに息をした
測れるものだけでは
届かない場所がある
瞳の奥で揺れる
その距離を知りたくて
誰にも測れなき魂
北の空へ響け
壊れた帰り道も
明日へ続く線になる
誰にも奪えない願い
凍る星を越えて
描きかけの地図の先で
まだ見ぬ朝を探して
青い衣の影が
雪の上に揺れる
違う空を背負って
同じ風を聞いた
守れなかったものも
守りたいものも
名づける前の痛みが
旅の理由になる
交わらないはずの
二つの軌跡がいま
白い森の静寂で
ひとつの音に変わる
誰にも測れなき魂
北の海へ響け
折れた針の行方さえ
新しい標になる
誰にも決められない答え
この胸で選んで
描きかけの地図の余白に
消えない名を残して
帰りたい空がある
離せない地がある
どちらかを選ぶほど
心は単純じゃない
星の律りつをほどいて
地の理に触れたなら
見えなかった境界が
淡く光りはじめる
誰にも測れなき魂
北空と響け
壊れた帰り道から
新しい門がひらく
誰にも奪えない願い
凍る星を越えて
描きかけの地図の先で
ふたりの朝を探して
白い森を抜けて
風は北を覚える
誰にも測れないまま
魂は、空を渡る
_______________
第3話予告
星衣核は割れ、星から来た任務者は地球の重さに膝をついた。
測量師まちるは、敵だったエアノーレを見捨てず、宿へと運ぶ。
だがその夜。
父が遺した北への地図と、沈黙したはずの星衣核が、同じ方角を示し始める。
敵だったはずの少女を背負ったことで、まちるの旅は少しずつ軌道を変えていく。
星を測る者と、地を歩く者の旅が始まる。
次回、第3話。
お楽しみに。




