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百聞は一見に…
「私は狼月の愛人だったんです。狼月もよく私の尻尾を触ってましたね」
尻尾を触られながらも月影は話を続ける。
「どうだ二人とも。推理ゲームとしてはなかなかだっただろ?」
狐月がほうじ茶を飲み干してそう言った。
「推理対決は俺の勝ちだな零二?バカに負ける気分はどうだ!」
淳也がそう言って零二をからかう。
「やめてくれ・・・気にしてるんだぞ」
悔しそうな表情で零二が呟いた。
「ちなみに今回のゲームはオカルトに否定的な零二にオカルトを認めさせる為に私が考えた」
狐月はそう言って意地の悪い笑みを浮かべた。
「でも貴重な体験だったよな。来て良かったよ」
淳也がそう言って笑った。
「同感だ。でも他人には言えないな。こんな話誰も信じないだろうが。それはそれとして、けっこう傷ついたぞ」
狐月の荒療治で零二は少しだけオカルトを受け入れたようだ。
こうして淳也と零二は伝承の真実を知った。