1 はいけい、お母さん
はいけい、お母さん。
お元気ですか?
ボクがこのゾディアック・ストリートにきて、2日になりました。
りゅう星打ちの、おしごとは大へんですが、まえのしごとよりもお金はいいです。
今は日ばらいなので、来しゅうにはお金がまとまって、しおくりができそうです。
それと、13さいのたんじょう日にもらったピスヘルメットのおかげで、りゅう星はこわくないです。
ありがとう。
ボクは、この町でがんばっています。
ニホより。
と、手紙には書いたけど――――――――。
「うわぁぁぁあああ!! お母ぁさぁぁああん!」
降ってくる、降ってくる、降ってくるぅ!
雨よりも早く落ちてくるよぉ!
全速力で走っても、すぐ追いつかれる。
振り向いた時には、目の前に――――あぁ! 落ちた!
――――――――――――――イタタ……。
これが爆発? 膝を擦りむいた。
釜戸に入ったみたいに熱い。
風が背中に当たって、突き抜けたみたいにお腹が震える。
耳の中で風船が破裂してるみたいだ。
ぐぁ! 砂かぶっちゃったよ。
砂利が腕やほっぺたに刺さるくらい、飛んでくる。
アレ? かぶってた冒険帽がない。
あぁ、手元に転がってた。
早くヘルメットをかぶらないと、頭に当たったら大ケガしちゃうよ。
ベルトをキツく締めとかないと。
うわぁ!
今、ピザ屋の2階に直撃して窓がわれた。
中の人、大丈夫かな?
まるで能天気な神様が、お遊びでビー玉を弾き飛ばしてるみたいに、降ってくる。
また来た!
"隕石"がこっちに来る!
どうしよう、もうダメだ!