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蟹騎士様の魔族生活  作者: ホワイト爺
第一章 魔族街デアントの住人
22/74

1-10 夜叉のドッキリ!

part シジマ


皆さん、お忘れてるかもしれないがシジマだ。ずっとステルス状態だったので誰にも気づいてもらえない。別に構わないが。


さて状況は最悪で会議室にいた全員でデュラン団長の落としたマナを捜索してる。このままだとマナが魔力を放出し続け、騎士団本部がゴーレムになりかねないからだ。その場合、騎士団本部に増設した魔王城に影響がでて、そのまま療養中の魔王様がお亡くなりになられたら目も当てられない。


なので皆必死に探してるが


「どこにもありませんよ団長」


「いや!確かにここなんだ!ここ以外はありえないんだ!」


「うーん、でも見つからないですね」


「いや、団長の言う通りだ。俺はここでレヴィに会う前に見せられたんだ。間違いないだろう」


そう全然見つからないのだ。ポピーが棚の引き出しを全て取りだし。ベージュがその中身を見るという具合まで探している。


螺旋階段付近がまず探す場所が少ない。だが団長とハルス隊長の言う通りだったら此処しか有り得ない。


「おーい、何やってんだお前ら?」


[狼のあの人ですか?主がいっていた団長というのは]


「いやあれはレヴィの所属する部隊の隊長だ。団長は獅子の・・・何やってんだあの人」


医務室と食堂のある廊下からリチャードが戻ってきたが・・・何か見える。

青い炎が2つ見えた。そしてその姿が窓から入り込む月明かりで顕わになる。何処かで見た様な角の生えた骸骨、赤い奇妙な鎧。


何でアイツがいるんだよおぉぉぉぉぉぉぉぉ!レヴィが怒ったらでてくるんじゃないのか!?何でリチャードと一緒にいるんだ!なんで楽しそうに会話してるんだ!なんで手に持っているクッキーを頬張ってるんだ!


頬に当たる部分が少し膨らんでリス見たいになってる。骨だけど。

レヴィはいないようだが、一応俺はステルス状態のままいつでもポピエルを投げれる位置につく。皆も気づいたようで各々口を開く。


「何つれてきてんだお前!?」


「先輩・・・僕をからかう気ですか」


「リチャード君、今回の人形は凝ってるね。新しい騎士団七不思議に挑戦するのかい?」


「第5部隊の若造よ、はしゃぐのはいいが節操をつけんか。ハルス殿に迷惑がかかるぞ」


「おめーら俺を何だと思ってやがる・・・!コイツはな夜叉つーんだ。作り物じゃないぞ」


ハルス隊長はあれがレヴィの後ろにいた奴だと気づいてるようだが、ポピーとベージュ副隊長、グラック隊長はあれがリチャードの仕掛けた悪戯だと思ってるようだ。


団長は・・・あれ?団長は?と思ったら螺旋階段を上がり逃げていた。百獣の王がどんだけびびってるんだ。いや、自分も至近距離で見たことあるから分からなくもない。怖いよなあれ。


リチャードの指摘で団長の存在に気づいた赤骸骨の体が急に薄くなっていく。自分と同じステルス能力かと思ったがよく見ると霧が濃くでている。


まさか状態変化か!皆は消えた事に驚いている。


「おい!リチャード、アレはどこ行った?」


「え?あれ?いねぇ」


「先輩さすがに気合い入れすぎじゃないですか」


「今回はほんとすごいね」


「その力の入れようを仕事に向けんのか・・・」


とその時団長の情けない悲鳴が二階からする。


「うひゃあぁぁぁぁぁ!!」


皆が急いで二階に上がると、そこには白眼を向いて倒れてる獅子とオロオロしてる骸骨がいた。おそらく霧化した骸骨が団長の目の前で元に戻ったのだろう。団長からしてみれば逃げ切ったと思ったら何もない所からぬっと現れたようなものだ。気絶して当然だろう。

気づいていない全員がリチャードに視線を向ける。


「先輩なにやってるんですか」


「何も団長にやらなくとも」


「いくら不満があったからといってもやり過ぎだ」


「え?いや待て!この骸骨は俺が操ってるんじゃないぞ、ちゃんと意志を持ってるんだ!ポピーは見たことあるはずだぞ」


そう言われて「えー」と言いながらポピーが訝しげな表情で骸骨を良く見る。そして思い出したのか青い顔をしてハルス隊長の方に駆け出し、体の後ろに隠れるように逃げた。


「先輩何連れてきてるんですか!?バカなんじゃないですか!なんで此処にコレがいるんですか!どうやってここまで上がってきたんですか!なんでデュラン団長が気絶してるのですか!何者なんですか!」


「落ち着けポピー、今わかるのはリチャードがバカって事だけだ。一つ一つ解決していこう」


テンパるポピーをリチャードをディスりながら宥めるハルス隊長。もちろんリチャードは抗議をしようとするが第1部隊が混乱している。


「ま、待て第5部隊。我らを置いて話しを進めるな!どういうことだそれは」


「えっと・・・作り物じゃないのそれ?それだと霊なんじゃ・・・それだと急に消えた理由も納得できますし・・・」


ベージュ副隊長が爆弾を落とした。数秒の沈黙、皆が「いやいやそんなまさか」という。そしてそれに


[ええ、まぁそんな感じです]


骸骨は火を付けた。


「「「「あああああああああああああああああああああああでたああああああああああああ!!!!???」


その後大騒ぎになったのは言うまでもない。結局マナの行方も骸骨の正体もレヴィが何者なのかもわからず仕舞いだった。こうして騒がしいレヴィの騎士団入団日が終わった。


これからこんな日が続くのか・・・

ようやく入団編が終わりました!

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