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蟹騎士様の魔族生活  作者: ホワイト爺
プロローグ
12/74

0-11 騎士になるためと恋のレッスン

part ハルス


「私、騎士団に入ります!」


その言葉を聞いて俺は肩を掴み聞いてしまう。


「なに!?それは本当か!」


「え!赤髪さん騎士団に入るのですか!」


「マジで!うおっしゃぁ!!」


ポピーの反応は普通だとしても・・・リチャード、何か喜びすぎてねぇか?ガッツポーズまでしてるし、もしかするとこれは・・・

後でシジマに聞いてみるか。と赤髪の肩から手を話したら質問がきた。


「騎士団に入るにはどうすればいいのですか?こう、難しい試験とかって・・・」


「それには心配はいらない。隊長の、まあ俺の推薦があればあっさり入れるはずだ」


そう言うとホッとした様子を見せる赤髪。


「お前のその実力なら第2部隊か、第1部隊という最強部隊に配属されるだろうな。なんせ巨赤鬼を単独で倒したんだ。そんなの魔族騎士団の団長にしか出来ない」


後ろからリチャードの「ええー」と言う声が聞こえた。ちょっと黙っててくれ。


「え?第5部隊に入れないのですか?」


と不安そうな表情をみせる。もしかして俺の部隊に入りたいのか?・・・無理だな。


「だろうな・・・俺もこっちに入れて貰いたいが、無理だろうな・・・騎士団が人数不足なのは知ってるな。その理由が、あちこちでモンスターの変異種が確認されているんだ。ここ、ゼリア海岸付近もそうで、レッドオーガがでたと聞いて俺たちはその調査をしに来たんだ。だが」


「レッドオーガはジャイアント化している変異種だった。ということですね」


赤髪は顎に手を置いてそう言う。俺は頷いて肯定する。


「そうだ、あんな強力なモンスターがデーア大陸中で大量に出てくるせいで、騎士団は大忙し。そんな中、巨赤鬼を単独で倒せる存在を遊ばせると思うか?」


というと、後ろで「そうだったのか?」と言うリチャードと「そうですよ!まさか知らなかったんですか!?」と突っ込むポピーの声が聞こえた。リチャード・・・後で説教だな。


「まぁそんな訳で第5部隊に配属される可能性は少ないという事だ・・・」


「そういうことですか・・・」


と肩を落とす赤髪とガーンという表情のリチャード。


「さて、任務の報告と赤髪の入団の為に騎士団本部にいく必要がある。ここから北に向かいデーア大陸の中央の魔族街デアントを目指す。お前ら準備するぞ!」


「了解!」


「へいへーい」


「・・・承知」


 俺は準備に行こうとするリチャードをガシッと捕まえる。そしてそこにいるであろう、シジマに声をかける。


「さーてリチャードくーん、お話会いしようかー。シジマ、お前も付いてこい」


困惑するリチャード。そして姿を現し、心得た様に頷くシジマ。


「え、え?ちょっと!何で!?」


「承知」


そのまま俺はリチャードを引きずり、シジマを連れてポピーと赤髪の反対方向に向かった。



part 蟹


そっかぁ・・・第5部隊に入れないのかぁ・・・私は片付ける前にポピー君から腕の治療を受けた。そのおかげで腕はスッカリ元通りになった。

回復魔法って便利だなぁ。そう思いながら焚き火を片付け、シチュー鍋と4つのバッグを私は持っていた。バッグは魔道器(マジックアイテム)のようで、大きくないバッグなのにかなりの重量を感じた。馬車に向かっている時に皿を持っているポピー君が申し訳無さそうな顔で謝ってくる。


「すいません・・・それ重いですよね。本来、男の僕が持つべきなのに」


「いえ、大丈夫ですよ。ほら」


 そういって4つのバッグを片手で持ち上げる。

「腕さえ治してもらえばこんなの簡単です。」


と言うとひきつった顔で


「す、凄いですね、僕・・・男である自信をなくしてしまいそうです」


どこか悲しい感じを醸し出していた。


馬車までつき、皿を台に乗せて上に上がるポピー君。私はポピー君にバッグ一つづつ渡していく。腰に力を入れて一生懸命持ち上げている。


「ふむむむむむむむむ!」


顔を真っ赤にして持ち上げている姿はなんか可愛く見えたので、つい笑ってしまう。


「あは、あははははは!」


「も、もうなんですか!」


更に顔を真っ赤にして怒るポピー君。だがその犬耳を動かす姿もどこか健気な感じがし、笑いが止まらなくなってしまう。なるほどこれがリチャードさんがからかっている理由か・・・。



part リチャード


一方リチャードは・・・白くなっていた。


隊長の説教を聞いていたのだ。「お前は騎士として~」から始まり一時間、漸く解放されたのだ。だが隊長の話は終わっておらず、水筒から水を飲んでる時にこんな質問が投げられた。


「ところでお前、赤髪の事どう思ってんだ?」


ブフォ!思わず吹き出してしまった。咳き込みながら聞き返す。


「ゲホゴホ!・・・い、いきなり、何聞いてんだ隊長!?」


そうすると隊長はニヤニヤしながら


「いやぁ、てっきり俺はお前が赤髪の事気にしてんのかなー、と思っててな。」


全力で否定をする為ブンブンと首を横に振る。


「んな訳ねぇだろうが!何であんな全身真っ赤で一つ目で不気味な奴を好きにならなきゃいけねーんだよ!」


「え!好きなんて俺は言ってないのに、急にどうしたのリチャードく~ん」


とニヤニヤを更に強めて言ってきやがった。このやろう・・・!とそこでシジマが割り込んできた。


「白い肌、赤い髪、女性として起伏ある体に・・・」


「思い出させんじゃねええええええええ!!!」


おもいっきり拳を作り、殴りかかるが余裕ある動きで簡単に避けられてしまい、空を切る。そしてシジマに耳元で囁かれる。


「あの満面の笑顔がお前の名前を呼ぶ・・・」



リチャード君・・・ニコっ。



はっ!俺は今何を考えた!?赤髪がこちらに振り向き満面の笑顔で俺の名前を呼ぶのを想像してしまった。俺は頭を振り想像したものを消していく。


「なぁ・・・リチャード・・・」


隊長が肩を回してくる。黒い毛が非常に鬱陶しい。


「女を振り向かせるにはどうすればいいと思う・・・」


思わず聞いてしまう。


「ど、どうするんですか?」


「まず、自分の長所を相手に見せるんだ。お前確かデアントの街に詳しかったよな?」


「え、ああ?まぁ」


「アイツが騎士になったら、きっと日用品を買う必要が出てくる。そこでお前がエスコートしてやればいい!」


「な!!?」


隊長アンタ天才か!?って・・・


「だから違うっていってんだろがああああああああああ!!!」





その後息を切らせたリチャードとニヤニヤしている隊長とシジマの説教(恋愛)組と、男としてショックを受けているポピーと笑いを堪えている赤髪が合流した。お互いがお互いに不思議そうな目で見るが、無視する事にした。

皆、馬車に乗り込み、馬はシジマが操縦する。目指すは魔族街デアント!

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