桜子とかいと1
赤井の家 屋敷内 広い部屋
陸は帰ったが、かいとは残っている。
桜子はかいとの落ち着かないことに気づいている。
「エリィーさん…会いたかったな」
桜子はさみしげにいう。
「私と同じで人になってるかけらなんていないと思ってた…でも、知ったときはすでにエリィーさんは自分で自分を…なんて…」
かいとはその言葉を静かに聞く。
「会いたかったな…私、エリィーさんと、話がしたかった」
涙が少しにじんだ。
かいともどこか悲しげになるが、ぐっとこらえる。
「エリィーさんのこと…知れてよかった…話してくれてありがとう。かいとくん」
桜子はどこか悲しそうにけれど、笑う。
「…いや、俺は聞いただけだから…」
桜子は鋭い目をかいとへと向ける。
「かいとくん。方法を知ったけど…私は血を渡さないから」
「なんで、方法がわかったんだ…なら!」
桜子は自分の胸に手を置く。
「これは自分のこと…いくらわかっても、私は自分でどうにかする。かいとくんに何かをさせるなんて…そんなことは私が許さない」
「何でだよ!やっと、知ったんだ!桜子は危険じゃないのに…危険とか思われて…俺たちに見守なんかさせて」
かいとは、ずっと思ってたことをいう。
「桜子は自由になっていいのに!」
桜子は顔を振る。
「私は自由だよ。こんなに自由で、学校に行かせてもらって…かいとくんたちに守られて、みんなに守られている。なのに」
桜子は笑う。
「私は誰よりも恵まれている。なのに、自由じゃないとか、何か言いたいことなんて何もない。幸せすぎる。これで私が何かいうなら、私は贅沢すぎるし悪い目にあう」
桜子はそう思っている。
自分は贅沢すぎると。
でも、かいとはいう。
「俺は…」
桜子はぽつりという。
「かいとくんは私と陸くんに話してないことがあるよね」
「…え」
「話して。かいとくん」




