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かいとと陸3
体育館。
かいとと陸は向きあう。
かいとは、先に動き、たっと走りだす。
肘を後ろへとまげて勢いよく拳を打つ。
陸は体を右へとずらし、拳をよける。片足を前へと出すと両膝を曲げ、隙のあるかいとの腹へ突き上げるように拳を打ち込んだ。
「……っ!」
かいとは後ろへと下がり、自分の腹を押さえる。
陸は前へと出て、何度も拳を打ってくる。
かいとは、腹を押さえていたが、そんなことはしていられず自分の両腕で防ぐ。
「…く」
かいとは、防ぐしかできない。
それしかしないかいとに陸はいらだつ。
だから、陸は叫ぶ。
「…かいと!本気でやれよ!」
陸の拳がかいとの右頬に当たる。
陸はびくっとして手をすぐに引っ込める。
その顔はおびえるようでかいとはその表情にいう。
「何が本気だよ?お前こそ本気じゃーねだろ?この程度のわけねーだろ!?」
かいとは、思いっきり拳を作って陸へと向けた。
そこへ、パソコンを抱きしめる女性が来る。
お互いに拳を向けあう少年が二人いる。
どうやらまだ決着のようなものはついてないようだ。
黒髪の少年へ拳がぶつけられたのか、床へと倒れる。
女性はびくりと肩をふるわせ見ていた。
陸はかいとの上へと乗る。
下を向き、何も攻撃はしない。
「…僕は…」




