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クロリネは意外と話を聞く
クロリネは静かにいう。
花宮有理香の方を見る。
「あなたの大事な方は誰も守らない。誰も助けない。でも。あなたの身の回りの方は助けようとしていることを知っています」
クロリネは微笑む。
「あと何年かかるのでしょうか?心は壊れませんか?精神が痛みませんか?体がボロボロになり、そこまでしますか?」
有理香は真っ直ぐにクロリネへ強い目を向ける。
「私は何年懸け助けますわ。私たちで」
クロリネは目を離さない。
「あなたは耐えられるのでしょう。優しく強いのですから。でも近くにいる方はどうでしょう?このために人生を懸ける。いえ。かけられるのでしょうか?」
クロリネはどこか相手を思う声音を出す。
微笑みに少し悲しみがこもる。
有理香は声が一瞬出ない。
「………私は耐えられますわ……でも……」
「あなたは耐えられるとしても。他の方はどうでしょう。あなたたちに振り回させられ、人生を奪われる。そのことが怖ろしいことをしているとは思いませんか?」
有理香は声が出ない。
かいとは不安な顔をする。
「あり…か」




