↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
306/306

間話 道中の話

「なあ、どうしてラティファ殿は銀翼騎士団に入ったんだ?」


 王妃様より賜った任務が始まって1日が経った頃、私にそんな事を尋ねるアルノード伯爵。彼も王妃様に今回の依頼をお願いされて受けたようで。


 正直言うと今回の依頼を受けるのは少し気まずかったですわ。だって、私から挑戦して負けてしまったのですもの。顔を合わせるのも恥ずかしかったですが、騎士団長よりしっかりと話すように言われたので、来たのですが……それ以前に色々あってそれどころじゃなくなってしまいましたわ。


 ……シェリク・シェリエール伯爵令息。噂には聞いておりましたが、ここまで愚かとは思ってもおりませんでしたわね。この任務も早く終わらせたいところですが


「ラティファ殿?」


「ごめんなさい。少し考え事をしていましたわ。私が騎士団に入った理由ですか。……まあ、簡単に言うとあの家が嫌いだからですわ」


 私はあの家が嫌い。お祖父様やお母様がいた頃はまだ良かった。だけど、あの人が家を継いでから変わってしまった。


 お父様は、権力を求めて手を出してはいけないものまで手を出している。お兄様たちはそれを手伝い……。それを止めようとしたお祖父様もお母様も…‥事故として扱われた。


 そして、私もその手伝いをさせられそうになり、それが嫌で家から出た……いえ、逃げたのと一緒ですわね。


 この話は騎士団長たちには話したけど、お父様は証拠を隠すのが上手い。そのため今だ証拠を掴めていない。


「あの家にいたら私は嫌な事をさせられて、使い潰されるのが目に見えていましたわ。だから、家を出る口実に騎士団に入ったのです。騎士団は陛下の部下、一度入って仕舞えばいくら公爵のお父様でも本人の希望無くして退団は出来ませんからね」


「なるほどな。俺もセプテンバーム公爵から色々と話は聞いているが、陛下も証拠がなくては咎められないと言っていたな」


「ええ、あの男は隠すのは得意ですもの。私も詳しい話は教えられていませんですし。……後、あなたはお父様たちにかなり恨まれていましたわね。学園の対抗戦といい、王太子妃の話といい、お父様の予定を悉く潰した上、お兄様たちの面子も潰したとか」


「……それはまあ成り行きというか。色々事情があって仕方が無かったんだよ」


 私の言葉に困ったように笑みを浮かべるアルノード伯爵。まあ、同じ家の私に言われても困りますわよね。


 私は正直負けた事以外は特に思う事はありませんわ。それどころか、彼ならリストニック家の不祥事を暴くのに手伝ってくださりそうですし。ただ、それをお願いするのは時期尚早。今はこの任務を無事に終わらせなければ。


「とにかく、私が騎士団に入ったのはそれが理由ですの。これでよろしいですの?」


「ああ、突然すまないな。ちょっと気になったもので。……まあ、家の事で何かあったら俺の領地に来てもいいからな。場所はそれほど離れていないし、何かあれば助けられるだろう。家にはヴィクトリアとパトリシアもいるし」


「……まあ、何かあればお願いしますわ」


 私はそれだけ言うとそのまま馬を進めます。


 リストニック家を警戒しているはずなのにこんな事をいうこの男は。簡単に人を信用し過ぎでは? 聞いた話では元々貴族の生まれだったけど黒髪だったため冷遇されており、貴族の教養はされていなかったとか。その後戦争等で実績を積んで爵位を与えられただったはず。


 ……そのせいかあまり性格が貴族に向いてませんわね。貴族は騙し合いの世界。普段は分かりませんがこれが普通なら簡単に騙されそう。これはヴィクトリア様もパトリシア様も大変ですわね。


 ……あっ、今丁度謝るタイミングだったのでは? 軽く振り返ればアルノード伯爵は馬を動かして彼の部下に話をしておりました。改めて伺うのも変ですし……はぁ、また機会を伺いますか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。