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9 人生諦めも必要


ルフォンの街に付いたんだけど、身分証明見せたら何故か警備兵に駐屯所に連行されて、応接室でお茶出されて待たされて、馬車に乗せられて、豪邸に招かれて、また応接室でお茶とお菓子出されて誰かを待ってます。

何故?身分証明に不備でもあったの!?あったら、こんな所連れて来ないよね!?紅茶にお菓子なんか出てこないよね!?お願いだから、誰でもいいから説明して!!!



(落ち着けよ、キラ)

(イオンはよく落ち着いてられるね!!アタシもうパニック状態よ!!)

(いざとなったら魔法ぶっ放して逃げれば大丈夫だよ。ソレより、このお菓子美味いぞ)

(この食いしん坊!!)

《マスター、落ち着いて下さい。この事態は想定内です》

(どの辺が想定内なのか、説明してテウト!!)



始めてテウトを殴りたいと思った。スキルだから殴れないんだけどさ!!

身分証明書をランウェルウ様が用意するにあたって人の世での証明がいるという事で、特種スキルの持ち主であるルフォンの街を管理する領主である公爵に白羽の矢がたった。

その為、この身分証明書は公爵の血縁関係にある人物という事になっているらしい。

要するにこの街にテウトに誘導されてたって事で、アタシは

知らないうちに、面倒事に巻き込まれに来たわけよ!!


この国セルドガン王国の国王ベルガ・セルドガンは、名君で国民に大変人気がありその弟に当たる人物こそ、この街の領主カルマ・ガルフォード公爵である。

カルマ・ガルフォード公爵は国王と大変仲が良く、文武両道の言葉がバッチリ当てはまる人物でコチラも国民から人気がある。



「失礼いたします。旦那様がお出でになりました」



来ちゃったよ、どう対応しろと?自慢じゃないけど、異世界の礼儀作法何か知りませんよアタシ。

公爵様に会うのに心の準備とか全然できてないですが…。



バン!!


「よく来たね!!今日から私が君のパパだよ!!気軽にカルマパパって読んでね!」



何だろう、勢い良く部屋に入ってきたのはのダンディなおじ様でしたが、かなり残念な人みたい。

イメージと全然違うんだけど。



「おや、コレで掴みは完璧だと思ったのだが…」

「いえ、取り敢えず混乱してます…説明をお願いして宜しいですか公爵様」

「ダメダメ、固いよ気軽にカルマパパって読んでくれなきゃ!」

「いや、だからその事について説明をですね!!」



こんな、フレンドリーで陽気な公爵様居ても良いの!?

この国大丈夫!?


ガルフォード公爵様は神託のスキルを持っていて、ランウェルウ様から時々神託が下り、ソレを国王に知らせたりするのが主な仕事らしい。

本来教会に属するのが良いらしいが、この方は生まれながらの自由人らしく王族だったこともあり、教会については属してないそう。

そして、今回の神託が神の愛し子であるアタシを保護して護るこだったそうで。

直に国王と国王の腹心達と共に会議を行い、アタシを厳重に保護して護る事で全員賛成。



「まず、相応の身分を与える事なって子供が居ない私の娘にする事になってね。心配しなくて良いよ私の妻は他界しているし、子供も居ないし、何なら後妻も居ないからネ」

「アタシが心配してるのはソコでは無くて」

「国王も了承してるよ!

何なら、おじ様って呼んでもらえるの楽しみにしてるよ!」

「だから、そこじゃなくてですね!!」

「心配する事が、他に有るかな?」

「貴族席です」



ランウェルウ様から何処までの説明があったか知らないけど、政治の道具になるつもりは無い。

危ないのであれば魔法ぶっ放して逃げる覚悟だ。

いくら陽気でお茶目でダンディな公爵だからといって、すぐに信用は絶対にしたくはない。

アタシが睨んでいると、やっと真面目に話してくれる気になったのか、公爵の顔つきが変った。



「すまないね、本当に君に危害を加える気は無いんだ、私も国も」

「信用できません」

「まいったなぁ、あぁ鑑定スキル持ってるかい?」

「えぇ、持ています」

「私を鑑定してみたら少しは信用出来ると思うよ」

(テウト鑑定して!全部、私に教えて)

《了解しました鑑定します》



名前―カルマ・ガルフォード

種族―ハーフドワーフ

称号―神託者、英雄、転生者


職業―貴族、魔法騎士

属性―火、雷、光


アルティメットスキル

全てを見通す者←鑑定の上位スキル


エキストラスキル

神託、魔力操作、


ユニークスキル

隠蔽、縮地、


身体系スキル

剣術、拳術、槍術、身体強化


魔法系スキル

火魔法、雷魔法、光魔法、生活魔法



「どうだろう?少しは信用してして貰えたかな?」

「転生者……」

「そう、って言っても君みたいな事故じゃなくて、天寿を全うして死んだよ。転生したのは今から200年くらい前かな」

「えっ、200年!?」

「ハーフドワーフだからね、ハーフでも寿命はドワーフと変わらないんだ。死んだのは平成20年頃だったかな?75歳だったよ」

「そうですか…、時間軸あんまり関係ないんですね。私は平成の世の後の令和2年にコッチに来ました」

「新年号は令和なんだね、平成は何年続いたの?」

「31年です」

「そっか」



生まれてすぐは前世の記憶はなく、15歳の時王族として神託を賜る儀式の日に記憶が戻り、その時に神託スキルが開放されたらしい。

ランウェルウ様の声に従い、国をいい方に導いた結果セルドガンは南大陸一番の大国になったそうだ。

その過程での教訓が、ランウェルウ様の怒りに触れてはならないっと言う事が絶対だそう。

昔、神託をを無視して行動を起こしたバカな貴族が、一族ごと一晩で壊滅したらしい。



「恐ろしいよね女神様の怒り。

実際に今回問題を起こしたロザンダ王国は、精霊、妖精が国から消えてしまって、現在魔法の発動すらままならないし、環境もガラリと変わってしまっててね。

砂漠の様に暑いとか、雪山のように寒いとかが日替りであるらしいよ。

冒険者も国から出て他国に行くから、魔物が増えて被害が出てるみたいだし。

救援を求めても、国交を結んでいた国は女神様の怒りに気付いたのか一切の支援をして無いんだよ」

「そうなんですか…」

「だからね、君に何かあったら、この国が女神様から怒りをかってしまう。君は確実な保護対象なんだ。

コレで、信用してくれないかな?」



ランウェルウ様の怒りをかいたくないから、私には絶対に手は出しませんって事みたいだね。

テウトに見てもらってたけど、カルマ公爵は嘘は言ってないみたいだし、信用しても大丈夫とテウトが言ってるから大丈夫でしょう。

でも、貴族席はいらないんだよね…どうしてくれよう。



「貴族席の事を気にしてるなら、大丈夫だよ」

「何がですか?」

「自由にしてて大丈夫って事!」

「いや、無理でしょう!!だって公爵様じゃないですか!!貴方の子供なら公爵令嬢ですよね!!どう考えてもダメダメですよ!」

「大丈夫!国王と相談済みだし!!周りの貴族がうるさく言ってくることも無いから!!

私に逆らう貴族もそうそう居ないし!

もしも、そんな阿呆が居たら私自ら潰すから」

「大丈夫?それって大丈夫何ですか!?」

「私のスキルについては、この国の王族、貴族の間で有名でね。

勿論、神託に反対すると破滅が待っている事もね。

私も、面倒事が嫌で王位継承権をサッサと捨てたからね、気持ちは分かるよ。

貴族席があると後ろ盾もあって便利くらいに思ってくれたら良いから」



何だろう、ガルフォード公爵この軽さ、そして裏の顔を見た気がする。

この人多分、絶対に敵に回したら駄目な人だ…。

お腹の中真っ黒だもん絶対に、敵と見なしたら情け容赦し無く相手を徹底的に潰すタイプだ。

メッチャいい笑顔でこっち見てるし!!



「だからね、心配しないで私の娘になって」

「はい、お世話になります」

「敬語なんて水臭いよ!!娘になったんだから気軽に話しかけてね!」

「はぁ、わかりましたお義父さん」

「ヤダヤダ、パパ呼んで!!あっ、部屋に案内するよ!!何せ念願の娘だからね、色々用意してあるから!」



親バカ、そんな言葉が浮かびました。

スキップをしながら私を案内しているこの人は、先程の公爵様で間違い無いのでしょうか?

嫌だとは、言わせない圧力はあったけど、警戒し過ぎるのも疲れるし…ココは信用して見る事にしようかな。

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