第十八話 聞き込み
「はぁ〜」
ミリアは客室のテーブルの上に突っぷしていた。
「結局ほぼ証拠無しか〜…。どうしよう…」
僕らとしては、そろそろ都民たちを疑わせたい。それなら…
「…とりあえず街に出よう! 都民がなにか有益な情報をもってるかもしれないし」
「そうですね、反乱が激しくなっているという話も聞きましたからね」
「…そうだね、街に行こう!」
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…結果から言うと、身になる情報はなにもなかった。
ほぼ丸1日かけて都民10人に聞いたが、誰も都主が死んだことを知る者がいない。
そもそも都主と関わることがないんだから、当然の結果だ。
「…まさかここまで情報が無いとは…」
そして僕らはここで、あらかじめ用意していた計画に戻る。
「…こうなったら、あれしかない」
「…あれ、って何?」
「都主様がお亡くなりになったことを公表して、都民に協力を仰ぐんだ」
そして都民を疑心暗鬼にして、殺し合わせる。
「でもそんな事したら都が混乱しちゃうよ…!」
「でも犯人を見つけるためには仕方ないんだ!」
僕らがここを支配するためにもね。
「…わかった、やるよ。カロナに許可取ってくる」
「…カロナ?」
「さっき話したお父さんの秘書よ、今は一時的にカロナが実権を握ってるの」
そうか…でもあんまり忙しそうじゃなかったけどな…。
「…うん、じゃあ頼むよ」
「わかった!」
なんだか僕はミリアの笑顔を久しぶりに見た気がした。