【番外編】2人の見方②
「思えばさ、2人って仲がいいよね」
昼休みに、わたしたちと食べることになった和泉ちゃんが聞いてきた。
「……そうだね。なんでだろうね」
卓くんが少し考えながら言った。
「なんか、喧嘩とかしないの?」
「喧嘩?たまーにするよね」
卓くんが目配せする。
「うん、するね。でも、最近はしてないから」
私は親指を立てる。
「なんか、クーちゃんがほとんど悪いような気がする」
「え、なんでよ」
「森川くんは怒らせるようなことしないから」
「さすが和泉さん。ほとんど久保さんから仕掛けてくるよ」
「え、そんなに私が悪い?」
私はキョトンとする。
「当たり前でしょ?半年前だっけ……草餅が家にあって僕に」
「あぁ、あれは食べない卓くんが悪いよ」
「お腹が減ってなかったの」
「でも、出されたものは食べる。それがマナーでしょ?」
「すぐじゃなくて、しばらく待ってから食べる。これが正しいマナー」
「ちょっと、2人とも……」
白熱しそうだった私たちの議論に、和泉ちゃんは控えめに手をあげた。
「ん……?」
卓くんが先に冷静さを取り戻した。
「草餅で喧嘩ってなる?」と和泉ちゃん。
「あぁ。久保さんはね、器が小さいの」
「卓くんは報連相がない。せめて、『家に帰ったら食べる』って言えば喧嘩にはならなかった」
私の家にいる時だけ卓くんはしっかりした人から、だらけた感じの人になる。まぁ、家に慣れたってことは嬉しいことだけど。
「……まぁ、そうだけどね」
卓くんは何も言えない風に口を動かしている。
しめしめ。トドメを刺してやろっかな。
「やっぱり、2人って仲がいいんだね」
和泉ちゃんが先制攻撃かのように、はにかんで言った。
「幼馴染?」
「いや、それとは違うかな」
卓くんは「うーん」と考え始める。
「友達以上恋人未満ってやつかな?」




