魔王の妻になる!!(1)
初めて作品を投稿します。
作品を読んでいらっしゃる時に表現がおかしな部分もあるかと思いますが、ご了承下さい。
ラブに発展するまでの前置きが長いと思いますが、是非お付き合いの程を宜しくお願いします。
掲載日はバラバラです。
ここは私の知らない世界。私の知らない人達。
この世界に来て、この体に私がいる。
今私は18歳。この体に入って16年。
大聖堂で挙げられる結婚式。
長いバージンロードを歩いた先には私の旦那様が待っている。
その人は私が今日からお世話になる国の人々からはとても親しまれている。
でも反対に、私が来た外の国では最も恐れられている。
何故なら、私の旦那様は「魔王」として呼ばれているからだ。
「魔王」といったら何を思い浮かべるだろうか。
悪魔や魔物達を従える王?と思う人も少なからずいるだろう。
でも、私が出会った魔王は想像と少し違ったのです。
結婚式を迎える約一ヶ月前。
*
小さい頃はよく、
「私もいつかお母様みたいに私を愛してくれる人と結婚したい!」
とか言ってみたりしたなぁ。
私の親は政略結婚だったらしいけれど、お互いを尊重しつつとても愛し合っていた。
が・・・数年後
今や全民衆が知るほどとても仲が良い夫婦。
愛が溢れ出るほどのラブラブっぷりを私の前や公衆の場で見せつけまくっている。
(それでも限度があるだろう…)
もちろん、夫婦仲が良いに越したことは無い。仲が悪いよりは断然良い。
今日もそのラブラブっぷりを見せつけるのだろうか。
私もいつか素敵な旦那様を見つけてイチャイチャしたい!!
そう、例えば
「おはよう、あなた」
ベットのから体を起こし、妄想の中の旦那様に話しかける。
「ああ、おはよう。今日も綺麗だね」
顔に手が触れて、そのまま唇が重なりあって…
と、ムフフな展開のときに失礼。いきなり私の妄想の中に皆さんを巻き込んでしまって申し訳ない。いきなりだが、挨拶をさせていただきます。
私は、エストワール帝国第二王女。
リリアーナ・エルモア・エストワール。
私には姉と妹がいます。
ここでいきなりですが、、実は私!
転生してしまったのです!!
事の始まりは、15年前。
日本人でアニメオタクでありつつ、ついでにファンタジー系統の妄想をするのが大好き!!
のごく普通の一般OLでした。
その日は会社から帰る途中にラブラブなカップルを町で見かけてしまい、ついつい妄想の中に入り込んでしまったのです!
あぁ、私の麗しきレオンさまぁ~
(私のそのときの妄想の中の恋人は、王子様キャラことレオン様)
なぁんてムフフと妄想に浸っていたら、ププー、と車のクラクションの音がしていた。
間抜けにもほどがあると言えばいいだろう。
妄想に浸りすぎて、普通に信号無視をしていたのだ。
そして「私」は死んだ。
しかし、
何やら騒がしい声が聞こえたので目を覚ましてみると知らない大人達(父や母、その他諸々)が私を見ていた。
ある者は喜び、ある者は涙を流しながら抱き合っている。
しかも天井にはなんか豪華な模様が!
手を下に動かしてみれば弾力がありフカフカだ!
──なんだなんだ何事だ?!
いきなり目が覚めてみればこれだ、誰しもそう思うだろう。
私だってそう思った。
後に聞いた話では、2歳のときにリリアーナ姫は、誤って足を滑らして転倒してしまったらしい。
その時は身体中が痛かった。体を動かそうにも動かせない。
…頭が痛い、ズキズキする、体が重い。
道理でそのはずだ。だって、怪我をしていたのだから。
前世での記憶はたっぷりあっても、今世の記憶(2歳までの)は無かったので「あなたは誰ですか?」的なことを言ったら、さぞかし驚かれたのだ。
普通の転生だったら、今世の記憶が残されつつ、前世の記憶がいきなり蘇るはずなのだが、私の場合は多分特殊なのだろう。
本当に2歳までの記憶がポッかりと抜け落ちてしまったのだ。(多分頭を打ったことも原因の内のひとつだと思う)
記憶が無くなってしまったことをお医者様に相談したのだろう。
怪我に加えて記憶喪失ということになり、皆の顔は悲しみに満ちていた。
まだ2歳だった。ということもあり、「本格的な教育を受けさせる前で良かったわ」などとお父様とお母様が話しているのを聞いたことがあった。
最初は、私自信も驚いたし戸惑ったりもしたし。この世界に慣れるまで随分と苦労した。
だか、苦しいことも辛いこともアニオタで妄想好きな私にとってはヘッチャラだった。
なぜならこの世界に来てから、妄想が爆発して仕方ない。
私の体が成長していくに連れ、周囲にも私がいつの間にか妄想好きというのがバレているのだ。
とここで話を戻して、
ムフフとよだれを垂らしそうになりながら妄想に浸っていると、
「お嬢様、どうかなさいましたか?もしかしてまた、妄想ですか?」
と、尋ねてきたのはジュリー・ライオネットだ。
彼女は、私が産まれたときからずっと側に居てくれているらしい。
ロングのメイド服を着ていて、赤茶色の綺麗な髪は一つにまとめられている。
「なっ…。よく分かったわね」
頬を赤らめながら、そっぽを向く。
「分かりますとも。もう、10年以上もお嬢様の側に居させてもっらっているのですから」
「そう、早いものね」
左を向けば、大空と大きな町が見える。
ここは、5つある大陸の1つで、2番目に大きいのがここ。ヴィアインツ大陸。
その中でも一番大きい国がエストワール帝国である。
「さぁ、出来ましたよ。バルコニーでは、陛下と皇后陛下が待っておられます。
今日はお嬢様にとって、素敵な日であられますように・・・。お誕生日おめでとうございます」
ジュリーが私の部屋のドアを開け、深く深く頭をさげる。
「ありがとう、ジュリー。行ってくるわ」
白い肌に合う綺麗な朱色のドレス。
胸元には昔、男の子から貰った水色の綺麗な紋様が入ったりぼんを着けている。とても大切なものだ。
顔は至って普通だか、目の瞳はサファイヤみたいに綺麗な青。
金髪の長い髪は1つにまとめられていて頭にはたくさんの宝石が散りばめられている王冠。
ドレスも王冠も今日の日のために作られた特注品だ。
そう、今日は私にとって特別な日。
リリアーナ・エルモア・エストワールの誕生日だ。18歳である。
私はドキドキわくわくしながら、長い回廊に引かれた赤いカーペットをゆっくり、ゆっくりと歩き出した。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
是非、次回もよろしくお願いします。