45話 尊、行商人ドラッグの対抗策を考える②
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俺は、ハードウッドさんに思いついたことを言ってみた。
「ハードウッド様、思いついたことがあるので聞いてほしいのですが。」
「ほお、行商人ドラッグに勝てる方法でもございましたかな?。」
ハードウッドさんの冗談のような言い方に、俺は”もしかしたらですが”と答えた。ハードウッドさんは、驚くと”聞かせて頂けますか”と真面目な顔になった。
「確認をしたいのですが。ハードウッド様は、現状にどのような問題があるとお考えですか?。」
「1つ目は、当方の存続の問題ですね。尊様もご指摘された通りドラッグは獣人奴隷を使って安価に食材等を手に入れ、この村と取引のある行商人を抱え込もうとするでしょう。そうなればこちらの主な収入は無くなり、クエストカウンター及び酒場は倒産するでしょう。
2つ目は、村の物価の上昇が考えられます。この村は食料や布等は充実しておりますが、武器や防具そして雑貨等は他からの輸入に頼っております。これまではほぼ物々交換の要領でイースト村の商品を売り、そのお金でこの村に足りない物を行商人から購入して市場へ卸して物価の維持を行っておりました。それがドラッグを経由することで間違いなく利益を上乗せされ、村の卸される物の価格は上昇するでしょう。
3つ目は、想像が難しいと思われますが村の貨幣が不足する恐れがあります。クエストカウンターの役割には、こちら側から依頼通して村民に貨幣を渡し村の中で回るようにしています。当たり前のことですが物の売り買いは貨幣を使います、この村の中で手に入る物ならば物々交換すれば最悪手に入れることが出来ます。ですが行商人が扱う物はそうはいきません、その結果村で物資が不足してここの生活は不便なものとなるでしょう。
最後に1番危惧している問題ですが、それはドラッグによる村の支配です。これは私の予想でしかありませんが、ドラッグは獣人奴隷を使うこと同じように村民を奴隷と同じ扱いをするでしょう。ドラッグがこの村全体の物資とその流通を盾にすれば、私達は生活のためにドラッグに従うしかありませんから。」
俺はハードウッドさんの話を聞いて、考えていたことを話した。
「ハードウッド様が仰る通り、クエストカウンターの維持は必須です。ですがそれだけでは足りません、こちらからも行商人ドラッグの収益を奪う必要性があります。そのためには最低でもあちらと同額、出来るならばあちらより安価に行商人に商品を提供しなければなりません。
ですがそれを行えばGが不足するため、別の方法で収益を上がる必要があります。」
俺の考えにハードウッドさんは、難しい顔をして取りあえず頷く。それを確認して、俺は話を続ける。
「そしてビーチさんも言ってましたが、獣人の問題が解決したことで行商人以外の人もイーストウッド村を訪れると思うのです。」
「そうですね、その可能性は充分にあります。もしかして、尊様は行商人以外の人から収益を得ようと考えていらっしゃるのですか?。」
「その通りです。そして収益を得る方法は、酒場で提供する料理と他の物も考えています。」
俺はメイプルとミュートに方を向いて、続きを話した。
「メイプルとミュートのスキルで、ポーションや装飾品を同時に販売することを考えています。」
「酒場でポーションや装飾品の販売ですか、面白いことを考えますな。」
「ここに来るお客様で行商人以外の方が来るとしたら、どのような人が来るのかと考えた結果。
観光目的のお客様もしくは、イーストダンジョンへ向かうお客様だと思ったのです。」
俺は観光目的のお客様には布等で作ったお土産を、イーストダンジョンや村の外へ向かうお客様にはポーションが売れるのではとハードウッドさんに説明をする。
「どちらもイーストダンジョンで材料を取得することが出来ますし、有名になればイーストウッド村の産業として根付かせることも可能です。」
俺の話に”なるほど”とハードウッドさんが頷く。俺の話が聞こえたたのか、メイプルとミュートが会話に参加してきた。
「尊様、私は賛成です。私の作った物で、喜ぶ方がいらっしゃるのならば嬉しいです。」
「私は作って売りたいです。そして普通の人も普段からお洒落出来る物を作りたいです。」
そして、ナツメさんとティーさんも会話に参加してくる。
「いい考えだと思いますよ尊様。運が良ければ、イーストウッド村の仕事として作り手達も喜んで生産すると思いますよ。」
「私はこちらのお菓子、クッキーとクラッカーもお土産として販売すればいいと思います。外でも食べられますので旅をされる方の楽しみとなれば、安定してお買い上げしてくださると思いますから。」
俺は女性陣の話も参考して、販売する物を考慮することする。俺はハードウッドさんには今日の仕事が終わった後に、もう一度時間を取ってほしいとお願いをした。
酒場での仕事が終わった後に、メイプルとミュートを連れてハードウッドさんの部屋に行きノックをする。ハードウッドさんの”どうぞ”と言う声を聞いて、俺達は部屋の中に入った。
「お疲れ様です、どうぞ椅子におかけください。」
俺達が椅子に座ると、ハードウッドさんが話を続ける。
「私個人にお時間を取ってほしいということですが、酒場での仕事に何かご不満がございましたか。」
「ハードウッド様。昼間にお話ししていた件ですが、正直どうお思いでしょうか。今はビーチさん達はおりませんので、ハードウッド様の正直なご感想をお聞かせください。」
俺の質問にハードウッドさんは真面目な顔をして、”正直、上手く行くとは思いません。”と答えた。メイプルとミュートは驚いた顔をしたが、俺は”理由をお聞かせ願いますか”と気にせずにハードウッドさんの話を聞く。
「尊様の考えられた方法で、ドラッグとは充分に渡り合えると思います。ですが、こちらにはそれを維持するだけの力がないのです。」
「ハードウッド様が仰る力とは、Gのことですね。」
俺の返答にハードウッドさんは無言で頷いて、ゆっくりと話を再開した。
「この村で販売されている商品の価格は、他の所と比べても非常に安価です。尊様はこのことから、どのような印象を受けますでしょうか。」
「この村の村民は多くのお金を持たずに、生活を送っている。そのためこの村の商品は安価でなければ誰も買わず、結果として村に出回るお金は他の所と比べて少ない印象を受けます。」
俺がこの村で武具を購入する時も、店主から”良くも悪くも物価が安いので、高価な武具は売れない”と言っていたことを思い出した。
俺の返答を聞いてハードウッドさんも”正解です”と答えて、話が続けられる。
「この村の村民が持つお金が少ないのは、こちらのクエストカウンターでも同じです。仮の話ですがこちらのお金が潤沢にあり、それを村民に分け与えても村の出回るお金が多くなることはありません。なぜならお金が大量にあっても、購入する商品の種類が少なく娯楽も少ないためにお金を使う先がないのです。」
ハードウッドさんが話し終わった後で、”申し訳ございません、折角良いアイデアを出して頂けたのに。”と頭を下げてくれる。俺は”頭を上げてください”と言って、ここに来た本題に入ることにした。
「ハードウッド様、私はその問題を解決する方法がございます。そしてそのためには、私の秘密をハードウッド様に申し上げなければなにません。」
「尊様、それはどんな解決方法なのでしょうか。いえ、申し上げたい秘密とは一体なんでしょうか。」
俺へ一呼吸置いてからはっきりと答えた、メイプルとミュートにも言ったあの事実を。
「ハードウッド様、私はこの世界とは別の世界から来た転生者です。」
と。
申し訳ありません、ストックが無くなりました。
2~3日ぐらいの間隔で書いて参りますので、引き続きよろしくお願い致します。




