21話 尊、メニュー作りをする①
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雑貨屋さんの店主に尋ねて、身なりを整える物を出してもらう。
「髪を整える物となりますと、櫛、ヘアピン、リボンが主流ですね。」
「メイプル、ミュート。櫛は3人分買うとして、ヘアピンとリボンで好きなやつを選んでくれ。」
メイプルとミュートが、お店のヘアピンとリボンを真剣に選んでいる。俺の方も適当に探していると、バンダナかハンカチみたな正方形の布を見つけた。
「すいません、この正方形の布って何ですか?。」
「スカーフですね、頭や首に巻いたりする物です。人によっては、暖炉や竈の掃除の時に埃などを吸わないように使う人もいますね。」
俺はスカーフを6枚購入した後、メイプルとミュートの様子を見てみた。
「尊様、どちらが似合うと思いますか。」
そう言ってミュートは、黄色と赤色のリボンを持っていた。俺は困った顔をしながら”ミュートの好きなやつでいいんじゃないか”と言うと、店主に”お兄さん、選んであげるのも甲斐ですよ”と逃げ道を塞がれる。
「赤色が似合うと思うぞ、ミュートの髪の色に似ているからな。」
「ありがとうございます。じゃあ、赤色に決めました。」
嬉しそうにミュートは言っていると、”メイプルは買わないのか”と確認する。
「私はミュートさん程、髪は長くないので大丈夫です。」
「ミュートも買ったんだ、折角だから買っておけ。」
そう言うとメイプルもリボンを選び始めて、ピンク色と水色のリボンを持ってくる。
「尊様、その・・。どちらがお好きでしょうか?。」
俺が”みず・・”と言いかけて、メイプルの獣耳が倒れたので、”ピンク色”だなと答える。
「わかりました。尊様、選んでくださりありがとうございます。」
メイプルの獣耳がよく動いているので、間違っていないよな・・と思う。それと、2人には好きな色をもう一色買うように伝える。
「洗濯や破れてたりすると使えないので、予備に1本づつ買っておいてくれ。」
「「わかりました。」」
その後、メイプルはピンク色をミュートは黄色のリボンを選んできた。どうやらメイプルの選択肢は間違っていなかったと、俺は勝手に安堵していた。その後俺達は調味料など足りない物を購入して、家に帰ることにした。
家に帰って台所へ行くと、3人でメニューの候補を考えることにした。
「ハードウッド様の話だと、”スープ”と”パン”と”肉料理”はメニューに入れてほしいという話だったな。」
「はい、尊様の言う通りです。そして働くのは私達3人ですので、私達3人が作れる料理でないと忙しい時に対応できないと思います。」
「あとメニューが少ないとお客様に怒られそうですけど、多くなると足りない食材が出てきそうで難しいですね。」
「ミュートさんの言う通りですね。同じ材料で複数の料理が作れれば、なんとかなると思いますが。」
ミュートとメイプルの言葉に、出会った時とは変わったなと思わされる。出会った当初に同じ質問をすれば、”スープ、パン、肉料理の3品で十分でしょう”という答えだっただろう。
「全員じゃないが多くの人が、1つのメニューに偏らせることは出来るぞ。」
「尊様、そんなことが出来るのですか?。」
「”メニューを1つだけにする”という答えじゃないですよね?。」
「その辺は大丈夫だ。パン以外は飲み物するって、暴論ではないからな。」
メイプルとミュートから”それは酷すぎですよ”と怒られてから、その方法を2人に答える。
「俺の前世にあった方法なんだが、セットメニューを作ろうと思う。」
「「セットメニュー?。」」
俺はセットメニュー、言い方を変えれば”定食”のことを2人に話す。
「つまりだ。ハードウッドさんがスープ、パン、肉料理の3品を入れてほしいって言ったのは、多くの人が注文をするからだ。」
「そうですね。小食の人だとスープとパンで十分ですが、普通の人には物足りないと思われます。」
「お昼だとスープとパンだけでも充分ですけど、夕ご飯も同じだと私は足りないと思いますね。」
「そこでだ。”スープ、パン、肉料理”が一緒になったメニューを個別で頼むより安く提供するんだ。
ここで”デザート”を広めようと思ったら、個別で頼む値段とセットメニューを同額にして”デザート”を付ければいい。お客様としては仮に”デザート”が口に合わなくても、損はすることはないからな。」
「尊様の言う通りです、確かにそれだと注文がセットメニューに偏りそうですね。セットメニューに注文が偏るのならパンとスープとデザートは忙しい時間前にまとめて作り、注文時に肉料理作るだけですぐ出すことが出来そうです。」
「それに同じ料理が沢山出ていくなら、偏りが少なそうなので食材の数も数えやすそうです。」
「それに3人が”デザート”を数種類作れれば日によって変えることも出来て、お客様の好きな味もわかるかもな。」
それから俺達は、作るメニューの料理を作ってみることにした。俺はアイテムボックスから、色々な食材と貰った”レシピ”を取りだした。
「尊様。ご覧になっているレシピは、料理のレシピではないですよね。」
「メイプルの言う通りだ。今からバターを作ろうと考えている。」
「尊様、バターを料理に使うんですか?。それにこの前市場でも買っていませんでしたか?。」
ミュートが質問をしてくるので、前回作ったフレンチトーストにバターが使われていたことと、今から料理にしか使えないバターを作ることを説明する。
「この前に作ったフレンチトーストにもバターを使ったんだが、これから作るのは無塩バターじゃなくて有塩バターの方だな。
鍋でパンや肉を焼くと鍋の底に張り付いてしまうから、それを防止するためにバターを使ったんだ。だが薄味になったからな、今度は塩を入れたバターで有塩バターを作るつもりだ。」
俺は貰ったレシピの中から、バターのレシピを取り出した。
スキル”アイテム精製”
レシピ”バター” Lv1
材料 ミルク ✕ 1 = バター
俺はミルクと塩を用意して、スキル”アイテム精製”レシピ”バター”と念じる。目の前のミルクと塩は無くなり、市場で買ったバターと同じ物が目の前にあった。俺は目の前のバターに”鑑定”をしてみると、”バター(有塩)”と出ていた。
俺は同じ要領で有塩バターを10個程作って後に、メイプルとミュートに”作り方を見てほしい”と言って鶏肉を包丁の背で叩いて塩を揉みこんでレモン汁をかけておく。
少し時間がたった後に、、鍋の中に有塩バターを溶かして、鶏肉を焼き始めた。するとミュートが質問をしてきた。
「尊様。どうしてスキル”料理”を使わずに、わざわざお鍋にお肉を入れたんですか?。」
「メイプルとミュートに、料理の方法で火に直接火の中に入れる焼くじゃない別の焼くって方法を知ってほしいからだな。」
「別の焼くですか?。尊様、それはどう違うのでしょうか?。」
「俺も詳しくは言えないが。どちらとも食材に火を通すことだが、大きく違うことは油を使う所だと思う。油を使うことで短時間で調理出来るし、火で焼くより食材の水分が残りやすいんだ。」
焼きあがった鶏肉を盛り付けて比較するように、メイプルに頼んでスキル”料理”を使ってレシピ”焼いた肉”を作ってもらう。
”じゃあ、食べ比べてみようか。”そういって、メイプルに作って貰った鶏肉を食べてみる。作って貰って何だが、安定のパサパサ感だな。
「いつもの、焼いた鶏肉ですね。」
「そうですね、変わらない味です。」
今度は、鍋とバターで作った鶏肉を食べてみる。
「やっぱりレモン汁使うと、食欲が増すし柔らかくなるな。」
「毎回思いますが、尊様が関わると私の常識が非常識になりますね。」
「美味しいです。ですが今まで食べてきたお肉は、食べられなくなりそうで怖いです。」
俺は普通に、メイプルは悟りながら、ミュートは不安になりながら三者三様の感想が出ました。
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