19話 尊、お菓子を楽しむ
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俺達は目の前の”ぶどうパン”に驚いていた。俺はこの世界で初めて見た”柔らかいパン”に、メイプルとミュートはスキル”料理”で”レシピ”以外の材料が消えて新しい料理が出来たことに。
「信じられん。まさかこの世界で”柔らかいパン”が出来るとは。」
「私も信じられません、製造系のスキルで”レシピ”以外のものが出来るなんて。」
「ゆ、夢じゃないですよね。レシピ以外の材料が消えるなんて。」
俺はメイプルとミュートが、俺と違う部分に驚くことに違和感を覚える。
「メイプルとミュートは、”柔らかいパン”に驚かないのか?。」
「”パン”と”フルーツサンド”はどちらもパンですが、食べた時の食感が違います。だから、食感が異なることに違和感は感じません。」
「メイプルさんと、同じです。むしろ尊様は、スキルで”レシピ”以外のものが出来たことに驚かないのですか。?」
「メイプルとミュートがスキル”料理”で”ドライフルーツ”を作っている時に、失敗をしただろう。だから”レシピ”以外の物が出来ても違和感はない。」
一般的に意図せずに生まれた物がないわけではない、前世の世界でもパンを始め、”シャンパン”や”ウスターソース”は意図せず生まれたという話があるからだ。
「取りあえず、”ぶどうパン”を3人で味見してみるか。美味しかったら、また作ればいいからな。」
俺達3人は出来上がった、”ぶどうパン”を食べてみた。
「あ~、味としては”パン”と”ドライフルーツ”って感じだな。だが、食感は食パンっぽいから美味しく感じるが。」
「尊様が作ってくださった、”フレンチトースト”とは違った食感ですね。こちらは本当に、空の雲みたいなふわふわした食べ物ですね。」
「私はパンやドライフルーツが、柔らかいことに驚いています。尊様の前世の世界の種族は、凄い人ばかりなのですね。」
俺達は三者三様の感想を述べていると、俺はふと気が付いた。
実際に作らずに”レシピ”が存在しなくても、作り方を知っていて材料さえあれば作れるのであれば、”ホットケーキ”ぐらいなら作れるのではと。ホットケーキには料理を膨らませる物である、ベーキングパウダーもしくはメレンゲが必要だったため諦めていた。前者は店で売っている物で中身は詳しくはわからないし、後者は作り方は知っているが泡だて器がないため諦めていた。
「作ってみるか。メイプルシロップや有塩バターもないが、カスタードクリームで代用は出来るだろう。」
「尊様、お呼びになりましたか。私の名前とユウエンバターが・・などと、聞こえましたが・・。」
俺の独り言にお約束なことが聞こえたので、”メイプルシロップは、俺の前世の食べ物だ”と言っておいた。そんなことよりホットケーキとはいえケーキが作れることは、菓子パンとは違いまともなお菓子が出来るので嬉しいので失敗上等で作ってみようと思う。
「メイプル、ミュート。ステータスを確認してもらえるか、スキル”料理”Lvが足りていればカスタードクリームに挑戦してみるか?。
材料は俺が知っているし、”レシピ”のスキルLvはこれから”世界の理の書+α”で調べてみる。」
「失敗してもよろしいのならば、やりたいです。いえ、やらせてください。」
「私達もあの時のデザートが作れるように思うと、今からワクワクしてきました。」
やる気十分でメイプルとミュートは、自分のステータスを確認し始めた。俺は”世界の理の書+α”で、スキル”料理”、レシピ”カスタードクリーム”を調べてみた。
スキル”料理”
レシピ”カスタードクリーム” Lv4
材料 小麦 ✕ 1 + 卵 ✕ 1 ミルク ✕ 1 + 砂糖✕ 1 = カスタードクリーム
そして、俺のステータスも確認してみる。
伊吹 尊 ♂ 人族 20歳
スキル
”アイテム精製Lv7” ”料理Lv5” 服飾作成Lv1 剣術Lv1 短剣術Lv8
今回も”取得経験値UP(パーティー含む)”が大活躍らしい、アイテム精製vが6上がり、料理vは4上がっていた。
次にメイプルとミュートのステータスも”鑑定”で確認してみる。
メイプル 狼人族 20歳
スキル
植物知識 Lv9 薬品作成 Lv1 短剣術LvMAX ”アイテム精製Lv7” ”料理Lv4” 服飾作成Lv1 剣術Lv1
ミュート ♀ 猫人族 18歳
スキル
動物知識 Lv8 弓術 Lv3 短剣術Lv9 服飾作成Lv1 ”アイテム精製Lv7” ”料理Lv4” 剣術Lv1
2人共、アイテム精製Lvが6上がり、料理Lvは3上がっていた。料理Lvが俺より1低いのはぶどうパンの差であろうか。
俺はメイプルとミュートに、”レシピ”カスタードクリーム”のLv4から作れそうだ”と言うと2人共嬉しそうに”足りてました”と喜んでいた。
俺は2人にカスタードクリームの材料を渡して、”頑張ってくれ”と応援をしておく。2人が集中してスキル”料理”を始めたことを確認して、俺は”ホットケーキ”の作成に挑戦することにした。
「ホットケーキの材料は、小麦粉、砂糖、卵、ミルクで合ってたよな。ぶどうパンのことを考えると作り方より出来上がりが重要なのだろう。」
そんなことを一人をブツブツ言いながら、材料をアイテムボックスから出して出来上がりを想像しながらスキル”料理”と念じた。ぶどうパンの時と同じく、目の前の材料が無くなり器の上に前世と同じ姿のホットケーキがあった。”見た目は大丈夫だな”と言って、端っこを千切って味見をしてみた。
「凄いな、本当に出来ているよ。」
ファンタジー凄いな~と、思っているとメイプルとミュートが俺に声をかけてきた。
「尊様、やりました。私達にもカスタードクリームが作れました。」
「尊様、不思議なんですよ。私とメイプルさんのカスタードクリームって見た目は同じなのに、甘さが違うんです。」
そんなことを、嬉しそうに俺に報告してくる。メイプルは目にお星様を入れながら、ミュートは口元にカスタードクリームをつけながら、共通しているのは2人の獣耳は忙しく動いているところだろうか。
そんな2人を見ていると、子供頃の俺もこんな風だったのだろうかと思ってしまう。独り身では絶対に味わえない気持ちなのだろうな、他愛無いことであっても互いの成長を喜ぶってことは。
「そうか、2人共やったな。こっちも成功したから、今から一緒に食べようか。」
「「はい。」」
俺はホットケーキを三等分に切り分けてリビングに運び、メイプルは3人分のホットミルクを作り、ミュートはリビングのテーブルを拭いたり自分とメイプルの作ったカスタードクリームを準備していた。
「「「頂きます。」」」
俺達はリビングの席について、ホットケーキとカスタードクリームを食べる。
「尊様、どうぞ。私が作りましたカスタードクリームです。」
「メイプルさん、ズルいです。尊様、私が作ったカスタードクリームも食べてみてください。」
「わかったから、落ち着いてくれ。」
と言いながら、まずはメイプルのカスタードクリームを食べてみる。
なるほど、甘さが控え目だが柔らかく仕上がっている。パンに果物を一緒に挟むと喧嘩しないで美味しい菓子パンが出来そうな味だ。
次にミュートのカスタードクリームを食べてみる。
メイプルのカスタードクリームとは違い、甘さが強く濃厚な味に出来ている。果物とは若干喧嘩しそうだが、クリームパンとしてならミュートのカスタードクリームの方が合うだろう。
「どっちのカスタードクリームも美味しく出来ていると思うぞ。
前回作ったフルーツサンドならメイプルのカスタードクリームが合うと思うし、今日作ったホットケーキならミュートのカスタードクリームの方が合うな。」
俺は正直にそう伝えると、2人から”ありがとうございます”とお礼が帰ってきた。2人にホットケーキを食べてみてくれと進める。
「パンとは違って、フワフワなのに食べ応えがあります。尊様の言う通り、ミュートさんのカスタードクリームの方が合いますね。」
「美味しいです。パンとは違ってホットケーキもほんのり甘いので、私はパンよりこっちが好きですね。」
そんなことを言いながら、ホットケーキとカスタードクリームを俺達3人は楽しんだ。
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