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160  作者: Nora_
9/10

09

「徹、付き合えよこら」

「お兄さんの真似なの?」

「最近は俺を放置しすぎなんだよこら」


 似合わないからやめてもらうかわりに付き合うことにした。

 やっぱり彼とならゲームセンターとかに気にせずに行けるからいい。


「梢とはどうなんだ?」

「仲良くできてるよ、あんまり付き合う前と変わらないけど」

「ま、たまには恋人らしいこともしてやれ」

「うん」


 後口さんとも仲良くしていきたい。

 それこそ前に梢が言っていたように仲良くしておけばなにかがあったときに動けるかもしれないからだ。


「これだな」

「レースゲームか、簡単には負けないよ?」

「ふっ、それぐらいでいいんだよ」


 お休みのときはお兄さん、浩三さんがよく連れて行ってくれていたからこういうのには慣れている。

 それに最初から負けるつもりでやったらもったいないだろう。

 やはり勝負ならば勝つつもりでやらなければならない。


「よし、俺の勝ちだな」

「も、もう一回っ」

「何度でも受けてやるよ」


 が、数度やっても勝てることはなく、これ以上はお金がもったいないということで彼は強制的に終わりにした。

 正直、全てを使い切りたくはなかったからありがたかった。

 このっ、という状態になっていると冷静に見られなくなってしまうからだ。


「だーれだ」

「後口さんだね」

「そろそろ結佳って呼んでよ」


 光行を見てみたら首を振られてしまったのでこれは偶然だということが分かった。

 僕に仕掛けてきたのは身長差的に辛くはなかったからだろう。


「光行君は、ん? なんでそんな顔をしているの?」

「たまには野郎同士で遊ぼうと思ったんだよ」

「ふふふ、私はそれを邪魔しちゃうよ」

「ふっ、まあいいけどよ」


 それからは三人で一緒のやつをやることにした。

 何気に僕が真ん中だから忙しい。

 しかも同じタイミングで話しかけてくるのと、店内は爆音で聞こえづらいから大変だった。


「あ、終わっちゃった……」

「僕も」

「俺はまだあるぞ」

「「光行様っ」」

「そんなこと言われてもやらないぞ」


 彼のコインが尽きたところで退店して飲食店に。

 注文したらすぐに食べられるからお腹が空いたときにはありがたい。

 安価ということもいまの僕には大きいことだった。

 ほら、梢と出かけたときのために残しておきたいから。


「私のちょっとあげるね」

「俺のもやる」

「待って待って、ふたりもちゃんと食べてよ」

「「まあまあ」」


 別にこっちだってちゃんと注文したのに何故かそういうことになった。

 まあでも、どうせならと食べさせてもらうことにした。

 欲張りな人間だから口ではなんと言おうとテンションが上っている自分がいた。ら]

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