第94話:嬉しい知らせ
結婚から一年が経った。
ルーカスとセラの生活は、幸せに満ちていた。
ある日、セラが少し元気がなかった。
「セラ、大丈夫ですか」
「はい……少し、体調が優れなくて」
「医師を呼びましょうか」
「いえ、大丈夫です……」
しかし、ルーカスは心配だった。
* * *
翌日も、セラの体調は優れなかった。
ルーカスは、医師を呼ぶことにした。
「先生、妻の体調が優れないのですが」
「拝見しましょう」
医師が、セラを診察した。
しばらくして、医師が微笑んだ。
「殿下、奥様。おめでとうございます」
「え……」
「奥様は、ご懐妊です」
「懐妊……」
ルーカスは、言葉を失った。
* * *
「セラ、本当に……」
「はい……子供が、できたようです」
「……」
ルーカスの目から、涙がこぼれた。
「嬉しい……」
「殿下……」
「僕たちの、子供……」
「はい……」
セラも、涙を流していた。
「セラ、ありがとう」
「私こそ、ありがとうございます」
二人は、抱き合った。
命が、宿った。
二人の愛の結晶。
それが、どれほど嬉しいことか。
* * *
知らせは、すぐに広まった。
王宮中が、喜びに包まれた。
「ルーカス、おめでとう」
アルベルトが、祝福に来た。
「兄上、ありがとうございます」
「父上も、とても喜んでいたぞ」
「本当ですか」
「ああ。孫が生まれると、目を細めていた」
「父上……」
ルーカスは、胸が熱くなった。
「お前も、いよいよ父親か」
「はい。不安もありますが、嬉しいです」
「大丈夫だ。お前なら、良い父親になれる」
「ありがとうございます」
兄弟で、固く握手を交わした。
* * *
セラの両親も、祝福に駆けつけた。
「セラフィーナ、おめでとう」
「父上、母上……ありがとうございます」
「孫が生まれるなんて、夢のようだわ」
「私も、夢のようです」
「体を大切にしなさいね」
「はい」
家族の温かさに、包まれた。
* * *
友人たちも、祝福してくれた。
「ルーカス、おめでとう!」
クラウスが、豪快に笑った。
「ついに、お前も父親か」
「ありがとう」
「良い父親になれよ」
「頑張ります」
「おめでとうございます、殿下」
レオナルドが、丁寧に頭を下げた。
「お子様の誕生を、心よりお祝い申し上げます」
「ありがとう、レオナルド」
「俺からも、祝福を」
エリアスが、微笑んだ。
「お前との縁があって、良かったと思う」
「エリアス殿……」
「これからも、仲良くしよう」
「はい」
仲間たちの祝福が、嬉しかった。
* * *
その夜、ルーカスとセラは二人で過ごした。
「殿下、子供が生まれますね」
「はい」
「どんな子になるでしょうか」
「分かりません。でも、きっと素晴らしい子になると思います」
「殿下に似たら、優しい子になりますね」
「セラに似たら、美しい子になります」
「殿下……」
二人は、笑い合った。
「殿下、私、母親になるんですね」
「僕も、父親になります」
「不安もありますが、楽しみです」
「僕も、です」
「一緒に、頑張りましょう」
「はい」
二人は、手を重ねた。
お腹の中には、小さな命が宿っている。
二人の愛の結晶。
大切に、育てていく。
「子供には、幸せになってほしいです」
「僕も、そう思います」
「私たちが、幸せになったように」
「はい」
「争いのない、平和な世界で」
「必ず、そうします」
ルーカスの目は、真剣だった。
「子供のために、この国を守ります」
「殿下……」
「子供が生まれる世界を、平和にします」
「私も、お手伝いします」
「ありがとう、セラ」
二人は、微笑み合った。
新しい命の誕生を、心待ちにしながら。
二人は、眠りについた。




