エピローグ その後
短いです。
私は大学生になった。
福見と水崎さんの仲は順調だ。福見からの連絡で、この前初キスをしたと報告があった。
……いやなんでわざわざ報告するかな?福見くん、貴方本当に人の話聞いてた?
私は、髪を切りました。それはもうばっさりと。周りからは「失恋でもしたの?」って聞かれる。全くもってその通りなのだけれど、しつこく聞かれると嫌だし、「え?ううん、イメチェンだよイメチェン!」と言って誤魔化している。だいぶ印象が変わった、と自分でも思う。
そして……
「よ、南。久しぶり」
「………………何ですかぁ?女心のわからない福見くぅん?」
「……その件については、悪かったと思ってる」
そう、大学生になって学校が離れても、まだ福見とは関係がある……って言ったらアレだけど、まぁ、まだ連絡をとっている。そして、こんなふうに、月に一回くらい会っている。
そうして、また私たちはあの時のように軽口を叩き合っているのだ。
やっぱり今も福見のことは好きだけれど、それでも、だいぶ未練も恋心も薄れてきて、なんか、友達に戻った気がする。
「福見、ありがと」
「ん?なんか言った?」
そう言った福見の顔が、なんだか間抜けで、思わず声を出して笑ってしまった。
「いーや、なーんにも」
人を一途に想う気持ちを教えてくれて、ありがと。
最後までお読みいただきありがとうございます。
ここで完結です。
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