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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第48話 由緒正しき『錬金術師大会』に応募するぞ配信

「----という訳で、師匠! 今年も『錬金術師大会』が開かれる時期になったでありますね!」

「なにその、知らない大会」


 こんにちは、錬金術師のススリアです。

 いきなり錬金術師の弟子のタラタちゃんより謎大会の話を急にさせられました。


 ----『錬金術師大会』?


「そんな大会あるんですか?」

「えぇ! 今年で8回目を迎える由緒正しき大会であります!」


 意外に短いな、その由緒!

 8回とか浅すぎじゃん……由緒正しき大会なら、せめて2桁はいってくれよ……。


「とある富豪が開催を決めた、錬金術師による錬金術師のための大会! 去年、一昨年と、天才薬師【チアン】が優勝したこの大会ではありますが、今年は私も負ける気はありません!」


 いや、錬金術師のための大会なら、なんで薬師が優勝しちゃうんですか。

 出禁にするか、錬金術師として登録しておけばいいのに。


「そう、ちなみに去年の成績は?」

「準優勝であります!」


 速報、謎の錬金術師大会にてうちの弟子が凄い勝ちあがってたんだけど。


「しかし、そうでありましたか……。まさか、師匠が出ていなかったとなると、あの大会は真の勝者がいなかった無名(モグリ)の大会ということになるでありますね」

「薬師が連覇している時点で、無名(モグリ)でしょ」


 私としては全く興味のない大会だったのだが、弟子からの勧め、そして優勝賞品にドラゴンの卵があるという事で参加を決めた。




 だって、ドラゴンだよ!

 ドラスト商会のように、国によっては選ばれた者だけが乗ることが出来る魔物だよ!

 異世界に居るなら、一度くらい、ペットとしてドラゴンを飼ってみたいと思うのはおかしくないんじゃない?


 あと、色々と試したい事もあるし、なんだったらドラスト商会に高値で買い取ってもらえるだろうし!

 

「一度、ドラゴンの卵、手に入れて見たかったんだ~」

「おぉ、師匠が欲しいのなら、自分も頑張って優勝して、師匠にプレゼントするであります!」


 えっと、その場合、私、あなた(タラタちゃん)に負けてないかな?

 まぁ、候補が複数いるのは良い事なので、早速、私は『錬金術師大会』にエントリーするのであった。




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 なんとこの大会、書類選考があった。


 なんでも、錬金術師大会の本選に進みたくば、この程度の錬金術が出来て当然という訳で、本選に進むためには、この課題をクリアしなければならないのだそうだ。


「そして、今年の課題がこれ、と」


 タラタちゃんが広げてくれた紙には、【魔道具・防刃手袋の一定数納品】と書かれていた。

 ごく一般的なナイフとして知られる【ブロンズナイフ】を使って切りつけても大丈夫な、防刃性能を持つ手袋を20セットを作成。

 作成したモノを、王都の所定の施設に送って納品する事で、本選出場者を決めるらしい。


「求める性能は、ナイフを5回刺しても大丈夫で、普通にボールを掴むことが可能など手袋としての性能もちゃんとある防刃手袋。失敗(ミス)して大丈夫なのは、8個まで。

 ……失敗して良いのは、40%ね。日本だったらこの精度はダメだぞっと」


 前世の日本の精度基準だと、20回やっても切れない手袋とかを、精度99.9%で作りそう。

 あの国はモノ作りに命を賭けてるというか、最高峰だからね。


 まぁ、私は20個くらいなら、失敗0個とか余裕だけど。


「よしっ。じゃあ、私も試しにやってみる事にするよ」

「----それは嬉しいです! では勝負ですね! 師匠!」


 勝負、ね。

 ……いや、私はドラゴンの卵を欲しいだけだから、タラタちゃんが優勝でも別に構わないけど。


「では、私は早速準備をしてきますね! デルタちゃんに素材集めをお願いしても構いませんか?」

「別に良いよ。素材は自由に、適度に使いなさい」


 間違っても高級素材とか使うんじゃないぞ、と釘を刺して、私は作業に取り掛かった。


「どうせなら20回----いや、限界に挑戦するという意味で100回とかやってみましょうか」


 私がそう思って取り出したのは、【ロックリザード】の皮膚。

 岩を食べることで、普通の岩石以上の硬度(かたさ)を手に入れたトカゲの魔物であり、普通の武器では傷一つ付かない硬さだけなら最上級の魔物。

 もっとも、熱に弱いから、普通に燃やせば熱中症みたいに倒れてやっつけられる、その程度の魔物だ。


 こいつの皮膚を使えば、100回切りつけても大丈夫な革製品は簡単に出来る。

 だけど、硬いから手袋としての柔軟性は皆無。


「まぁ、そこは錬金術師としての、私の見せ所って訳だ」


 頑張るぞー、と大いに張り切った私は、その後、締め切り期限の1週間前に課題となる防刃手袋を作成したのであった。




 あぁ、ちなみにタラタちゃんのも出来たので、一緒に送ったんだけど……。


「(普通のゴム手袋に、1つ1つ【防刃】の魔術付与がされてた……)」


 いや、それでもできるだろうけど、単純に考えてみて!

 40個の、薄いゴム手袋に、破れないようにするために【形状維持】の性質を錬成して付与したうえで、そしてその上で【防刃】を付与するって……。

 めちゃくちゃ根気作業だし、私だったら絶対にやらない。

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