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戦士の宴  作者: 高橋 連
二章 後編 「シャンピニオン山の戦い 其之弐」
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イディオタ

【イディオタ】


 イディオタは分身を三体造り出すと、四人となってユィンに襲い掛かった。

(イディオタよ、いくら変化したとはいえ、小僧相手に三分身とはやり過ぎではないか?)

 イディオタは自分に言い聞かせるように、〈アルファ〉に答えた。

(小僧はまだ兵器としての呪縛から解き放たれておらぬ……。極限まで力を解放し、死線を越えた先にしか呪縛を絶つ方法はないからのう)

 〈アルファ〉はイディオタの決意を悟った。

(そうか……。呪縛に打ち勝てぬ時はお前が……)

(ああ。あ奴がその呪縛に打ち勝てねば、今ここで儂の手で始末する)

 イディオタは全身より恐るべき殺気を放ちながら、ユィンを囲むように広がった。そして、ユィンを包囲すると、イディオタと三体の分身は一斉に動き出した。

 〈イオタ〉の剣を持つ本体であるイディオタは剣を大地に突き刺すと、その剣の魔力を注ぎながら詠唱を始めた。

 残りの三体の分身は、魔力を爆発させて周囲に魔力を具現化させた剣を幾つも造りだし、本体の詠唱を守る様にその魔力の剣を操ってユィンに襲い掛かった。

(分身で小僧をくい止める、〈アルファ〉は詠唱補助を頼む!)

(おう!)

 三体の分身は、それぞれが五、六本の魔力の剣を操り、ユィンを取り囲んでいた。

 変化したユィンは、魔力、闘気、更にはその身体能力も桁違いに強化され、もはや先程とは別次元の高みへと到達していた。しかし、そのユィンでさえ、分身とはいえ三体のイディオタと幾本もの魔力の剣が相手では防戦一方であった。

 そして、本体のイディオタが詠唱を終えると、大地が隆起し、幾本もの鞭となって、ユィンを捕らえようと空を切り、唸りをあげて縦横無尽に暴れ出した。


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