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戦士の宴  作者: 高橋 連
二章 前編 「黒き魔獣」
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コンジュエ

【コンジュエ】


 コンジュエは、魔物の繰り出す技に戦慄を覚えていた。

野生の暴力とも鍛磨された技術とも判断つかぬ動きであったが、闘気の大きさやその身のこなしは、コンジュエが今まで闘ってきたどの者よりも手強かった。

(これ程とは……。致し方ないか……)

「許せよ」

 コンジュエはそう呟き、乱れる心を鎮めて呼吸を整えると、全身の闘気を収束させて気穴を開放した。

 コンジュエが修行する崇山寺に伝わる気功術の一つで、体内の闘気を収束して凝縮し、その力を使って気穴を強制的に開き、爆発的に闘気を発生させる術である。

長く厳しい鍛錬を経ても、その術を会得できる者は幾人もおらぬ崇山寺気功術の奥義であった。

 長旅と魔物との戦いによって汚れ破れたコンジュエの僧衣が、体から溢れ出でる闘気によってはためいた。

「シャァァァー!」

 開放された気穴より激流の如く溢れ流れる闘気を纏い、コンジュエは鋭く息を吐きながら弾ける様に眼前の魔物に向かい駆けた。そして、全ての闘気を凝縮させて拳に集中させた。

 その鍛え抜かれた拳に、空気を振るわせる程の密度に凝縮された闘気を纏わせた一撃は、金剛掌と呼ばれ、まさにその名の通り何物をも打ち砕く威力をもっていた。コンジュエはその金剛掌を魔物の正面より放った。

 今までコンジュエの攻撃を全て片手で捌いていた魔物は、コンジュエの拳に宿った凶悪なまでの闘気に気づいたのか、両腕より生える角の様な突起物を交差させて、金剛掌を受けようとした。

(ほう、金剛掌を見切ったか。だが……無駄だ!)

 岩が砕ける様な音がして、魔物の両腕より生えた角は砕け折れ、コンジュエの金剛掌はそのまま魔物の胸を打ち抜いた。

 一瞬時が止まった様に魔物の体は硬直した後、紫色をした血を大量に吐血し、ゆっくりと大地に両膝をつくと、そのまま地面に倒れ伏した。

「許せ……。南無阿弥陀仏」

 魔物の体を覆っていた黒い闘気が消え去り、魔物の体が縮んだかと思うと、それは小さな人間の男児となった。

「なにっ!?」

 男児は更に吐血したが、その血は人間と同じ赤い血であった。

(人……なのか……!?)

 コンジュエは己の気を男児の体に注ぎ込みながら、全身の経絡を突いて治癒力を活性化させた。

「これは一体……」


2章スタートです!!


まずは2章前篇をお楽しみください^^


本日はもう一話アップいたします!!



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