10日目 ビット攻撃~そして魔王へ
10日目
日の出と共に起きてみた。
朝のすがすがしい空気が気持ちいい。と思ったのも一瞬。
酷い獣臭がしたと思って、風上を見ればトオルがいた。
ついでに鑑定してみると、豚奏者(笑)と猛者(笑)が統合され、4つ足までがストライク!は?性別なんて些細な問題ですよ(ガクブル)に変化していた。
長さよりも内容が恐ろしすぎる。確かにガクブルものだ。
恐怖の余りマッスルスパークを決めてしまった。
ということで、今日もいつものあれだ。
トオルに新しいアイディアを聞いてみる。
「オールレンジ攻撃は基本にして奥義!」とのことだった。
ふむ。珍しく悪くない発想だ。ということで作ってみた。
「天才 オブ ザ 天才っ!!!」という声が聞こえたが、気にしないことにしておいた。
少々難易度が高いので、いくつかの過程を経てみた。
①ビットを作る前に攻撃動作を試すために、銃で代用してみた。
うむ。無理だ。自分の視界の外まで自在に操作するのは難しい。しかも、複数を操作するなんて不可能すぎる。
せいぜい2個までが限界だ。しかも、空中に浮いているせいで銃口を相手に狙うのが難しい。2個なら固定して糸かなんかで狙撃した方が早いし、楽だ。
②手動は問題があるということで、自動操作ということにしてみた。
動きは自動になり、障害物をかわすことはできるようになったが照準を合わせるのが難しすぎる。
やはりこれは使い物にならん。
③そこで、ビット自体が攻撃能力を持つ、いわゆるファ○グタイプのものを作成してみた。
自動で魔力を感知して、ビットが突き刺さりに行くというシステム。
これならば問題はあるまい。
しかし、敵味方の区別がつかないのがネックだな。
俺は登録しているから攻撃されないし、トオルも魔力が無いから攻撃されないが・・・・
まぁ、いいだろう。冷静に考えれば、今まで他の奴と協力して戦闘したこともないしな。
ということで、今までの魔法の要素を加えて改良を遂げてみた。
④ビットの噴射口から風を噴出することでこれまでよりも高速での移動が可能になった。
さらに、ビットの先からはビームが出ることで貫通力をアップ!
加えて、ビットが突き刺さった瞬間にビットの周囲30センチを抉り取って転移するという自爆機構内臓。
最後に、ビットの撃墜防止のために、攻撃に対しては仮想空間による自動の防御機構付。
これ以上の改良は考えられまい。ふふふ。
試しに100個ほど作成してみた。
今、思えばそれが失敗だった。
完成後、速やかに自動起動し、びゅんびゅん飛んでっちゃいましたww
自宅の周辺を防御対象にしているのかもしれん。近寄らない限りは平気だが、近づいた相手はサーチ&デストロイしている。
まぁ、いいか。研究には全く問題ないし。
100日目
気付けば、私は真の魔王ということになっていた。
そして、トオルは自宅警備王(NEET)になっていた。
ちなみに、研究はとても順調です。
思いつきだけでしたが、一応完結です。