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お嬢様レディース ~超お嬢様達がレディースをつくったら、最強のやりたい放題のチームになりましたわ~  作者: 猫の手


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お嬢様 『夜の誓い、夢の航路へ』

 それから二日後の夜。 アルテミスとルナゴスペル、再びの合同走行。 目的は「西湘バイパス・夜間強化走行」。 月明かりの下、彼女たちは静かに横浜市街を抜け、埠頭を越えて西へと向かっていた。


 だが—— 交差点に差しかかったその瞬間、突如として現れたのは、10台を超える黒塗りのバイク集団。 ナンバープレートはなく、鋲付きバンパー、スパイクタイヤ、耐弾ガード…… まるで戦闘車両のような異様な姿で、道を塞ぐように横一列に並ぶ。


 その中の一人、見るからに荒くれ者の男が、がなり声を上げた。


「俺たちは“邪蘭”だ!伝説だぁ?あんたらは祭りの花火、うちらは地面這う火薬の火縄だ!」


「お前らが街のヒーローなら、俺らは街の毒だ。

 ……お似合いだろ?フヘヘヘ」


 下品な笑い声が夜の空気を汚す。


 美奈子はヘルメット越しに、静かに呟いた。

「……完全に喧嘩売ってるってことで、いいんだよな?」


 梓がシステムチェックを終え、ハンドルに手をかけながら答える。

「言葉じゃなくて、行動で語り合いたいってことでしょう。……こっちも、それが本業ですわ」


 雅が静かに手を上げ、全体に合図を送る。


「アルテミス、ルナゴスペル展開準備。これより“防衛行動”に移行します」


 玲奈がニヤリと笑った。

「よーし、ついに本物の喧嘩じゃん!」


 宗子と沙耶香が先陣を切り、コンテナヤードへとバイクを走らせる。

  それを見た邪蘭の数台が「逃がすな!」と叫び、追いかける。


 宗子がインカムで沙耶香に言う。

「シミュレーションでやった、あのターン。いくわよ」


 二人は加速し、コンテナ前で見事な90度ターン。 追ってきた邪蘭のバイクは曲がりきれず、次々とコンテナに激突。 金属音と火花が夜を裂いた。


 一方、梓は走行補助AIを起動。

  全員に行動パターンを共有し、敵の隊列を分断する。


 美奈子と千鶴は、スピンコントロールを駆使し、敵の進路を封鎖。 まるで氷上のペアダンスのように、完璧な連携で邪蘭の動きを封じる。


 あかねと玲奈は、あえて罠エリアに突入。 あかねは走行中に手刀で敵の急所を正確に制圧し、 玲奈は特殊警棒で次々と相手を打ち倒していく。


 わずか10分足らずで、邪蘭の主力は機能を失い、散り散りに。 道路脇に倒れ込む者たちの中、撤退の声が飛び交う。


 牙翔は、傷ついたマシンから降り、呆然と空を見上げた。


「なんだこいつら……女の走り屋じゃなかったのかよ。

 戦闘力モリモリじゃねえか……」


 美奈子が、バイク越しに言い放つ。


「私たちは、暴れたいだけの連中じゃない。

   この街で、誇りを持って走る女たちだ」


 雅が前に出て、静かに微笑む。

「テクニックだけじゃ、夜は走り切れませんわ。

   美しい花には、棘があると言うでしょ?」


 邪蘭は、敗北の言葉すら残せず、その場を後にした。


 翌日、ネットは騒然としていた。


 “あの邪蘭が10分で撤退?アルテミスって、

 華があるだけじゃなくて棘もあるのか…”


 “ルナゴスペルは、アルテミスの守護者って聞いたぜ”


 “アルテミスに近づくには、まず美奈子を突破しなきゃいけないのかよ。

 無理ゲーすぎる…”


 “#釣り師の目撃 #コンテナクラッシュ の動画、もう50万再生いってるぞ。あれ、埠頭の闘牛士じゃん”


 “あんたたち女を舐めすぎ。

 調子くれてると『月に替わっておしおき』されるわよ”



【月の雫ビル・会議室】

 アルテミスとルナゴスペルの合同会議。


「これでしばらくは、横浜も落ち着くわね」


「情報によると、少なくとも当面は、

 うちに手を出す勢力はいないようです」


「そういえば、もう夏休みですわ」


「今回のバカンスは15人ですわね」


「えっ、うちらも連れてってくれるのかい?」

 美奈子が、目をキラキラして尋ねる。


「当然ですわ。仲間ですもの」


「うわ〜、遠出なんて小学校の修学旅行以来だ。お菓子、いくらまで持ってっていいの?」


 《ぷぅーっ》 一斉に吹き出すメンバーたち。


 美奈子が呆れたように言う。

「千鶴、アンタのその食い意地、なんとかしなさいよ」


 ひなたが静かに尋ねる。

「場所はどこですか?やっぱりお嬢様だから軽井沢とか?」


 雅は微笑んで答える。

「夏といえば海でしょ。ちょうど、うちが開発したリゾートアイランドがあるから、そこにしましょう」


「リゾート……また一歩、お姫様に近づいた……」 


 雅が優雅に微笑みながら言った。


「では、集合は5日後、横浜ハンマーヘッドパークで。千鶴ちゃん、お菓子は300円までですよ。しかも税込みです」


「え〜!厳しいでス、総長〜!」

  千鶴が両手を挙げて抗議すると、またしても場が笑いに包まれた。


 そして5日後の横浜ハンマーヘッドパーク

 朝の海風が心地よく吹く中、ルナゴスペルのメンバーたちが大きなスーツケースを引きながら集まってきた。 キャリーケースにはステッカーやキーホルダーがびっしり貼られ、まるで遠足のような賑やかさだ。


 一方、アルテミスの面々はというと、 日焼け防止の大きな帽子に、肩掛けの小さなポーチ。 荷物は最小限、身のこなしも優雅そのもの。


 その様子に千秋が思わず尋ねる。

「みなさん、荷物は……?」


「はい。すでに船に運んでありますわ」

  宗子が涼しい顔で答える。


 涼子は下を向いてぼそりと呟いた。

「うう……ここに真のお嬢様と、エセお嬢様の違いを感じる……」

 目の前には、豪華大型クルーズ船が停泊している。乗客たちは、すでに乗り込みはじめていた。


「ひょっとして、この豪華クルーズ客船?うわ~あの夢にまで見たプールつきの・・・ 総長が動きやすい恰好でいいからって、Tシャツと短パンで来ちゃったよ。トホホホ」  千秋は肩を落として後悔する。


 そこに雅が現れてみんな揃ったか確認する。


 千秋はうらめしそうに雅に言った。

「総長がラフな格好でいいって言うから、アタイこんな格好できちゃったじゃないですか。乗客のみなさんの服装みたら・・うううう」


「え?乗客って?私達だけですわよ。後ろをごらんなさい」

 千秋達が後ろをみると、先には豪華クルーザーが停泊していた。


 その船の船体は、上品なマリーンブルーで上方建造物はホワイトで塗装されモールは金色。船体は船窓からみて下部3層上部は4層からなっている。

 そして船名はArutemisと金文字モールで書いてあった。


 いわゆる”メガヨット”である。


 近くに来て玲奈が、スットンキョな声で言った。


「な・なんですかこれ」


 正直ルナゴスペルのメンバーは同じ気持ちだった。

 豪華クルーズ客船の夢は見たことはある。

 身を粉にして働けば乗ることはできる。


 しかしプライベートのメガヨットは別である。

 アラブの王族や、極々限られた事業の大成功者、天上人のみが乗れる一般人には想像すらできない世界である。  


 その側面の階段の上には一人の人物が立っていた。




(参考)

 ※メガヨットArutemis  

 全長162m  最大船速20ノット  

 1F外部:後尾にプール バーベキュースペース 外部バーカウンター

 ソファーセット 前部にジャグジー 円形レストソファー

 ヘリコプター着艦スペース 

 内部:ラウンジ グランドピアノ 豪華シャンデリア 

 大型ディスプレー メインダイニングルーム 

 特注オーディオセット カウンターバー ワインセラー等       

 2F外部:前部円形ラウンジ 後部ジャグジー  

  内部:前部 操舵室 船長室 後部ラウンジ 大型レィスプレー 

 ビリアード台 サブダイニングルーム

 3F外部:外部円形ラウンジ 

 内部オーナープライベート室バストイレ完備  

 4F外部:展望用ソファー 内部天井総ガラス張り 天体観測等利用可

  B1:ゲストルーム ツインベッド(各部屋バストイレ付)10室  

  オーナールームキングサイズベッド(バストイレ付)執務用机付

  映画室 リクライゼーション室 美容室 船医室(常駐)

  2つの厨房 多目的ホール(パーティー室)ジム ゲスト用サウナ 

    室内用プール(後ろ扉が開いて開放可)  

 B2 船員用スペース機関コントロール室

 B3 倉庫 機関設置室 横揺れ防止装置 燃料曹 真水精製装置 

   汚水処理装置真水タンク  

 B1から4Fまで吹きぬけエレベーター

 全室Wifi 完備(スターリング使用)  総工費1500億円  


次回は、ルナゴスペルメンバーのドキドキ船内探索を中心に描きます。

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