気まずい再会、嬉しい再会
お久しぶりです。
書いてはいましたよ? ………一応。
寂しいなって思っても、そう口に出す勇気が無い。
だからいつも、寒いって言い訳をしてアルにギューってしてもらう。
『⸺ん? どうしたんだ、リィ』
『……寒いから、ギュってしてほしい』
『またか。……おいで、リィ』
『ん……♪』
アルの腕の中は、暖かくて心地いい世界で一番安心する居場所。皆がダメとかじゃない。ただ、皆の存在が同列の中で、一人だけスポットライトが当たっている一番。……でもこれ、他の人に取っては特別なのかな?
やっぱり……私は⸺。
*
⸺……なんで今、この事を思い出したんだろう。今の私が、寂しいと感じているんだろうか? ……姉様がいるんだから、寂しいなんて思っちゃいけないのに。
あれ…そういえば私、何して……⸺っ!?
「⸺姉様!?」
ガバッと飛び起き、部屋を見渡すが姉様は何処にもいない。一度深呼吸をしてから、魔力探知を試みる。
魔力というものは、生命の身体を巡り血液に似た個人魔力と、空気中を漂い酸素に似た自然魔力の二種が存在する。
ちょっと話は変わるけど、個人魔力は巡りの果てに生まれ持った身体の器に貯まる。魔法を使えば使うほど、器は強くなることは魔法使いじゃ当たり前って感じらしいんだけど……使えば使うほど、ごく僅かに魂に魔力が混じる事は知る人ぞ知るんだって。ツクモはまたちょっと違うんだけど……今はいいや。
⸺話を戻して。私は姉様の個人魔力を覚えているから、自然魔力を伝って一定範囲の魔力探知が出来るのだ。
「居た!……無事?」
個人魔力は、保持者の感情の影響を受けやすい。だから、一定の感情を読み取ることも出来なくは無い。
私はししょーから、読み取ることが得意な方だって褒められた事がある。だから、他の人よりも敏感な筈なのだ。
「良かったっ、身の危険は無さそう……⸺え?」
私は知ってる。この、魂に混じっている魔力たちを。忘れる筈も無い。
一つは、来世に期待していた魔力。もう一つは、会いたかった一人。あー、泣きたい。でも駄目。
私よ、頑張れ頑張れ頑張れ………よし、切り替えた。姉様の元に行こう。
そう考えてベッドから降りると、丁度よく部屋の扉が開いて一人の男が入ってくる。蒼髪に朱目の男。見覚えは無い。
「⸺あぁ、起きていたんですね。どこか動かし辛い、といった違和感はありますか?」
「いいえ。あの、もう一人…」
「あぁ、エナさん……黒髪の方ですね。今の時間でしたら、談話室の方にいらっしゃるかと。ご案内しましょうか?」
「……お願い、します。えと⸺」
「⸺私は、カイと申します。詳しい紹介はまた後ほど」
「分かりました、カイさん」
悪い奴では無い、そう思った。直感は大事だって、ししょーも言ってたし。私は彼に着いていくことにした。
*
「失礼します、カイです」
カイさんに連れられてる最中、不審がられない程度に周りを見渡してみると、洞窟? を補強したりしてあるみたいで……隠れ家みを感じて、なんだかワクワクする場所だ。
「し、失礼しま⸺うぶっ!?」
「リアっ! 良かった、無事で……!」
部屋の中に入ろうとしたら、姉様が抱きついてきた。姉様の方が背が高くて、丁度胸元が私の顔に当たって……息が、しづらい…。
「ね、姉様……くるしっ…」
「わー!? ごっ、ごめんリア!」
「いえ……⸺私の方こそ、ご心配をお掛けしてごめんなさい」
「ううん、リアが元気ならいいの!」
そう言って、姉様が離れる。……ちょっと寂しいけど、仕方ないよね。姉様に手を引かれながら部屋の中に入り、姉様と隣り合ってソファーに座るとカイさんは人を呼んでくると言って部屋を出た。
………じゃあ、そろそろ対面の人物をしっかり視界に入れるか。
「あー………その。は、ハジメマシテ」
「初めまして」
き、気まずい……コイツ、私のこと気づいてんのかなぁ。気づいて知らないフリしてるにしても、気づいてないにしても、私の精神力がゴリゴリと減っていくのは変わらないけど。
それはそれとして。コイツ、やっぱ良い面してるよなぁ……あー、イイ。良い面見て精神力の減りを軽減しないと。そう考えていると、勢い良く扉が開いて、見覚えのある紅い髪の少女が腰に手を置いてえっへんポーズをしている。
「⸺起きたって聞いたけど……元気みたいだね! それじゃあ、事情を聞かせてもらえるかな?」
さっきの探知の結果は、間違ってなかった。
ししょーは、此処に居た。
春アニメ中は春との助言を頂いたので、五月過ぎてもまだ天鬼ノ章なら章タイトル公開しようと思います。
感想・星・リアクション等々あると、作者は喜んでチョロくなり、頑張って書きます。




