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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第6章 少年期〜青年期 学園6学年編

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41話 “学園祭“・・・準備が役に立った・・・


まだ話し合っている大人達の様子を伺っていると、ちょうど父様達の話の流れで、“ベイノルデンの王女“と“ボレアースの王女“との交友関係の話題になったらしく、二人が仲良くなったきっかけを楽しく話していると、学園の警備騎士達に取り押さえられて、天華に口元を蔦でぐるぐる巻きにされていた“オーク王子“が、


オーク王子「むぐぅーーーっ!!」ガタガタッ!!


「「「「「!!!??」」」」」 「静かにしろっ!!」 「動くなっ!!」 「暴れるんじゃない!!!」


護衛騎士「皆様!お下がりください!!」 「総員!警戒体制!!」


ベイノルデン王族二人「「チャール!!?」兄上!!?」


 突如、苦しむ様に暴れ始めた“オーク王子“に誰もが驚き、各王族が連れて来ていた護衛騎士達が警戒体制に入り、その場が一気に緊張感に包まれ、クラスメイト達も警戒体制に入り、食堂内の全員が“オーク王子“から一斉に距離をとった・・・


(おっと?この感じ・・・これは呪詛?・・・でも、おかしいな、呪詛の媒体はあの“オーク“が持っているのは分かるけど、呪いが向かっている先がない?・・・いや、あれは誰かを呪って弱体させているのではなく、自分で自分を呪って“強化“しているのか?

 ん?これは“呪い《のろい》“ではなく、“呪い《まじない》“に近い効果?・・・違うな、力の供給源が“呪い《のろい》“と同じ思念と魔力じゃない、瘴気を纏った思念だ・・・

 自然エネルギーの一部である瘴気を使って“呪い《まじない》“をするなんて普通の人間ができるはずない、って事は、あの“オーク“を強化するのに、誰かが裏で手を貸しているな・・・奴らか?)


 と、厨房の奥で食堂の方から流れてくる異質な気配を感じながら、他の人達が危険を察知して厨房の方に逃げ込んでくるのとは反対に僕は、“オーク王子“がもっとしっかり見えるところまで前に進んで、異変が起こっている食堂の飲食スペースを覗き込んだ。


天華『アトリー、これは“強化“と言う生易しいものではない、これは、“変貌“です。本来の姿形を変えることで、本人の身体能力を限界値まで引き上げる事に特化させている。

 しかも、この“オーク王子“を“変貌“させ易くするため、別で何かしらの“術式“、もしくは“薬品“も併用していると思われます。

 それにこれは、ここ最近の“簡易儀式“と言う小さな規模ではない、瘴気と生物を贄として使った従来の規模の大きい“祈祷儀式“で“強化のまじない“を発動してますね・・・』


(“祈祷儀式“での“まじない“って、…良い方向に正しく行えば雨乞いも成功させることができるアレだよね?『はい』・・・それって、かなり、大きな力、エネルギーが動く筈、しかも、“強化のまじない“の思念を溜め込める媒体を“オーク王子“が持ったままだ、って事はその膨大なエネルギーをたった1人の人間の“変貌・強化“のために使うなんて、結構、ヤバイんじゃ・・・)


 僕が自分の目で“オーク王子“の様子を見ようと歩いていると、食堂の隅で姿を消して様子を伺っていた天華が、今、自分が見ている“オーク王子“の状態を冷静に分析し僕に伝えてきた。それを聞いた僕は、今のこの状況がかなり深刻なのでは?と思い、焦りで少し歩く速度を上げた。

 そして、“オーク王子“が肉眼で見える範囲まで来たので、そちらに目を向けた直後、


 メキメキメキメキッ!!!


オーク王子「ぅがあ゛ぁぁーーーーっ!!!!」


「うっ!!??」 「ぅわっ!!?」 ドカドカッ!!


 先程まで苦しそうに踠いていただけで、警備騎士の拘束を振り解くほどの力が無かった“オーク王子“、その“オーク王子“からメキメキッと、木材か何かが力任せにへし折られるような異音が聞こえたかと思ったら、“オーク王子“が不意に立ち上がり、後ろ手で縛り上げられていた縄を引きちぎり、両脇を捕まえていた警備騎士を両腕で吹き飛ばした。


「「「「「っ!?」」」」」


「な、なんだアレは・・・」


 誰が言ったかわからないが、今、目の前で起こっている現象を表すには他に言いようのない言葉だった。


 今、目の前で、人が徐々に元の形を失い、言い表しようもない化け物、怪物に“変貌“していっているのだ。


 元、“オーク王子“の小柄でマルッとしたフォルムの体が、ボコボコッと膨れ上がり肥大していく、その全てが鍛えられた筋肉でできているようで、体格が全く別人になって、服がビリビリに破け、皮膚もその膨張に耐えきれなくなったのか皮がめくれ、下から生々しい人の筋肉がむき出しになっている、それと同時に出血しているのか周囲に腐った血のような生臭い匂いが漂い始めた。


 誰もが、その異様な変化に驚きと忌避感を持ち、黙り込んでしまっている中、僕が放った一言がやけに鮮明に響き渡った・・・


「キモい・・・」 (某ゾンビ映画に出てくる大型ゾンビと、某巨人漫画のムキムキ巨人を足して2で割ったみたいなやつだな・・・)


オーク王子「ア゛、ア゛ァ、ミ、ズゲダ・・・ミズゲダァッ!!!」 ドゴッドゴドゴドゴドゴッ!!!


(げっ!こっちに来る・・・あ、でも、ここからなら安全に見れるね・・・ジュール達、ちょっとだけ我慢してね、まずはよく“見て“みるから・・・)


ジュール『仕方ないなぁ』 


天華『こちら側の人達の安全は結界で確保しておきますが、ほどほどにしておいて下さいね』


夜月『こっちもいつでも動けるようにしておく』


(了解、ありがとう)


「「「「「きゃっーーーっ!!」」」」」 「「「「「こっちに来たっーーーっ!!」」」」」


「「「「「アトリー!!」」」」」 「「「「「アトリー様!!」」」」」 「「「「「危ないっ!!!」」」」」


 地響きを鳴らしながら僕に迫ってくる“オーク王子“、いや、もう既にその意識があるかどうか定かではないほど、“変貌“して肉の塊となっているものが、一直線に突進してくる、でも、僕は焦らず、他の人達に害が無いか周囲を見渡した。

 すると、ソル達が横から“元オーク王子“を襲撃しようとしているのに気づき、それを僕は手振りで止め、そのまま待つように指示すると、すんでの所で踏み止まり、戸惑った様子だったが、すぐに後ろに戻るように飛び退いた。

 ジュール達にも手を出さないようにお願いして、僕はさらに前に出て、カウンターのところまで出てくると、原型を留めてない“元オーク王子“、“怪物“もあと数センチでカウンターに突っ込んでくる、そんな危険な状態に周囲は悲鳴をあげて逃げ惑い、僕を心配する声が食堂全体に響き渡り、騒然となった・・・


 ベッダンッ!!!!


「うん、やっぱりね、そうなるよね」


 ずるずるっ ずるっ ドジャッ!


 凄い勢いで突っ込んできた“怪物“は、大きな音を立てて見えない壁に激突し、壁全体に張り付くように止まったと思ったら、力なく下にずり落ちて、ただの肉の塊となった・・・

 これは元々僕が食堂を開く際に学園側に食の安全確保のために提案し、張り巡らしていた、体の害になる薬品や、僕を害そうとする者達が通れないようにする結界が正常に機能していただけの事。

 その事をちゃんと理解していたからソル達やジュール達は素直に僕のお願いを聞いてくれたのだ。


「「「「「えっ!!??」」」」」 「「「「「あぁっ!!」」」」」


 状況が飲み込めない他国の王族達とは反対に、結界の事を知っていたクラスメイトや僕の身内、この国の王族一行はそれに気づいて納得の声を上げるが、僕はそんな事は気にせず、自分の知りたい事を優先させ、瞳に“神力“を纏わせながら、“全情報開示“のスキルでただの肉の塊となった“怪物“を“見る“ために、カウンターから少し身を乗り出した。


「・・・ふーん、やっぱりアイツの仕業かぁ・・・おや?まだ“彼の意識“があるのか・・・」


元オーク王子「だ、だずげで・・・ジャマヲズルナッ!!コイツハ!オデノモノダッ!!」 ビュッ!!


「っと」さっ


 バンッ!バンッ!


元オーク王子「デデコイッ!!」 バンバンッ!


 カウンターから身を乗り出して覗き込んで、肉の塊をよく“見て“みると、瘴気や思念が今までに無いくらい濃く纏わりついているのが分かり、その瘴気と思念を“怪物“に送り込んできているのが、例の“邪神“と“邪神教徒“である事も分かった。

 それだけではなく、“オーク王子“の意識が、まだ“怪物“に飲み込まれていない事も発覚し、少し驚いていると、わずかに残っている“オーク王子“の意識が僕に助けを求めて来た、だが、その一瞬の正気もすぐに“怪物“に呑み込まれたのか、僕を捕まえようとしたのか、肉の塊から細長い手のようなものが素早く突き出てきた。

 僕はそれをすぐに避けてカウンターの中に引っ込んだが、相手は諦めずにカウンターの前面に張られている結界を叩き始めた。


「はぁ~・・・気持ち悪いな・・・それにうるさいよ?」 ズンッ!!


 ドシャッ!


元オーク王子「ゥヴバァァッ!!」


 しつこく結界の壁を叩いてくるそれに、嫌悪感を感じ僕は眉を顰めた、それに、厨房内に避難して来ていたクラスメイト達も気持ち悪がり、怖がっているのが分かったので、手っ取り早く身動きが取れないように、ピンポイントで“魔力威圧“をして、上から“怪物“の体全体を床に押し付けた。

 “怪物“は一気に圧力が伸し掛かった事で呻き声を上げたが、それ以上の行動はできなくなったので、カウンターからはその姿が見えなくなった、そのタイミングで、


「ジュール、“浄化と神罰“を・・・」


ジュール『了解!』「ワオォォーーンッ!!」


 パァァァーーーーーッ・・・・


 声が掛かるのを待ち構えていたジュールに、“浄化と神罰“を頼むと待ってましたとばかりに嬉しそうに姿を現し、身動きが取れない“怪物“の前に立って、高らかに遠吠えをした、すると、周囲が明るく光り輝き、食堂内に立ち込めていた瘴気と異臭を全て消し去り、最初の方で“オーク王子“に吹き飛ばされ、怪我をして、瘴気によるけがれを受けてしまっていた警備騎士の二人や、瘴気で体が“変貌“してしまっていた“オーク王子“の体も、全て浄化され、元通りになっていった・・・


「「「「「・・・は?」」」」」 「「「「「・・・はぁ・・・」」」」」


「なんだったんだ、今のは・・・」 「あんなあっさり・・・」 「物凄い、“魔力圧“だった・・・」 「あんな強固な結界があったのか・・・」


 今のこの騒動があまりにもあっけなく解決してしまったことで、呆然としてしまっている面々をよそに、ソルが、元に戻った“オーク王子“に軽く布をかけて、テキパキと縄で拘束し、再び警備騎士達に引き渡しているのを見届けた僕は、また厨房の奥に引っ込もうと歩き出した。


ボレアース王太子「・・・はっ!!、ちょっ、ちょっと待ってくれ!!“愛し子殿“!!!少し話をっ!!」


ヘリー姉様「!!、それ以上はお控え下さい!!」


 呆然としていたボレアースの王太子が逸早く正気を取り戻し、表に出て来ていた僕に気づき近づきながら声を掛けてきた。だがそれも、その後すぐに正気に戻ったヘリー姉様に行く手を阻まれて止められていたが、諦め切れずに、まだ呼び掛けてきていた。それを皮切りに食堂内の全員が正気に戻り、サフィアスおじ様や父様がボレアースの王太子を嗜めたり、ロブル大おじ様が拘束された“オーク王子“を城に連行するように手配したり、母様達女性陣が怖い思いをしたクラスメイト達を気に掛け、声を掛けたりと、大人達が諸々の後処理をそれぞれやりだし、僕はそれを背中で感じながら振り向く事なく、厨房の奥に移動していると、


天華『アトリー、ソル達が例の“会“の女子生徒5人に引き止められて困っているようですが、どうします?』


(あー、いたね、そんな人達・・・こんな騒動があった後だから、僕はゆっくり話を聞いてあげられないからなぁ、ソル達に、彼女達の用件が何か聞いて貰って、後で返事を出すって感じじゃダメかな?(*´Д`*))


天華『そうですね、今の騒動に全く関係なさそうな人達ですから、早めに帰らされそうですし、その方がいいでしょうね、では、私からそう伝言しましょうか?』


(うん、お願い、僕、なんだか疲れたから、休憩スペースに行ってるよ・・・(*´ー`*))


 “学園祭“が始まってから、立て続けに起こったトラブルに精神的な疲れがドッと押し寄せてきた僕は、天華やソル、大人達に後の事を丸投げして、少し一人になりたくて厨房裏の休憩スペースに向かったのだった・・・
















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