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閉話。激太りアデールさん(下)

痩せたアデールさん、違う悩みが増えました・・・。


翌日戻ったアーネストはアーリーに、たまには二人っきりで過ごしなさいと言われ、お勧めは始まりの森よと言われたのでアデールを連れ、シンフォニーバードに乗り向かっていた・・。


「アーネスト様、アーリー様が祠の中で振り返るなって言いましたよね。何か仕掛けがあるんでしょうか」


「笑っていたから死ぬことはないよ(笑」


「もう!」


出発直前、城の駐機場に見送りに来たアーリーが、始まりの森にある祠は特別な場所だから、中に入ったら振り返るなと教えてくれたのだった・・。


「いいアデール、貴女が祠に入って最初の扉を通過したら、部屋に入るまで絶対振り向いちゃ駄目よ。そこだけ注意してね」


「わ、わかりました。なにか起こるのでしょうかアーリー様」


「教えると興味が湧くから教えなーい。因みにアーネストは飛ばされないからね~(笑」


「・・・」


とまぁ適当な説明を受けてやって来た始まりの森。その場所は旧首都近くに存在する広大な森の中にある特別な場所だ。周辺部はそれ程でもないが、中心部に近づくに従って森は深くなり、日光を遮り、大型の魔獣が出没する。そして中心部の祠があるところまで来ると、鬱蒼とした森が一変、神秘的な様相を見せ始める。


「ここが始まりの森だよ、奥の方には妖精たちがいっぱい住んでいる森があって、その中心にある祠は色々な儀式を執り行う特別な場所だ」


「この森はとても深いところですね。ですが中心部だけ木々の高さと種類が違います」


目がとても良いアデールには違いが分かるのだろうか、アーネストには高さの違う木が生えているとしか目に映らなかった。時間が勿体ないので直接祠の近くに着陸することにした。


「す、凄い神秘的な場所ですね」


「城の裏手にある祠の中に似ているな」


「あー、あの祠まだ入ったことがないです〜」


二人が見ている景色は城の裏手の祠の中にある森にそっくりなのだが、精霊が飛んでいるわけでもなく、全体的に大振りな感じだ。だがそれなりに綺麗で神秘的だ。


「うふふ、私達しかいませんね!」


「そりゃここまで普通は来ないからね。そもそも立ち入り禁止だし」


「さぁ、森の散策は後にして、祠の中に入りましょう」


早速祠の中に入る。一番奥に儀式の間があるらしく、アーリー曰く”とても綺麗で神秘的よ”と言われとりあえずそこを目指したのだが・・。


「アデール、離れないでね」


「うん」


祠に入る前に手を繋ぎアーネストがエスコートしつつ中に入る。アデールは怖がってぴったり寄り添っていた。


「こ、ここから、う、う、後ろ向いちゃ駄目なのよね・・」


祠に入るといきなり大きく古びた木の扉が見えた。アーリーはこの扉の事を行ったのだろう。入る前に開けて先を見ると単に廊下が続いているだけだった。


「さぁ、入ろう」


「・・・怖いでしゅ」


廊下を歩き出すとアデールは怖いのかアーネストの腕にギュッと纏わりついてきた!


「キー!パタパタ」


何故かお決まりのコウモリのような鳥がバタバタと飛び回っていた。そしてアデールさんは、怖くなって思いっきり腕にしがみつくと双丘がムニュと食い込んでくる。


「わわわ、ピット、グニュ」


「・・・(きっとここで触れていると話したら茹で上がるだろうな・・」


アデールの極端な恥ずかしがり屋のことを分かっているアーネストは、決して弾力を味わう為に黙っている訳ではなかった。ここでバラすと茹で上がり大変なことになるのが分かっていて敢えて教えなかったのだが・・。


「うひゃ!」


「大丈夫、慌てないでね」


「あっ、胸が思いっきり触れて・・・ああ食い込んで(茹」


案の定、少し経ち冷静になると自分の双丘がアーネストの腕に思いっきり密着どころか、挟み込んでガッツリ密着していることに気がつくと、恥ずかしさMAXで茹で上がり、腰に力が入らなくなった脱力状態のアデールさんはしゃがみ込んでしまった。


「アデール、気にしないで」


「わわわ    」


恥ずかしさの余り慌てて顔を背け後ろを向くと、いきなり黒い霧に包まれこつ然と消えた・・。


「アデール!」


ーー


「ねぇ、あの祠って後ろ向いちゃ駄目なの?私は大丈夫だったような・・」


「ああ、アデールは未登録だから防犯装置に引っかかって黒ちゃんの住み家に飛ばされるだけよ」


客間ではアーリーとクレアがお茶を飲んで世間話をしていた。アデールが飛ばされた理由は空間魔法のトラップだ。中に入り振り向くとバンバン飛ばされるのだ。


「えっ、ソレってどこなの?」


「近くの森よ、悪いやつなら魔獣が退治してくれるの。今頃アデールなら遊んでんじゃないかな〜」


何とものんびりとした話だ、そもそも登録は黒ちゃんに頼めばOKなのだが、思いっきり忘れていたアーリーだった。それもわざと・・。


「ねぇ、登録って忘れてたの」


「あはは、子供の世話とか弄って遊んでたら忘れたわ〜」


「アーリー!(怒」


クレアは空いた口が塞がらなかった・・・。


「色々確認というか順序があるのよ、彼女はあの森で黒ちゃんに会わないといけないのよ」


「ふーん、そうなんだ」


どうやら、振り向かなくても黒の精霊に会うのは決まっているらしい・・。


ーー


「魔獣さん、ここはどこなの?」


「ギャウギャウ(黒の精霊様の住み家です」


「祠に戻る方法を教えてくれない」


「ガォー、ギャウ(精霊様にお会いした後なら案内します」


転送されたアデールは奥深い森に飛ばされ、気がつくと目の前に虎が大きくなった様な魔獣が立ちはだかっていたが、いつものように怖がらず話しかけると優しく教えてくれるのだった。


「久しぶりだねアデール」


「あっ、黒の精霊様、お久しぶりになります」


黒い霧と共にいきなり現れた小学生位の男の子は。その姿に似合わず、強烈な威圧を発し周りにいた魔獣は全て平伏していた。そしてアデールは片膝をついて頭を下げていた。


「ギャウ〜(おお、このお方は許されているのか」


一度、黒の精霊に会ったアデールは許されているのか、威圧を感じず平然としていた。


「城の裏手の祠には行ったのか?」


「いえ、まだです」


「そうか、戻ったら行きなさい」


「はい、承知しました黒の精霊様」


「それと聞くが長老達から秘術を伝授されたか」


「それは生命に関わる秘術の事でしたら、そうです」


「使わないことを祈ってるよ。だがその力を使うのは君の役目だ」


2人の意味深な会話の発する意味は、エルフ族特有の能力が関係している。アデールは魔術の精度が高く潜在能力も高い、魔力量も膨大で高度な魔法を扱える。アーリーの蘇生魔法も凄いが、彼女は更に細かく色々コントロールできたり兎に角にも凄いのだ。


「はい、使いたくはありませんし、使わない事を祈ってます」


「それではその力を完全開放する」


「はい」


黒の精霊が手を翳すと小さな光が現れアデールに吸い込まれていくが、これといって変化は何もなかった。


「君は始まりの森の事を知ってるのか」


「はい、もちろんです」


この始まりの森はクーン王国の祖と呼ばれる場所だ。全てがここから始まってると言っても過言では無い。数万年生きている黒の精霊すら、ここがスタート地点で世界の始まりだと言わせる程の所だ。


「アデールあえて言おう、君の本当の幸せは数百年後に訪れる」


「有難い予言の知らせを、心に秘めて生きてゆきます」


「それまで足掻くが良い」


黒の精霊は遠い未来が分かるらしいが、敢えてアデールに詳細は伝えなかった。それは余りにも辛くて長い道のりになるからだ。


「あのー、アーネスト様の所に戻して欲しいのですが」


「ああ、わかった」


黒の精霊がパチンと指を鳴らすとアデールはパッと消えてアーネストの元に戻って行った。


「わっ!」


「嗚呼、アデール!戻って来たのか!」


忽然と消えたアデールを探していたアーネストは、祠の一番奥にある儀式の間まできていた。そしていきなりパッと現れたアデールを抱きしめたアーネストは凄く心配そうな表情を浮かべていた。


「良かった」


「ヒャ!アーネスト様!」


「良かった君が無事に戻って来てくれた」


「はい、アデールは無事に戻りました。黒の精霊様とお話をしていただけです。心配させてすみません」


「そうか、良かった」


ギュッと抱きしめられたアデールは、アーネストの本心を今更ながらちゃんと知るのだった。


「わ、私の声を聞いた貴方はその、安堵感、心配したその意識、ありがとうアーネスト!」


「君はかけがえの無い大事な人なんだ」


「はい、はい、アーネスト様、私は貴方の事が好きです。大好きです!」


近距離で見つめあう二人。アデールはその先を望むように目を瞑り、それに答える様にアーネストは優しく彼女にキスをする。


「こんな僕を受け入れてくれてありがとう。好きだよアデール」


「はい!私も大好きです。貴方は最高の旦那様です!」


キラキラとクリスタルで出来た儀式の間の飾りが綺麗に光り幻想的な雰囲気の元、2人はお互いの気持を確認し合うのだった・・。


ーー


「おかえり、アデール目的は達成できたのかしら」


夕食前の時間、クーン城に戻ってきたアーネストとアデールは仲良く手を繋ぎ、彼女はニコニコしながら客間に入って来るのだった・・。


「はい!幻想的な場所でとてもロマンチックでした」


「ふーん、それなら毎朝キスしてもらいなさいよ」


恥ずかしがらずに手を繋ぎ、どことなく顔が大人びたような表情を読み取ったアーリーは、わざと引っ掛けてみた!


「はい!いってらっしゃいのキスと、お帰りのキスがしたいです」


「あらまぁ〜、変わったよ」


「ええ、確実に距離を詰めて来るタイプですね、このまま行ったら争奪戦になりそうですね!」


「コラ!」


アーリーとクレアの二人は、新人アデールさんの変わり身が早すぎてチョット驚いていた。


「ねぇ、アデールはおはようのキスはしたくないの?」


「そ、それは、横にアーネスト様が・・嗚呼、優しく抱きしめて・・嗚呼」


いつもの妄想が始まったのだろうか、朝のシチュエーションを想像しているのだろうか、アデールさんの表情は蕩け始めた・・。


「やっぱエロフになるわ」


「ですよねー、順調に育っていますね〜」


「エロフ?お野菜の一種ですか?」


二人「。。。(呆」


「教えて下さいませ」


「今晩添い寝してもらえば?」


「ピャ!・・・けど肌と肌が触れ合うとそれはそれで気持ちが良さそう(蕩」


一瞬驚いてびっくり顔になったが、チョットエッチな未来を想像したのか、また勝手に蕩けだすエロフ。


「エロフ来る!」


「コラ」


「アーネ大変だね〜」


「俺の休む時間が削られそう・・」


この純情娘が開花したら大変なことになりそうだと確信する3人だった・・。た・・。

宜しければブクマ評価お願いしますー。

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