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閉話。激太りアデールさん(上)

閉話ですが、なんとなく本編と絡みます。


ーー


この閉話は時間軸が大きく動きます。107話から元に戻りますのでご注意ください。


ーー


「うーん、クーンの野菜は美味しすぎて、止まりません!」


ジャガーが出発して1か月が過ぎようとしていた。そしてクーンは収穫時期を迎え新鮮な野菜が届くと、アデールさんの目の色が変わりひたすら野菜を食べていたのだ。それを見ていたアーリーは優しく微笑んでいた。


「まぁ、野菜は太らないから沢山食べて」


「はーい!」


そして1か月後・・・。


「アデール様、とうもろこし粉で拵えたクレープになります」


「この甘い香り最高!」


とうもろこし粉を焼いて作ったクレープに温野菜を乗せて嬉しそうに食べているアデールさん。草食とはいえ毎日結構な量を食べていた・・。


「あらアデール、貧相だったヒップが良い感じに育って来たわね」


「はいアーリー様!これもクーン野菜のお陰です!元通りになりました」


クーンに来た当初は精神的に追い詰められた後で激ヤセしていたらしく、ストンと起伏が無く小さかったヒップに丸みが戻って来た。それと心なしか丘も膨らんだように見える。


「健康で何よりね、あっそうだ、収穫を追えた美味しいお芋が来るよ!」


「何と!お芋ですか!」


「何種類か忘れたけどいっぱい来るよ」


「あーん、お芋好きー!」


そして次の日、アデールさんはお芋が届くと知るやいなや待ちきれず厨房に立っていた。そして目を輝かせ数種類の芋の調理を行おうとしているのだった。


「これは〜蒸して塩ね!あとこれは揚げてチップスが良いかしら」


「こちらのお芋は焼いた方が香りが立って美味しいです」


「それじゃ〜、皮つきが良いかしら」


「おお、良くご存知で皮が香ばしくなり美味しゅうございます」


「ウへへ、ジュル・・(涎」


クーン城は丁度秋に差し掛かろうとしていた。少し寒くなり食欲に火が付く季節だ。それに伴いアデールの食欲は旺盛になっていた。


「アデール様、チーズが焼けました。このポテトにお乗せすれば宜しいでしょうか」


料理長は大きな塊のチーズを遠赤外線ヒーターを使い上から加熱し、大量に溶けた部分をナイフで掬い上げベイクドポテトとふかし芋にタップリ掛け回すのだった。


「はい!有難うございます。これに葉物野菜を巻いて頂きます!」


食欲旺盛な草食エルフはポテトにチーズを乗せ葉物野菜を包み豪快に食し、その美味しそうに食べる姿を見ていた料理長は暖かい目でアデールを見ていた。


「美味しそうに召し上がる姿は、料理人冥利に尽きますな~」


「もぐもぐ、こ、これは、このイモは蒸かすと甘味が、それにこのチーズ・・・嗚呼幸せ!!」


エルフ族はタンパク質補給の為ヨーグルト、チーズ、バターを摂取するが、アデールはクーンの発酵食品が気に入ったのか、普段食べている量の数倍多く食べていた・・。


「ふむふむ、焼いたポテトにとろけたチーズをトッピング!こ、これ病みつきです!」


お芋チーズの無限ループに嵌まったアデールさんの食欲は落ちるどころか高まるばかりだ!昼食なのに既に1キロを超えるイモを食べていた。そしてある料理にハマった!それはバター、生クリームタップリのマッシュポテトだ。


「モグモグモグ、チュパチュパ」


「だ、誰なの、こんな夜更けに!」


夜中の厨房で咀嚼音と指を舐める音が不気味に聞こえてくる。良く見るとボーっと白い幽霊の様な物体が大きなボールをかかえてマッシュポテトをフライドポテトで掬い上げて食べていた・・。


「あっ、私よ」


「ア、アデール様!お腹が空いたのなら仰って下さい」


見回りの侍女が闇世に浮かび上がるアデールを見て少しビックリしていた。そう、彼女の口の周りは脂で光り、白い肌と相まって幽霊に見えるのだ。ただし以前より少し太めになっていた。


「ごめんね、お腹がすいちゃって・・モグモグ」


そう言うアデールはマッシュポテトをフライドポテトで掬い上げると口いっぱいに押し込み租借して厨房を後にするのだった。しかし侍女は終始何故か首を傾げていた。そう、どうやって部屋を抜け出したのかさっぱり分からなかったのだ。


「ア、アデール様・・・どの様に抜け出したのでしょうか・・」


「もうお腹いっぱい食べたから寝るね!」


「・・・」


満足そうなアデールは侍女の言葉が聞こえてないのか、無視しているのかわからないが、ベッドに潜り込んでいくのだった。


ーー


かれこれ収穫時期から3ヵ月が過ぎようとしていたある日の朝、相変わらずアデールが野菜を食べていたのだが・・・。


「アデール、貴女野菜だけで良くそこまで太ったわね」


「はい、お芋が・・・美味しくて止まらないのです」


恥ずかしそうに話すアデールさんは、来た当初に比べると格段に肉付きが良くなり、全体的にボテッとしているのだ。余りの変わりっぷりにアーリーはドン引きだ。それは首の二重顎のせいだ!あのキリッとした顎のラインは消滅していた・・。


「もう、アーネストの好みを通り越しているわね・・・そのポッコリ下腹部は受け入れないと思うわよ」


「え゛、そんなに太いですか・・」


立ち木の様に細かったシルエットは何処かに引っ越したのか、今見るアデールの姿を一言で表現するなら椅子に座った洋梨だ。手足は細いといえば細いが、顔はパンパン、むっちりとしたお尻は下腹部を含め廻しを巻いたように太く、3段ほど横に割れていた。


「うん、一言で言うならデブね!」


「ヒャ!」


「アーリー可哀想よ、ぽっちゃりって表現しなきゃ彼女傷つくよ〜」


「わわわ」


「ドレスのサイズ直しで侍女が大変そうよ、貴女11号でもパッツンパッツンでしょ」


「ええ、11号って・・結構な太さね・・(呆」


「はい、最近お腹周りが苦しいのです・・(沈」


「おいでアデール」


改めて三人はアーリーの部屋に行くと下着姿になり、お互いの体を見比べることになった。アーリーは授乳期が終わり、期間限定爆乳は通常サイズに。クレアは最近武術を習い始め腹筋が綺麗に割れ、勿論、ツンと上を向く美乳は存在感を表していた。そしてアデールと言えば・・・。


「ぷにゅぷにゅマシュマロだね(笑」


「うひゃひゃ!(恥」


そのドテッとした部分の脇腹、お尻の下など弛んでいるお肉をアーリーが掴み揉んで笑っている・・。


「初夜まで時間があるから元に戻しなさい!」


「はい、しゅみましぇん・・」


そしてアデール短期強制ダイエットプログラムが出来上がった・・。


6:00 起床

6:30 早朝ランニング

7:30 朝食(葉野菜のみ)

8:00~11:00 森の散歩

11:00 筋トレ

12:30 昼食(葉野菜のみ)

13:00 勉強、政務その他

15:00 筋トレ&ランニング

17:00 全体会議

18:00 温浴マッサージ

19:30 夕食(葉野菜&ヨーグルト)

20:30 全身エステ

22:30 就寝


この管理されたメニューを消化して3週間。急激に体重が落ち始め、もう少しで50キロを切る所まで痩せたある日の夜。


「ンッ?何この変な欲望の意識は・・・あっ、アデールだ!」


就寝時間が過ぎ夜も更けた頃、何か異変を感じたクレアは起き上がると部屋を出てその違和感を探し始める。


「どこ?どこにあるの、チーズ、お芋・・・私のお芋・・」


クレアが違和感を感じ向かったのは厨房だ。そして目に映ったのは暗いキッチンの中をウロウロと動き回る白い幽霊だ。勿論その正体はアデールだ。食べ物を探し徘徊しているのだがどうも様子が変だ。目は虚ろでフラフラと歩き回りまるで夢遊病者のようだ。


「あらら、リバウンドが精神の方に来たか」


「クレア様、昨夜、お手洗に行くとお部屋を出られましたが、私たちが見ていたので厨房には向かいませんでした。しかしお腹が空いたと漏らしておりました。今回、学習したようで精神魔法を使い私たちを避けこちらに来たようです」


夜勤の侍女が現れこれまでの経緯を教えてくれた。今回はアデールが精神魔法を発動した際、旺盛な食欲が漏れ出てクレアが気がついたらしい。


「アデール、お部屋に戻りなさい。ここには貴方が探している食べ物は無いわ」


「うんわかった、残念ね」


「明日食べなさいよ」


「うん、そうする」


強固な精神防御を張り巡らしている普段のアデールには精神魔法は通用しないが、クレアは夢遊病状態で且つ彼女の目的に沿った内容なら受け入れると考え、意識に送り込むと納得し諦めたのか大人しく部屋に戻っていくのだった。そして朝食の時にアーリーがとある提案をすることになった。


「ねぇアデール、昼食に”お芋”だそうか?」


「アーリー様、良いのですか、また太りませんか?」


「少しなら大丈夫よ、食べ過ぎが良くないのよ、適度に食べてね〜」


「アーリー様、有難うございます(キャ!」


この日の昼食に出された少量のベイクドポテトを嬉しそうに食べたアデールさんは、精神的に落ち着いたのか夜中徘徊することは無かった。そして数週間後、目標体重を達成し元の姿に戻ったある日の夜・・。


「あのねクレアから聞いたんだけど、貴女、夜中に抜け出して厨房を彷徨っていたのよ」


「ひゃ!ほ、本当ですか!」


「そう、だから昼食に好きなものを食べさたのよ」


クレアはアーリーに相談すると、徘徊のことは言わずに少し食べさせれば精神的に安定すると結論が出たので、昼食に出したのだった。


「アデール、今日は食べないの?目標達成したから食べても良いわよ」


「最近、別な悩みがありまして・・」


「んっ?なに?相談にのるよ!」


「・・・・」


急にソワソワし始めたアデールは、俯き顔は紅く染まりボソボソと呟いていた。


「どうしたの?聞こえないよ」


「アー・・ト様・ギュ・・ても・・たらわたし・・・・のです」


「へっ?ボソボソ話さないでよ〜、聞こえないよ!」


「あのですね、アーネスト様にギュッと抱きしめて貰いたいのです!」


「なんだそんな事なら直接頼めば?それともいきなり貴女が突進すればいいのに?」


「いえ、あの、ロマンチックな場所で愛の言葉を・・・あーイヤん!」


願望なのか、夢なのか、欲求が高まっているのか、愛の言葉を囁かれながらギュッと抱きしめて貰いたいらしい。グイングインと体を振り恥ずかしがっていた。


「アーリーこの意識って綺麗な欲情と表現しましょうか?純粋に身体の繋がりと言うか、抱擁を求めているみたいですね」


「あー、ねぇアデール、アーネストの事を考えると身体がゾワゾワして落ち着かないんでしょ」


「はい、実はそうなんです!」


「明日戻るから半日旅行にでも行ってくれば?」


「ビャ〜・・そ、それは・・嗚呼。。。」


きっと想像力が豊かなのだろう、妄想に耽ったアデールは急にデレ顔になった。


「まるで乙女そのものですね」


「そうな~、妄想乙女だわ~」


「ウヘェへ(涎」


「ありゃ、以外ね肉食エルフなの?」


「うん、彼女って開花したら間違いなく”エロフ”になるわ!」


お芋の件で何となく気がついていたアーリーは、妄想に耽るアデールを見て確信を得たのだった。


「エルフにしては欲が強いですよね」


「ねぇ気がついた?彼女、3大欲のバランスが凄くいいのよ」


「食欲、睡眠欲、性欲ですか?」


「そう、よく食べてよく寝て、ガッツリ妄想に耽るって珍しいわよ」


エルフは一般に睡眠以外の欲が極端に薄いのが普通だ。そもそもアデールさんはアシルが極端に可愛がり、男子との接点は皆無、食べ物は身体に良いものばかり食べさせられ、ジャンクなフライドポテトなどクーンに来て初めて食べ、その美味しさに衝撃を受けたくらいだ。結局変に抑制されたことが逆に作用し、食欲と性欲?が極端に強くなってしまったらしい。


「エルフの美貌でエロフってある意味最強で究極のエロ女ね!」


「エルフって執着心が強いから”快感”を覚えたら、何度もおかわりしそうね!」


「うわぁ〜、アーネスト大変そう・・」


「けど、あなたも癖になって最近、結構おかわりしてるそうじゃない」


「な!そ、そんな事ありません。おかわりはたまにです、です!です!」


「ふーん、そうなんだ〜、私は一回くらいしかおかわりしないわよ(ジト目」


「すみません本当は最低1回です・・(恥」


アーリーに対し精神防御を強固に頑張っても無駄なので、素直に認めるクレアさんだった。


「クレアはエロア〜」


「もう!」


「あのー、キスってそんなに回数少ないの?」


「・・・!!(呆」


「あはは(汗」


何とも鈍いアデールさんは、翌日アーネストが戻ってきて半日旅行に出掛けることになったのだ。戻ってきて半日旅行に出掛けることになったのだ。

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