1.異世界召喚
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今、俺は奈落の底へまっ逆さまに落ちているところだ。
(ああ、この程度で俺は終わるのか……やり残したことだらけで少し悔いはあるけどもつまらなくはない人生だったな……もう今更どうこうできるものではないし……)
狂ったように笑いながら俺は深い深い奈落の暗闇へ消えていった。
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真條 カケル 16歳 趣味は、異世界系の漫画やゲームなどで、いわゆる「オタク」である。
クラスの中で、その趣味が悪目立ちしたのか「オタク〜」「キモ〜」などとよく言われている。
口数が多い方ではないが、陰キャというわけでもない。
容姿も至って平凡で、成績もまわりよりも少し良いといった感じである。
なのに、このオタクの存在が認められてきた時代なのに、カケルはオタクと差別されるのだ。
今日も、朝のホームルームの開始直前に学校につき、遅刻を回避する。
クラスのあちこちから「今日も来るのかよ」「いつも通りキモ〜」などという声が聞こえてくる。
いつものことだからと割り切って行動してしまえば楽なのだろうが、そんな事ができたらとうにやっている。
そんなとき、いつも声をかけてくれるやつらがいる。
「カケル、おは〜!」
「おはよう!カケルくん!」
「真條おはよう。ナイス遅刻回避〜」
「おはよ…」
この学校ではかなり有名な4人グループだ。
最初に声をかけてくれたやつから、天道龍輝、速風詩葉、夜凪銀河、海野凛華だ。
龍輝は生徒会長、詩葉は副会長、銀河はサッカー部キャプテン、凛華は書道の全国大会に出ている。
みんなすごい能力を持っていて、顔も整っている。
そして、いろんな人達から慕われていて人気者だ。
なのに、なぜ俺にそこまでかまう……まわりからの冷たい視線が……
そう!カケルがクラスでみんなから反感を買ってしまっている理由の一つがこれだ!この4人はカケルにもみんなにも同じように親しく接するが、そのせいでカケルは
「なんでその4人と話すんだよ!」
「話してて自分と釣り合ってないとは思わないの?」
「自分の立場がわかってなくて草」
などと言われているのである。
そうこうしているうちにガラガラと扉が開き担任の直也先生が教室に入ってきた。
みんなは席につき、静かになる。
「お前らおはよう〜。全員出席してるな〜。今日、現代文の先生が熱出しちまったから、今日の現代文と明日の理科の授業は入れ替えだぞ〜。じゃあ今日のホームルームは終わりな〜。各自自習するよう」
直也先生は聞いての通りいつも軽いが、いざとなったら頼りになる人だ。
直也先生が教室を出ていき、また騒がしくzzz……
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「くん……カケルくん」
名前を呼ばれて目が覚める目がさめる。
「あれ?たしかさっきホームルームが終わって……」
「もう6時間目はじまるよ」
「うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!詩葉!?」
近い近い!!!うん、天国〜……ん?あの、詩葉さん。なんか今、聞き捨てならない事を言いました?
「ほら、ボーッとしてないで理科室行くよ」
『キーンコーンカーンコーン』
「アノ、ウタハサン。コノチャイムッテ、ロクジカンメ、ハジマリノチャイムデスカ?」
「そうだけど……?そんなことより早く準備!もう授業始まっちゃったよ」
俺は5時間プラス昼休みぶっ通しで寝ていたのか!最右記録を更新してしまった……
そんな事を考えながら、秒で準備を終えダッシュで理科室に向かう。
「遅れてすいません!」
息を切らしながら理科室のドアを開けて入る。
「うわ、来やがった」などと声が聞こえてくる……聞こえてますよ
幸い、今日は先生も遅刻でさっと自分たちの席につく。
今日は詩葉さんが隣みたいだ。
ノートを広げて授業準備をしていたら、チョンチョンと腕をつつかれた。
「翔くんってご飯食べた?」
「え?ああ、まだ食べてないよ」
「そうなんだ。実は私と龍輝も生徒会あったから食べてなくてさ、よかったら一緒に食べる?」
いっきにまわりからやけに殺意のこもった視線を感じるようになったんだが……
「なんで真條が詩葉さんと一緒にランチをするんだよ」
「クズの極み。いつまでも人の優しさに漬け込んで他人に迷惑をかけながら生きて行く出来損ない」
などという声もちらほら聞こえてくる……え?カナシ……
俺としては、こういう状況になっちゃうからそういうお誘いはなるべく控えてほしいんだけど………
だがしかし、その思いは本人には届くことなく、
「せっかくだから一緒に食べようよ〜」
「俺がいたら二人のじゃまになっちゃうから、今日は一人で食べようかな〜……」
「え〜!ぜんぜん邪魔じゃないよ〜!」
「うっ……」
もうこれ以上は視線がやばい……
「そのへんにしておけよ。カケルが困ってるだろ」
ありがとう銀河!
目でサインを送ると、銀河はスマイルで返してくれた。
イケメンだ〜
詩葉が「え、でも…」と、戸惑っていると、ドアが開き直哉先生が入ってきた。
え?なんで直哉先生が入ってきたんだ?
「理科担当の藤井先生が行方不明になった」
唐突な言葉に理科室がシンとなる。
その時、事件は起こった。
突然教室の床に魔法陣が浮かび、教室内は真っ白な光りに包まれた。
一瞬だったのか、10秒だったのか、5分だったのか、しばらくしてから光が消えた。
あとに残ったのは、実験器具、書きかけのノート、整頓されていない椅子などを残して理科室で飼っているカメを含め生き物はすべてこの教室から姿を消した……
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