騎士、質問する。
夕飯で作ったお魚のソテーは3匹お皿にのせてルウイさんに出すと、
「そんな・・・、私は1匹で十分です!」
と、言うので・・もう1枚お皿に追加してやった。
何を言ってるんだ・・そのデカイ体で。
「その大きな体を維持するために、しっかり食べて下さい。遠慮は無用です。半年は一緒にいるんですから、そういうのは今後なしですよ?わかりましたね!」
ビシッとルウイさんに言うと、少し困った顔をして「・・しかし」って言うので、私が自分のお皿の魚をルウイさんに渡すそぶりを見せたら、慌てて「わかりました!」って言った。
よしよし・・、人間素直が一番だ。
「あと、個人的に鍛えてる人は好きなんで、ぜひとも維持して下さい」
そう言うと、ちょっと目を丸くしてから少し照れつつ頷いた。
こんなど田舎で、格好いい筋肉に会えると思わなかったし・・、ぜひキープして欲しい。外見18歳だけど、中身はひどいもんだ・・と、自分で突っ込む。
結局4枚あった魚は綺麗にルウイさんのお腹に収まった。
やっぱり・・、明日の朝食には肉を焼くか・・。
きっとお昼は足りなかったに違いない。
ルウイさんは、お昼と同じようにお皿を洗ってくれた。横で私はお皿を拭いて、棚にしまうだけ・・。なんて助かるんだ!
食後のお茶を飲んでいると、ルウイさんは壁にかかっている家族の絵を見て・・
「・・・そういえば、トーリのご両親は・・?」
「・・・すみません・・、まだ私達、基本的な事を何も話してなかったですね・・」
筋肉云々の前に、自分の状況説明十分にしてなかった・・。
「両親は、5歳の時に他界しました。2年前までは、ここに一緒におばあちゃんと住んでたんですけど、そのおばあちゃんも亡くなって、天涯孤独の身です」
「・・・・ここに、一人で・・?」
「そうですね〜、だからすみません・・、ルウイさんが現れてちょっと嬉しくて、はしゃいでました・・」
年甲斐もなく、すみません・・。
ルウイさんは、ちょっと驚いた顔をして私を見る。
「・・お一人で・・物騒では?」
「あ、ああ〜・・、ここは平和なんで、大丈夫でしたね。時々ギルドの警備隊が見回りしてくれてるし・・、あ、でも、魔狼っていう狼が出てくるのだけがネックですね」
あれな〜・・、飼ってた鶏食べちゃってなぁ・・。
それ以来、野菜しか育てられなくなっちゃったんだよね・・、そんな事を思い出していると、ルウイさんの眉間のしわが寄っているのに気付く。
「ルウイさん・・、眉間のシワ・・大丈夫ですか?」
「・・ああ、失礼しました。騎士として仕事をしていたので、全力でお守り致します!どうぞ、今後は安心して過ごして下さい」
キリッとした顔で話すルウイさん。
騎士さん、頼もしいなぁ〜。
綺麗な顔がキリッとしていて、格好いいなぁ〜、ちょっと締まりのない顔でふふっと笑ってルウイさんを見て、
「頼もしい事この上ないです。よろしくお願いします」
「はい!!」
あ、なんか後ろで尻尾がブンブン揺れているように見える。
「えーと、翻訳の仕事は説明したし・・、あと何か聞きたい事はありますか?」
「・・成人しているとお聞きしましたが、お付き合いされている方などは・・?私がここに住んでいたら、あらぬ疑いをかけられるのでは・・」
ああ〜〜〜、そういう心配・・。一瞬、遠い目になった。
生きるのに必死で、そういう縁はとんとございません・・。
「ご配慮ありがとうございます。そういった心配は残念ながら一切ないので、大丈夫です」
「・・・そうですか・・」
ルウイさんは、ホッとした様子だった。
何から何まで細かい配慮、ありがとうございます!!大丈夫、これからも私はピンで生きていく。
と、ルウイさんが私をじっと見つめる。
「・・あなたは、私の事はあまりお尋ねにならないのですね・・」
あ!そうですね!!
ごめーん、普通とか、通常っていう概念がどっか行ってるんですよ。




