騎士、こだわり。
今晩は、行商の人達の調査をしたらしい。
あちらもこちらにどんな人や家があるかを調べていたらしいけど・・、以前来た仲間たちから話を聞いてたのか、場所など把握して動いていたらしい。
「・・・明日、また早めにギルドに行ってきます」
「今日も遅かったのに、明日も早いなんて・・大変ですね。お弁当作っておきますか?」
「はい!今日のも美味しかったです」
「それは良かったです」
ニコニコお茶を飲みつつ、尻尾が機嫌良さそうに揺れて見えるのは
私の気のせいでしょうか・・。
しかし、朝も晩も仕事をするのだ・・、お弁当くらい作るし、機嫌の一つも取ろうではないか。
暖房が効いて、暖かくなった部屋はほかほかして眠くなってくるな。思わずあくびが出てしまって、ルウイさんがニコッと笑って、ささっと片付けてくれた。早い、仕事早い。
「さ、じゃあ寝支度して一緒に寝ましょう!」
「それの為か〜〜!!!今、感心した私の心、ごめん!間違えてたぁあ!!!」
ルウイさんの相変わらずのブレない所・・すごい。
え?もちろん一緒に寝ませんって言ったよ。すごい落ち込んでいたけど。男女は一緒に寝ませんって・・。
翌朝。
ちょっと不満げな顔をして、カウンターの前の椅子に座って私を見上げるルウイさん・・。
おい、誰だ?
控えめな方みたいな事言ってた人は?別人だって、これ。
ルウイさんをチラッと見ると、「・・一緒に寝たかったです」って言うし。
椅子に座っているので、手が大変届きやすい。
お茶をカップに注ぎつつ、ルウイさんの頭をぽんぽんと優しく触れる。
「はいはい、今日はお肉多めのお弁当にしましたからね。機嫌なおして下さいね〜」
そういって、手を離してカップを代わりにルウイさんの前に出すと、両手で顔を覆っている。ど、どうした?!!
「・・・・朝から死にそうです・・・」
「なんで?!何があった?!」
ちょっと目だけ出して、私をちろっと見るルウイさん・・。
なんか顔、赤いけど・・大丈夫なの?
「・・それ、絶対私だけにして下さい」
「・・何を?」
「・・・・頭に優しく触れるの・・・です」
え〜、結構いつも頭撫でてるけど、軽く触れるのは恥ずかしいの??違いがよく分からなくて、謎だ。まぁそう言うなら・・と、頷くと、安心したようにお茶を飲むルウイさん。
騎士団長様の考えている事はよく分からん。
そうして、お弁当を持ってギルドに出かけたルウイさん。
一方の私は今日もお仕事だ。
枕の間違いじゃないの?ってくらい分厚い古典文学の翻訳だ。こんなの読む奴いるのか・・・?
「あ〜・・仕事したくない・・」
しかし生きる為には、翻訳の仕事はせねばならない。
畑が雪ですっかりお休みなので、つまらない・・。息抜きといえば読書・・って、結局仕事を思い出しちゃうしなぁ・・。
そんなことをぶちぶち言いつつ、なんとか仕事を終えて昼食を食べる。
「・・気晴らしに買い物にでも行くか!」
体をちょっと動かした方が気分転換になるし・・。
そう思って、コートを着て外へ出る。
雪は降っていないけれど、寒いー!!!
白い息を吐くと、春が待ち遠しくなるけれど、そうなるとルウイさんは帰っていく。・・いや、帰るというより、どこかへ行くのかな・・。
キリルが誘えば、騎士団とか・・かな?
胸が、またちょっとチクチク痛む。
・・・気晴らしに出たのに、ルウイさんの事を考えると胸が痛くなってしまう・・。ダメだ、気晴らしの意味がないな・・。
「おい、そこの女!!」
と、いきなり無礼な声かけをされて、足を止める。
横を見ると、見回りを終えたのかお店から出てきたのか、ネイトさんが立っている。
・・・・うわーー、私は何故この人とのエンカウント率、高いんだろ・・。




